#4 河本 敏夫 様【シニアマネージャー】
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- #1 松岡 良和 様【ビジネストランスフォーメーション ユニット長】
- #2 桜井 駿 様【シニアコンサルタント】
- #3 川戸 温志 様 【マネージャー】
- #5 上野 彬恵 様【コンサルタント】
- #6 繁本 将憲 様【シニアマネージャー】
- 編集後記
#4 河本 敏夫 様【シニアマネージャー】
CEG 山口宜しくお願い致します。
まずは河本様のご経歴からお聞かせ頂けますでしょうか。
経営研 河本大学卒業後、総務省に入省しまして、そこで情報通信行政と、民営化などの郵政行政に携わっておりました。
その後、2007年にNTTデータ経営研究所(以下、経営研)に入社しました。
最初は総務省にいたということもあって、公共系のプロジェクトに多く携わっていたのですが、もともと新しいビジネスを生み出したり、育てていくというプロジェクトに携わりたいという転職理由があったので、だんだんと、民間企業の新規事業開発といったプロジェクトに携わるようになり、現在に至ります。
CEG 山口当時おそらく他のコンサルティングファーム様からも内定頂いていらっしゃったと思うのですが、その中で御社を選ばれたのはどうしてだったのでしょうか?
経営研 河本もともと情報通信行政をやっていたので、自分の知見を生かせるフィールドがNTTグループではあるのではないかと考えたことが、1つ大きいですね。
また、先ほど申し上げたとおり、公共の仕事をやりながらも、ゆくゆくは民間のビジネスもやりたいという思いがあったので、公共分野と民間分野の両方を幅広く取り扱っている点も決め手の1つでした。
結果的にその特徴があったことで、柔軟に自分のキャリアを選べたので良かったです。
CEG 山口ビジネストランスフォーメーションユニット(当時:ビジネスソリューショングループ)が立ち上がった時に、チームを異動するということもご自身で選ぶことができたわけですものね。
経営研 河本そうですね、ずっと新規事業をやりたいと思っていましたので、新規事業や成長戦略を中核とするチームの立ち上げメンバーとして参画できて本当に良い経験が出来ていると思います。
CEG 山口河本さんが参画された時って数名の組織でしたよね。それが今は18名。
ユニットを引っ張って来られた立場として、ユニット自体の成長や変化を、振り返ってみていかがでしょうか?
経営研 河本最初は少人数で、色々なことをやってみようと言って手を出して、試行錯誤してましたね(笑)。
そうしていく中で、実績も積みあがっていって、人数も増えてきて、ビジネストランスフォーメーションユニットという屋台骨が出来上がったかなと。
今は、第2の成長ステージにきていると思います。これまでの経験を踏まえて、もう1段階、チームとしての成長を遂げるタイミングにあるのかなと考えています。
CEG 山口なるほど。その表れの1つが、昨年のユニット名称の変更なのですね。
発案者は河本さんだとお伺いしたのですが、名前にはどのような思いを込められたのですか?
経営研 河本そうなんです。改めて、何の為に仕事をするのか、この組織は何を世の中に貢献するチームなのかを考えた時に、「世の中を変えていく」「ビジネスを変えていく」「新しいものを生み出す」ということをコアにしてきたので、それを具体化する言葉として、ビジネストランスフォーメーションという名称にしました。
CEG 山口なるほど。これまでインタビューさせて頂いた皆様からも必ず「新しいものを生み出す」という言葉がキーワードとして挙がってきました。
チームとして想いを共有できている証拠ですね。
次に、河本様の取り組みについてお伺いしたいのですが、ご担当されている領域について教えてください。
経営研 河本ソリューションとインダストリーの2軸があるとして、まずソリューションとしては、産業構造と業界構造の変化に着目して、今後世の中がどう変わるのかということを予測して、それに合わせてビジネスもどう変わるべきか、ということをメインに考えています。
産業構造変化やIT化の進展を捉えた上で次世代ビジネスの企画構想・具現化を行うということですね。
例えば、かつては携帯電話が使われていたけど、スマホをみんな使うようになった、と。
その変化により、AppleやGoogleがメインのプレイヤーに変わり、ビジネスのあり方も変わりました。
そういったパラダイムシフトを的確にとらえて、お客様の成長につなげていくための戦略を立案するという業務を行っています。
次にインダストリーの話ですが、成熟社会における生活関連産業のビジネスエコシステムの構築ということに力を入れており、今後変化が起こるであろう業界として私が着目しているのは、スポーツや不動産、教育、旅行です。
私の認識では、長らくビジネスモデルや業界構造が変わっていないところなのですが、今後成熟社会に日本が向かっていく中で、実はすごく重要なポテンシャルを持っている業界だと思っており、取り組んでいます。
CEG 山口具体的にどのような取り組みをされていらっしゃるのか、詳しくお聞かせ頂けますでしょうか。
経営研 河本そうですね、まずはスポーツ業界なのですが、これまで日本でスポーツと言えば体育の延長線上で、教育の一環というイメージが強く、ビジネスとしての側面が少し弱かったかなと思います。
海外に比べると産業としての規模も小さく、伸び率も低い。
例えばアメリカではスポーツ産業はもの凄い勢いで伸びてきていて、一大産業になっています。それだけのポテンシャルを持った業界なので、日本のスポーツビジネスを変えていく、もっと成長させるために、実際にスポーツビジネスをやっている企業向けのコンサルティングをやったり、異業種間でのアライアンス支援や、あるいは、自治体やスタートアップを巻き込んでいく取り組みを行っています。
具体的なプロジェクトの事例でいうと、放映権事業等を軸としたプロスポーツリーグにおける将来事業構想の策定支援や、スポーツを核とした街づくり構想策定とスポーツビジネスの事業化推進支援などがあります。
CEG 山口なるほど、特に最近は、スポーツ×街づくりといったテーマが話題ですよね。
経営研 河本まさにその通りで、自治体としても地域活性化や都市の再生という意味でスポーツに期待している部分もありますし、スポーツ業界からしても1社だけではできない、町ぐるみでスポーツ文化を定着させていきたいという思いもあるので、その間に私が立って、コーディネートしていく役割を担っています。
いわゆる企業の新規事業開発という範囲を超えたようなことをやっているというイメージです。
CEG 山口とても面白いですね。
教育や不動産についても同じような巻き込み方を試みられているのですか?
経営研 河本そうですね。どの業界もそうかもしれませんが、今までのように、やってきたことをそのまま継続する、サービスを提供する、ではうまくいかなくなっていると思うんですね。
サービスや商品そのもののあり方や、提供の仕方について、変化が求められている環境なので、それをお客様と新しく作り上げています。
不動産領域に関しては、先にインタビューを受けた川戸と一緒にやっていることも多いです。
CEG 山口そういうことですね。ちなみに旅行業界は今どのような変革期を迎えているのでしょうか?
経営研 河本これも同じような変化なのですが、これまでは旅行というパッケージ商品を売る・買うということがメインだったものが、今は、行ってそこで体験することや、感じること、思い出になることが旅行の価値になっています。
例えば、元気になるかもしれないし、病気が治るかもしれないし、社員旅行でいえば社員同士の仲が深まるかもしれない。旅行が持っている価値には多様性があって、それをどうマネタイズしていくかということが求められていると思います。
CEG 山口確かにそうですね。行くこと自体が目的なのではなく、行った先で何を得られるかという、顧客の価値をどう創造するかが重要ですものね。
今、色々と手掛けられているところかと思うのですが、今後、どのように展開していきたいとお考えでいらっしゃいますか?
経営研 河本そうですね、実は私の中ではこれらの領域というのは別々ではなくて繋がっていると思っているんです。
スポーツ×まちづくりもそうですし、まちづくりには当然不動産会社も必要だし、教育とスポーツの関連性もあるし、旅行ってスポーツツーリズムとかもあるし、旅行することによって学べることとかもあるし。
業界の垣根を取り払って、そもそも世の中にどういう価値を生み出していかなきゃいけなくて、そのためにはA社とB社が本当は繋がる必要がある、といった流れがあると思うので、そういう動きを巻き起こしていきたいと思っています。
CEG 山口確かにそういわれると繋がっていますね。
業界毎に担当領域がきれいにわかれているような企業様ですと、なかなか手掛けられないダイナミックな働きかけで、とても魅力的です。
御社、そして、ビジネストランスフォーメーションユニットだからこそできることですね。
経営研 河本まさにそうだと思います。私自身も、本当に色々な業界のコンサルをやらせて頂いたので、発想もそう変わってきたのかなとも思います。
CEG 山口本当にこれは、他にはないユニークな取り組みだと思います。
こういったこともユニットの魅力1つだと思うのですが、その他、河本さんから見てユニットの魅力はどこにあると思いますか?
経営研 河本一人ひとりが自分の世界観を持っているということがとても良いなと思います。
私がリーダーだから下の人は私の言うことに全部従ってそれでやればいいっていうのではなくて、下の人は下の人で、「でも本当はこんなこともやりたい」と思っていてくれて全然良いんですね。
その人たちと一緒にプロジェクトをやりながら、私が持っているノウハウも伝えて、その人がやりたいことがあればまたそれで立ち上げてもいいし、そういう一人ひとりがやりたいことの集合体であることが、このチームの魅力だと思います。
CEG 山口今回、6名の方にインタビューさせて頂いているのですが、確かに皆さん取り組んでいらっしゃる領域が様々ですね。
また、マネジメントの仕方についても、もちろんやることはやるという前提の上ですが、個人の考えを尊重する部分が強いのかなという印象です。
経営研 河本そうですね。それぞれが叶えたい目標があれば、どんどんやって欲しいと思っています。
私が伝えられることは有限ですし、その人自身が自ら捕まえてくる情報とかノウハウそのものが、チームとしてのパフォーマンスを高めることにも繋がるので、組織の為にもどんどん積極的に取り組んでほしいですね。
「私は、実は今こんな活動している中で、こんなことを聞きましたよ」とか、「こんなことを最近学んでいるんです」とかいう話を全部総合して、チームの力にしたいと思っています。
CEG 山口素敵ですね。皆さんのその他の活動の部分がすごく豊富で、色とりどりだなと思います。
河本さん自身も早稲田大学スポーツビジネス研究所の招聘研究員としての活動や、出版活動など、色々と取り組んでいらっしゃいますね。
経営研 河本今ちょうど、スポーツに力を入れていることもあって、スポーツに関連する取り組みは色々行っています。
スタートアップイベント「Sporte-Techの未来」の主催・運営(※)を行っているのですが、色々な人たちと交流して、そこで情報が行き交うようなコミュニティ作りをしたいと思っています。
仕事に繋がるかどうかはすぐには分からないのですが(笑)、そこで得たネットワークや人脈、刺激みたいなものはしっかりと自分の中に蓄えられていて、それがチームやクライアントの役に立てばいいなという気持ちでやっています。
CEG 山口本当に生き生きとお仕事をされていらっしゃるようにお見受けしているのですが、その秘訣はどこにあるのでしょうか?
経営研 河本私は自分が好きなことを仕事にするということが、仕事を楽しむことに繋がっていると思います。
スポーツ業界への取り組みについても、さっき成熟社会にとってスポーツが必要だとかってちょっと大上段に立って喋ったんですけど、まあ単純に自分がスポーツが好きなんですよ(笑)。
好きだから、スポーツの仕事をしたいなあと思って、色々なことを考えて、提案とか営業とかした結果、今に繋がっています。
CEG 山口その通りですよね。好きなことを仕事に、それは私たちコンコードも、本当に大事なことだと思って提唱し続けています。
後は、河本さん多趣味でもいらっしゃるとお伺いしているのですが、かなりお忙しいと思いますが、趣味のお時間もしっかりと取れていますか?
経営研 河本取れてますよ。土日は私、基本的には全部休むので。
CEG 山口そうなんですね!メリハリつけていらっしゃるんですね。
経営研 河本はい。仕事はしないことにしているのと、あと、無類のラーメン二郎好きでもあるので、毎週木曜日の夜はラーメン二郎に行くということも決めています(笑)。
CEG 山口ルーティンなんですね(笑)
経営研 河本というように、メリハリをつけて楽しみながら仕事しています。
CEG 山口本当に素敵な働き方ですね。
それでは最後に、今後、ビジネストランスフォーメーションユニットを受けることを検討される候補者の皆さまへメッセージをお願い出来ますでしょうか。
経営研 河本はい。まずは、弊社に来てこういうことを成し遂げたい、という強い想いをお持ちの方に是非来て頂きたいと思っています。
想いを持っている方の方が成長しますし、弊社であれば自由にやれる環境がありますので、「ここでやらせて下さい」という気持ちをお寄せ頂けることを楽しみにお待ちしております。
コンサル未経験の方の場合ですと、もちろん最初は、希望する仕事だけをするということは難しいかもしれませんが、コンサルタントとして自立する為に役立たない業務はありませんし、私で伝えられることは何でもお伝えしますので、間違いなく成長できる環境があると思います。
また、基本的に案件は、マネージャーやシニアマネージャー以上がとってくるのですが、プロジェクトに入るメンバーの為にも、面白い仕事を取ってくるということを重要視しています。
やらされているのではなく、やりたいと思ってやる方が幸せだと思いますしね。
まだまだ100%そうできているわけではありませんが、このようなことを心がけているユニットですので、魅力を感じて頂けると嬉しいです。
CEG 山口ユニットの魅力、きっと十分伝わったと思います。素敵なお話をありがとうございました。
※2018年3月、NTTデータ経営研究所と早稲田大学スポーツビジネス研究所とが共同でテクノロジー活用によるスポーツ事業創発コンソーシアム「Sports-Tech & Business Lab」を設立。
スポーツビジネスのデジタル化、異業種連携、街づくりをテーマとした産官学連携を推進する。
総務省での勤務を経て、2007年より現職。
産業構造変化やIT化の進展を捉えた次世代ビジネスの企画構想・具現化に従事。まちづくりと一体となった新ビジネスのプロデュースを得意とし、現在は、Sports-Tech市場の活性化を中心に活動している。