#3 川戸 温志 様 【マネージャー】
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- #1 松岡 良和 様【ビジネストランスフォーメーション ユニット長】
- #2 桜井 駿 様【シニアコンサルタント】
- #4 河本 敏夫 様【シニアマネージャー】
- #5 上野 彬恵 様【コンサルタント】
- #6 繁本 将憲 様【シニアマネージャー】
- 編集後記
#3 川戸 温志 様 【マネージャー】
CEG 山口本日は宜しくお願い致します。
まずは川戸さんのご経歴とご入社の経緯からお聞かせください。
経営研 川戸はい、宜しくお願い致します。
新卒で、NTTソフトウェアというITベンダーにSEとして入社しました。
そこで4年程勤め、プロマネ等経験しまして、その後にテレビ朝日メディアプレックスに転職しました。
SEの仕事も面白かったのですが、クライアントに依頼されたシステムを仕様書どおり正確に作るということに物足りなさも感じていて、自分の方からあるべき姿の提案をもっとしていきたいと思っていたところ、ちょうどお世話になっていた先輩から声をかけてもらって移ったという経緯です。
入社したのが2006年なのですが、その頃にちょうど、地上デジタル放送の切り替えがありまして、データ放送やウェブを融合した新しいトレンドも経験しましたが2年くらいで辞めました。
その後、縁が合って経営研に転職することになりました。
CEG 山口そうした経緯を経て経営研に来られて、如何ですか。
経営研 川戸はい。経営研に来て思ったのが「あ、水が合うな」というのは感じました。
今、10年目くらいなのですが、最初は今の部署名で言うと事業戦略コンサルティングユニットに入りました。
元々、新規事業をやりたかったので、このビジネストランスフォーメーションユニットの前身が立ち上がる時に、異動してきたという経緯です。
CEG 山口川戸さんはグループの立ち上げ当初から参画されていらっしゃいますが、これまでどのようなプロジェクトを担当されてこられたかお聞かせください。
経営研 川戸このグループは、テクノロジーを軸にして事業戦略や新規事業創出、アライアンス支援などを多く行ってきました。
最近で言うと、X-Techですね。FinTechや不動産Tech、EdTech、ヘルスTechなどの総称をX-Techと呼んでいます。
もちろんそれ以外にも、テクノロジーを軸としないプロジェクトも沢山あるんですが、私は縁もあって不動産Techの領域を最近はよく手掛けています。
こうした不動産Techの領域における新規事業創出などが1つ。そして、領域問わずでAIやビッグデータ、ロボット等の活用が1つ。この2つの領域を中心にやっています。
CEG 山口不動産Techですか。ユーザー視点から見た時にはどのような変化があるのでしょうか?
経営研 川戸そうですね、分かりやすい例で言うと、気になった賃貸物件を自宅に居ながらVRで見ることが出来るといったことや、スマートロックなどがありますね。
後は、分かりやすい例ではないのですが、不動産の世界で、実は土地や建物の今現時点の価値というのは誰にもわからないんですよ。
CEG 山口え、そうなんですか?
経営研 川戸不思議ですよね(笑)。過去の価格はわかるので、今まではそこから不動産のプロが周辺の類似取引から査定していたのですが、AI等を活用して過去データから推定して「現在の価格はこのくらいですよ」という情報を提供できるようになってきています。
CEG 山口なるほど、現在価値がわからないからこそ、過去の流れとその土地の周りの変化などからこれからどのくらい価値が上がるのかを予測して価格を決めるということが非常に重要なのですね。
経営研 川戸まさにそうです。不動産は、良い立地の土地が安いときに買って、いい建物を建てて価格をバリューアップさせて売ったり、賃貸収入を得たりするビジネスなので、物件や地価の上がり下がりが重要なんですね。例えば、そうしたところへAIのようなテクノロジーを活用する動きが不動産Techです。
CEG 山口一口に不動産Techと言っても、かなり幅が広いですね。
経営研 川戸賃貸の住宅もあれば、売買もありますし。後はオフィスや商業施設、物流施設などもあります。
対象が消費者側のこともありますし、業者側のこともありますので、本当に色々な分野があります。
FinTechなどに比べると、まだまだこれからの領域ですので、手掛けられる範囲は広いですね。
CEG 山口川戸さんの専門領域、もう1つはロボットの活用でしたね。
経営研 川戸そうですね。まずロボットっていろんなロボットがいるんですよ。たぶん皆さんがよくイメージ湧くのって、工場に配置されている製造ロボットや、ペッパー君などのような喋るロボット。
実はそれ以外にも多様なロボットがあって、例えば物流業で活用される台車のロボットなんかもあります。台車がカルガモの親子のように一列になって勝手に動くという。
後はAmazonのKivaは有名ですね。棚に台車が付いていて、勝手にピッキングしてくれるロボットです。
従来の工場に入っていた作業ロボット以外を、我々はサービスロボットと呼んでいるのですが、例えばそれらを活用することでビジネスがどう変わるのかという検討などをしています。
我々は、5年後とか10年後とかの未来の世界を想像して、その時の業界やビジネスのあり方を考え、そこから逆算して、そのあり方に向けてどのような戦略を立て事業をやっていくべきなのか、ということをお客様と一緒に考える案件などを手掛けています。
CEG 山口ドラえもんの世界を彷彿させますね(笑)。
経営研 川戸そうですね(笑)。でも、おっしゃるとおりで、本当にドラえもんの世界みたいな議論もあります。
CEG 山口ちなみに、ロボットという切り口は、御社の中でも産業戦略グループの中にもあると思うのですが、そちらとの違いはどのような点でしょうか?
経営研 川戸産業戦略グループのロボットチームは、ロボットという切り口を専門にしていると思いますが、我々は、キーワードがロボットではなくて、最新テクノロジーなんですね。今はそれがロボットなのですが、もしかしたら数年後には変わっているかもしれない。
ロボットも含めて、世の中のビジネストレンド、最新テクノロジーを活用して新しいビジネスを創るというのが我々のグループですね。
CEG 山口なるほど、良くわかりました。
ちなみに、最新のテクノロジー情報はどのように収集されていらっしゃるのですか?
経営研 川戸実は、情報収集に関しては特別何かすごいことはしていなくて、本当に机上の情報収集とかは皆さんと一緒で、ネットや文献などから拾っています。
ただ、他と若干違うところは、実践的なところをとても重視しているので、実際そのテクノロジーを使ったビジネスを行っているベンチャーとか、その世界の先駆者たちにアポを取って話を聞くことで、リアルな情報を得ることを大事にしています。
やっぱり生の声とか一次情報が一番貴重だと思っているので。
CEG 山口川戸さんは、著書を出版されたり、各媒体へ寄稿されたりしていますが、ご自身の中で、どのような時間配分にされていらっしゃるのですか?
経営研 川戸そうですね、時期にもよりますがデリバリーが60%、次の案件の提案や執筆活動が残りの40%くらいといった配分ですね。
メンバーの方々がデリバリーを一生懸命頑張ってくれているので、自分ももっとデリバリーに入ってあげたくて、申し訳ないなと思っているんですが、組織としては次の案件も取って来ないといけないので(笑)。
CEG 山口とても大事なことですね(笑)。
経営研 川戸実は、自分が偉そうに外に情報発信をするというのは、なんだか居心地が悪くて・・。
本当は、一番好きなのは、さっきのドラえもんみたいになんか次の世界じゃないけど、色々な仮説を考えているのが一番楽しいです。
CEG 山口そうなんですね(笑)。でも、不動産Tech領域の執筆依頼、ひっきりなしじゃないですか?
経営研 川戸有難いことにそうですね。最近、多いです。不動産Techは、まだ専門家と言える人が少ないからでしょう。
CEG 山口先見の明をもって新しい領域に取り組み、その道の第一人者として周囲から認識されるというのは本当に素晴らしいことですね。
経営研 川戸そうですね、一人者かは分かりませんが有難いことです。
ただ、引き合いがすごく多いのですが、人手が足りなくてさばききれていない状態なので、それはすごくもったいないと思います。
CEG 山口採用も急務ですね。川戸さんとしては、どのような方にジョインして頂きたいですか?
経営研 川戸一番重要なのは、コンサルの仕事が好きで、主体的に、間違ってもいいので自分からどんどん前のめりにチャレンジ出来ることかなと思います。
なので、これまでの私の話を聞いて、「面白そう!是非やりたい!」と思って頂けた方には、是非チャレンジ頂きたいです。
コンサルの面接というと、よくロジカルシンキングとか経営の知識とか言いますけど、それは後から身に付けることが出来ますので、もっと本質的な想いとか姿勢とかが大切だと思っています。
CEG 山口川戸さんは、中途採用の面接官も担当されていらっしゃいますが、面接ではどのような点を見ていらっしゃいますか?
経営研 川戸こんなことを言ったら、本当元も子もないんですけど、面接で分かることなんてほとんど限られてるだろうな、と (笑)。
CEG 山口それは、元も子もないですね(笑)。
経営研 川戸限られた時間の中で、自分の考えがあるかどうかを見ています。人の言葉で喋っているとか、考えていないとか、何も見えてこないというのが一番難しいのですが、やっぱりそういうのはわかるので。
その答えが正しかろうが間違っていようが構わないので、自分で考えて自分の言葉で喋っている方が良いですね。
CEG 山口綺麗な言葉を並べるよりも、本心でぶつかってきてくれた方が良いですよね。
経営研 川戸はい。きっと一生懸命、事前準備して下さっていると思うんですね。それはとても素晴らしいことですので、そこで、人の言葉や本に書いてあることなんかを引用しないで、その方自身の考えや、経験、それを入社後にどう活かすのか、といったことを深く知れるといいかなと思っています。
CEG 山口承知致しました。
川戸さんの面接を受ける際には、ありのままご自身の考え・想いをお話ししてきてください、とアドバイスさせて頂きます。
最後に、川戸さんから見た、チームの魅力や、候補者の皆様へのお勧めポイントについて教えてください。
経営研 川戸そうですね、生き生き働いているメンバーが多いということがお勧めできるポイントです。
それぞれ、自分のやりたいこと、目標としていることを持っているので、それを追い求めてコンサルとして成長して、仕事を取ってきてデリバリーして、リピーターになってもらって、ということを自由にできる部署なので、皆生き生きとしているのだと思います。
逆に、自分のやりたいことがまだ見えない、という方には少し辛いかもしれませんね。
若い方などは色々な経験が必要なので入社後、すぐに自分のやりたい案件だけをやる、というのは難しいのですが、例えば仕事の合間に、関心のある領域に関しての情報収集をしたり、面白い取り組みをしている企業に会いに行ってみたり、そういう活動に関しても本当に自由なので、それを面白いと思える方にはとても良い環境だと思います。
CEG 山口大前提として、アサインされたプロジェクトの業務をしっかりと対応する、クライアントへの成果を出す、といったことがあるとは思うのですが、その上で、何をするかは自由度が非常に高い、ということですね。
経営研 川戸その通りです。その前提が崩れてしまうと、やはりあれ?ってなってしまうので、クライアントありきの仕事なので、クライアントの為に、全力を尽くす、答えが出るまでやり切るということは絶対ですね。
そこを覚えて、アウトプットの品質を維持して頂ければ、私は、メンバーがどこで仕事をしていようが、どのような時間配分でやっていようが構わないと思っています。
もちろんミーティングの時は、しっかりと進捗管理するし、アドバイスもするんですが、それ以外はその人の好きなように働いてもらっています。
CEG 山口御社全体でもリモートワークなど働きやすい環境づくりを積極的に進めていらっしゃいますよね。個を大切にするとても素晴らしい環境だと思います。
今日は貴重なお話しをありがとうございました。
経営研 川戸こちらこそありがとうございました。
大手SIer・メディアプロモーション会社で勤務後、2008年より現職。IT業界の経験に裏打ちされた視点と、経営の視点の両面から、ITやテクロノジーを軸とした中長期の成長戦略立案・事業戦略立案や新規ビジネス開発、アライアンス支援を得意とする。近年では特に、FinTechの不動産版である不動産テックの領域を中心に活動している。