#6 繁本 将憲 様【シニアマネージャー】

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#6 繁本 将憲 様【シニアマネージャー】

NTTデータ経営研究所プレミア インタビュー

CEG 山口繁本さん、今日はよろしくお願い致します。

経営研 繁本よろしくお願い致します。もう皆さんにお話聞かれました?

CEG 山口はい、繁本さんで最後になります。皆様、取り組まれている領域が本当に様々で、領域の広いユニットということを再認識しました。

経営研 繁本そうですよね、当初は、テレコムやインフラ系の案件が多かったのですが、だんだんそれぞれが領域を広げていきました。
今回インタビューで話を聞いていただいたメンバー以外でも、例えば組織・働き方改革をメインで担当しているシニアマネージャーもおります。

CEG 山口本当に幅が広いですね。幅が広いがゆえに、「自分はどんな案件を担当することになるのだろう」と思われる方もいるかと思うのですが、アサインはどのように決めていらっしゃるのですか?

経営研 繁本基本的には、その時に動いている案件と必要人員、そしてその方のバックグランド・得意領域と、志向性を総合的に勘案して決めています。
コンサル未経験の方の場合ですと、まずはしっかりと独り立ちできるように、色々な案件を対応してもらうことが多いです。
今回のインタビュー、結構尖った話しかしていないと思うんですが、オーソドックスな調査・分析・報告という案件もありますので、まずはそこからコンサルとしてのベースを学んで頂けます。

NTTデータ経営研究所

CEG 山口そうなんですね、ありがとうございます。
すみません、繁本さんとは採用MTGなどで良くお会いしていて、付き合いも長いので、つい自己紹介をお伺いするのが遅くなってしまいました。改めてお願いしてもよろしいでしょうか。

経営研 繁本大学卒業後、外資大手SI企業でシステムエンジニアとして品質管理を担当していました。
で、品質管理って何をしているかというと、いわゆるトラブルプロジェクトの成果物を預かって、問題を分析してこういうところを改善したほうがいいですよというのをフィードバックするような仕事です。
その経験から、人にアドバイスするような仕事を極めたいと思い、コンサルティングファームへの転職を考え始めました。
それで、転職先として選んだのが前職のアーサー・D・リトルです。ここで6年程働いて、当時の上司でもあった松岡に誘われる形でNTTデータ経営研究所(以下、経営研)に入社しました。
本当はもう、チームの立ち上げで1年ぐらい恩返ししたらコンサル辞めようと思っていたんですけど(笑)。

CEG 山口え、そうだったんですか!だいぶ経ちましたね(笑)

経営研 繁本松岡に誘われる前はコンサルを辞めて、事業会社に行こうと思ってたんですよ。
でも、経営研に移ってきて違う形でコンサルティングに関わったことで、改めてコンサルって面白いなと感じて、今に至ります。
自分で実現させたい社会やビジネスの絵を描いて、それを提案して、さらに自分の責任でプロジェクトをできるようになると、コンサルの面白さってすごく変わってくるんですよね。
自分が「世の中こうしたい」と思って、それを実現させるための動きをするというのは今までとは全く違う動き方で、最高に楽しいです。
これは移ってきていい意味で新しい発見があって驚いたところですね。

CEG 山口コンサルとしての面白味を十分に感じされていらっしゃるのですね。

NTTデータ経営研究所

経営研 繁本たまに、「こんなのどうですか?」という転職のお誘いを頂くのですが、今より面白いかなと考えてみても、やっぱり「うーん」ってなっちゃうんですよ。

CEG 山口それは、どうしてですか?

経営研 繁本私はこれからも社会課題の解決をやっていきたいと思ってるんですよ。
ただ、社会課題の解決型で仕事をする場合、利害関係やサービス、プロダクトなどの制約要件があるとけっこう難しくて、やっぱりコンサルの立場が最適なんですよね。

CEG 山口確かに、それは事業会社や、特定ソリューション提供型のコンサルだと難しいでしょうね。
ちなみに、仰る通りシニアマネージャーまで上がったらこその面白味というものはあると思うのですが、繁本さんからユニットのメンバークラスの方を見て、こういうところが面白そうだなと思われるところはありますか?

経営研 繁本そうですね、コンサル業界は色々な会社と接していますし、そこに新しいものを考えて提案して、自分たちのネットワークを作っていっているので、外に出て色々な人たちと直に議論する場を持つというのはとても良い刺激を受けられると思います。
うちのユニットの主なインタビュー先や提案先というのは、新しいことをやろうとしている人たち、すなわち社会に問題意識を持っている人たちばかりなので、提案に対するリアクションも面白いですよ。

CEG 山口それはいいですね。中には、結果ありきの調査、資料作成などの案件もあると聞きますので。

経営研 繁本結果が決まっていて、検討経緯を形式上纏めるための資料づくりといった案件には、ほとんど縁はないですね。

CEG 山口繁本さんが最近取り組んでいらっしゃる領域は、引き続き医療、健康ですか?

経営研 繁本そうです。医療、健康の領域は、ここ数年が非常にホットなところですが、2025年問題などを迎えるにあたって、法改正も行われる最重要年が今年になります。
お金の流れやプレイヤーの役割などがどんどん変わってきているので、その中でどうやって新しい仕組みを作るかということに取り組んでいます。
それこそ10年前などは、「医療の世界は民間企業が入ってもお金にならない」とか、「予防なんて、興味はあるけどビジネスにならない」と言われていたのが、実際お金になって事業として成り立つ時代になってきているので、「こんな絵にしたら事業になりますよ」という提案が出来るチャンスなんです。

NTTデータ経営研究所

CEG 山口マーケット規模としても大きいですし、変革が近々で求められている業界ですからね。

経営研 繁本提案したいネタはもう山ほどあるんですけど、体が追い付かないので、是非興味のある方に早く来ていただきたいです。

CEG 山口医療、健康に関して企業側の本気度も年々増してきていますよね。
提案先というのは、民間企業もあれば、官公庁や地方自治体もですか?

経営研 繁本実証実験とかやる時に自治体を巻き込むというのはあるんですけど、基本は民間企業ですね。民間企業と協力しながら、自治体を一緒に説得するとか、そういった動き方が多いです。

CEG 山口なるほど。結果的に全体を巻き込んで変革を起こすという流れですね。
医療問題、特に2025年問題は、解を導きだしにくい非常に難しい問題だと思うのですが、そこにどう切り込んでいこうとお考えでいらっしゃるのですか?

NTTデータ経営研究所

経営研 繁本1つ壮大な話としては、アメリカで先進的なモデルがあって、オバマ政権の時に作られたものなのですが、メディケア、メディケイドみたいな保険制度から、ある地域の医療財政をまるまる請け負うんですね。
それで質を維持した状態で医療費を削減すると、削減後の半分は請け負った組織がもらいます、という大まかに言うとそういった制度です。
例えば、それに近いモデルを日本に持って来られれば、さらにそれを民間企業が請け負えるモデルを作れれば、ビジネスとしても大きいですし、質の向上や効率化にも繋がるのではないかと思っています。
これは国も動いてくれないといけない世界なのでそう簡単にはいかないですけど、官公庁や自治体の動き方も変わってきていますので、その変化している流れに、この医療という社会課題と事業をどう結び付けるかという絵を描いています。

CEG 山口それで、今はまず民間企業の方にアプローチされていらっしゃるのですね。

経営研 繁本はい、やってみようという人は明らかに増えていますね。
提案を持って行って、「これはちょっとお金になりそうにないから」と切り捨てられることはほとんどなくて、「ぜひ面白いからやってみよう」という反応が多く、やりながらマネタイズのところも具体化していこう、と。

CEG 山口5~6年ほど前に、健康・予防という話をしても「本当にお金になるの?」という反応でしたもんね(笑)。

経営研 繁本言われていましたね(笑)。特に日本人は健康に対してお金を払わない気質がありますから。
今も本質的には変わっていない気もしますが、人を動かす力を持った良いサービスが増えてくることで行動は変化してきているのかなと思います。

CEG 山口ちなみに、この領域を手掛けられているコンサルティングファームは少ないかと思うのですが、他社とバッティングすることはありますか?

経営研 繁本ほとんど会わないですね。医療健康系でコンサルをやっていますって言うと、だいたいの人は製薬会社の生産性向上をやっているんですよ。MRの部分の。
社会課題を見ながら動いているコンサルっていうのは、そんなにたくさんいないです。さらにそれを専門として組織を作っているっていうのはほぼいないんじゃないでしょうか。

CEG 山口ではこれから繁本さんがそういった組織を作っていきたいとお考えなのですね。

経営研 繁本そうしたいなと思っています。なので、企業から相談される時は、だいたい「ヘルスケアの新規事業を作りたいんだけど、どうしたらいい?」という内容なのですが、それに対して、「今社会がこうなっていて、その課題に対して御社はこういう貢献ができますよ」という趣旨でお返しして、これがどうやったらお金になるかということを提案しています。

NTTデータ経営研究所

CEG 山口過去、繁本さんが提案して手掛けられた案件で印象に残っているものはございますか?

経営研 繁本地域包括ケア、医療と介護の連携に関する案件ですね。
もともと、医療介護連携がうまくいっていないという課題がありまして、でもそのままだとこれから先、病床が足りない中で医療難民が出てしまうので何とか手を打たなければならないという状況にありました。
そこでIT業者などが連携システム作ってみたはいいもののなかなかうまくいかず、日本全国で失敗事例がたくさんあるんですね。
やはり、医療と介護の間での価値観や言葉の違いがあり、連携の必要性を感じていない施設も多かったので、システムだけでは絶対にうまくいかなかくて、もっとアナログなサポートの仕組みやコーディネーターが必要な状況なんです。
そこで、製薬企業とタッグを組んで、私たちが裏方で事業モデルを考えて、情報を発信して、製薬企業がコーディネーターとして現場のサポートをしていくというプロジェクトを進めています。製薬企業からすると、薬はだんだん売れなくなって、薬価が切り下げられていく中で、自分たちの新しい提供価値をプロジェクトを通じて描いていくという利点があります。
両者にとって価値のあるプロジェクトかなと思っており、これをずっと続けています。

CEG 山口長期プロジェクトになっていますよね。
プロジェクトが完成するタイミングとしては、ある特定の地域で、製薬企業がコーディネーターとして活躍し、医療介護連携が実際に稼働するようになったら、となるのでしょうか?

経営研 繁本実は、特定地域では既に稼働しているんです。
今は、それをどうしたら日本全国に進められるかということを次の課題として取り組んでいます。

CEG 山口もう成功事例が出ていらっしゃるのですね。

経営研 繁本あるんです。ただ、そこはたまたま視座の高いお医者さんがいたり、行政が非常に協力的だったりという条件が揃ったうえでの成功モデルなので、日本全国に広めようとした場合、そのまま持っていっても難しいかなとは思っています。
わかりやすいインセンティブがないと、全ての地域に広めていくということは難しいので、頑張った地域には頑張った分のインセンティブが出るような仕掛けを作っていかなければならないと思っており、それをどう仕掛けていくかということを考えています。

CEG 山口その仕組みが日本全国に広まると、日本が抱える深刻な医療・健康問題の1つが解決されますね。
決して簡単ではないとは思いますが、社内的意義の高いお仕事だと思います。

では、次に少し質問の種類を変えまして、繁本さんが今後取り組みたいテーマや、キャリアパスについてお聞かせ頂けますでしょうか。

NTTデータ経営研究所

経営研 繁本テーマとしてはやっぱり医療、健康、まちづくりですね。
どうやって健康という切り口の中でいい社会を作っていくかというところに、フォーカスし続けていきたいなと。
キャリアパスというよりも、これから頑張っていきたいのは本気でやる仲間を増やすことです。ビジネストランスフォーメーションユニットでこの領域に特化しているのは私しかいないので。
弊社には公共ユニットやヘルスケアグループも別にあって、そちらと連携することはあるのですが、このユニットで健康という切り口特化で仕掛けているのは私だけで、1人だとプロジェクトを回すうえでも限界がありますので、一緒に考えていける仲間を作って、緩やかなチームという感じで動いていきたいなと思っています。

CEG 山口このインタビューを見て、繁本さんが取り組んでいる内容に共感してくださる方の応募が楽しみですね。
ちなみに、前職、そして経営研入社後も、医療・健康が専門というわけではなかったかと思うのですが、どのタイミングで変わられたのですか?

経営研 繁本最初に関わったのは、アーサー・D・リトル時代に医療機器メーカーの案件を担当したり、某大手企業からの依頼で医薬に関わる10年・20年後の課題を調べてほしいといった案件でした。
そのあたりから興味は持ってましたね。
経営研入社後は、通信業者や食品会社など本当に様々な案件に関わりながら、半分くらいは医療系の案件をずっとやっていて、そこで関わった方々に「自分は医療健康を専門にしている」と言いつづけて、本当に医療系だけでいけそうだなと思い始めたのはここ2,3年ですね。

CEG 山口徐々にネットワークを広げて、知見も深められて、案件を獲得されていったのですね。

経営研 繁本そうですね、何もない状態からスタートしましたからね。何をやっていくかは自分たちで決めなければいけない、そしてそれを否定する人もどこにもいないという環境だったので。
その風土は今も変わっていないので、これから入社頂く方には、やりたいことが決まっているでも良いですし、特にまだないという人でも色々なことを経験して見つけていってもらえればいいかなと思っています。

CEG 山口自分のやりたいことを見つけに行ける、それが許容される環境というのはユニットの魅力の1つですね。

経営研 繁本そうです。特に大きな総合系ファームなどですと、インダストリーやサービスラインなど最初から決まっちゃいますからね。
ユニットにも他のファームから来た人は多いのですが、「いろいろな業界に触れられる」という点を魅力に上げる方が多いです。

CEG 山口繁本さんから見てユニットの魅力は他にどんなところがありますでしょうか?

NTTデータ経営研究所

経営研 繁本まずはやはり自由度の高さ、というのは最大の魅力ですよね。
それ以外ですと、営業の経験を早い段階から積めるというのも魅力かと。
コンサル会社に未経験から入社するとその先のキャリアパスって、スタッフから始まって、プロジェクトリーダーをやるようになって、その次って上から与えられた案件を提案からやりなさい、と言われるという流れが一般的です。
ここまでの期間がすごく長いんですよね。他ファーム出身者から聞いても大体同じですが、プロジェクトリーダーやるまでに3~5年かかって、その次に提案をやるようになって、自分で案件を見つけてくるまで長いと10年くらいかかる。
この期間で、自分の実力がだんだん上がっているのに、裁量が増えていかないというフラストレーションがあって、ここで辞めて事業会社に行ってしまうと、自分で案件の取れないコンサルと言われてしまうんです。
そうならないためにも、自分で案件見つけて開拓していく、その本当の営業経験というのがビジネスマンとしては必要で、それが確実に早い段階から積めるというのは良い点だと思います。

CEG 山口御社の場合、タイトルで、例えばマネージャー以上は必ず営業をするというようなルールはあるのでしょうか?

経営研 繁本実はなくて、人によって違います。
シニアコンサルでも営業バリバリしている人もいますし、マネージャー以上でもデリバリー中心の人もいます。
その方の特性によって変わるので、やりたい・やれるという人にはどんどんやってもらうという形です。
逆に、まだやりたいことが見つかっていないけど、コンサルとして実力があってマネージャーに上がった場合、そこで何が何でも営業をしてもらうということはないですね。
徐々に自分の営業機会を探しながらプロジェクトを回してもらう、ということが多いです。

CEG 山口それはいいですね。営業の経験を積めるのはもちろんメリットであり、一方でデリバリーのほうに強みを持ちたいという方にとってはプレッシャーになるかなと思ったので、そこはその人の特性や強みに応じてといことですね。
それでは最後に、応募を検討される方へのメッセージをお願い致します。

経営研 繁本この会社に馴染む人っていうのは、最終的には自分のやりたいことを見つけられる人なんですよね。
この領域を自分はずっと追いかけていきたいっていうところにまで辿り着いた人は、この会社とかこの部署とかはおそらく天国のような場所になっていくと思います。
今の時点で本当にやりたいことが具体化されていなくてもいいんですけど、ゆくゆくは自分が何かのテーマや領域にどっぷりはまって、それを自分で動かしていきたいっていう、そんな思いを持った人にぜひ来て頂きたいと思っています。

CEG 山口今回お話をお伺いした皆様、一様にやりたいことが心の中にあって、だからこそ意欲的に生き生きと働けていらっしゃるのかなと思いました。
貴重なお話しをありがとうございました。

編集後記

繁本 将憲 | Masanori Shigemoto【シニアマネージャー】繁本 将憲 | Masanori Shigemoto【シニアマネージャー】

外資大手SI企業、アーサー・D・リトルでの勤務を経て、2013年より現職。医療・健康・まちづくりを中心に、新規事業の企画~立ち上げの支援に注力。「地域包括ケア(医療介護連携)」「検査・健診の受診率向上」「疾患啓発」「健康経営」などを継続可能なビジネスとするため、さまざまな企業へのコンサルティングを実施している。

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