ヘルスケア・事業創造グループインタビュー
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【リサーチ・コンサルティング部門 ヘルスケア・事業創造グループインタビュー】
- #1 日本総研にしか出来ない、ヘルスケア業界における“事業創造”とは?
- #2 “健康概念の普及”“新たな仕組みづくり” ―― 事業実現まで踏み込む、ヘルスケア領域での最新の取り組みについて
- #3 “型にはまらない人材”が若くして活躍する、ヘルスケア・事業創造グループのカルチャー・採用方針
※常務執行役員 / リサーチ・コンサルティング部 本部長 木下氏インタビューはこちら
#1 日本総研にしか出来ない、ヘルスケア業界における“事業創造”とは?
木下本部長に続いて、ヘルスケア・事業創造グループのシニアマネージャーである関様、田川様にお話を伺いました。
同グループは、新規事業開発や事業参入など、上流の戦略テーマが多く、ベンチャー企業や官公庁と連携した面白い取り組みも多いとのことで、同グループならではの取り組みについてまずはご説明いただきます。
CEG 西谷まずお二方のこれまでのご経歴をそれぞれ伺えればと思います。
日本総研 関大学で経済学・経営学を学び、MBA取得のため進学をしました。それまでの経験の中から、自身で事業を担うよりも「サポートがしたい」と考えるようになりました。
就職活動時には、複数の業界を見て回りましたが、日本総研の雰囲気が良かったこともあり、2011年に新卒で入社しました。
配属については、「今後伸びそうな業界」に着目し、生活に身近でもある「ヘルスケア」を選びました。こちらのグループでは、健康から医療、介護など幅広いテーマを扱います。
また、戦略から業務改革まで様々な案件に参画できるため、とても奥が深いと感じています。
CEG 西谷入社以来ずっと、ヘルスケア領域に関わられているのですね。昇格のタイミングはいつ頃だったのでしょうか。
日本総研 関入社5~6年目でマネージャーに昇格し、7~8年目にシニアマネージャーに昇格しました。
CEG 西谷一般的な昇格イメージから考えるとかなり早いですね。
続いて田川様よろしくお願いします。
日本総研 田川私も2008年に新卒で入社しました。学生時代は、街のデザインというテーマでフィールドワークを多数経験しました。その頃から、1つの目的に向かって関係者の合意形成をしていくことに面白味を感じていました。
当時、地域ブランディングが流行っており、日本総研の研究員の関連記事を目にして非常に興味を持ちました。
就職活動時は、他のシンクタンクの方ともお話をさせていただき、それぞれ魅力はあったものの「自分の考える社会課題の解決にチャレンジできる」という日本総研の自由な社風に惹かれ入社を決意しました。
CEG 西谷もともとはまちづくりや都市デザインというバックグラウンドでありながら、ヘルスケアに転向したのですね。
日本総研 田川最近ヘルスケア・医療の領域でも、“まち”にどのように機能を埋め込んでいくのか、病院の中だけではなく外にどのように染み出していくのか、というテーマがホットになってきているので、個人的には「ようやく時代が来た」と思っています (笑)。
CEG 西谷なるほど、学生時代のバックグラウンドも活かせるのですね。田川様の役職もシニアマネージャーとなりますが、いつ頃昇格されたのですか?
日本総研 田川2~3年ぐらい前に昇格しました。入社して3年目くらいまでは「形ある物を提供していないのにお金をもらう」ことに葛藤がありましたね(苦笑)。
転機になったのは、5~6年目くらいだったと記憶しています。「田川さんの意見が聞きたい」と言ってくれる方に巡り会えたことが、とても大きかったです。「自ら調べたり考えたりしたことをディスカッションし、意思決定を支援するような関係を作ること。その上で提案をしていくことがコンサルティング」という気付きがありました。
悩んでいる時期は長かったのですが、その後はマネージャー、シニアマネージャーと比較的スムーズに昇格しました。
CEG 西谷なるほど、そこで大きなブレイクスルーがあったのですね。
続いて、ヘルスケア・事業創造グループの取り組み内容について伺えますか。
日本総研 田川従来は、民間企業、医薬品や医療機器メーカー向けの支援が多かったのですが、社会保障費の増大が社会的な課題となる中で、ここ数年は健康増進、重症化予防といった分野や、退院後の在宅の分野も含めて広く対応しています。
CEG 西谷民間企業向け、公共向けのバランスはどのようなイメージでしょうか。
日本総研 田川公共向けの案件も増えていますが、6割ぐらいは民間企業向けの案件です。
最近だとインフラ系、化学系、電機系メーカーなど異業種からヘルスケアへの参入支援も増えてきています。
CEG 西谷確かに、業界を問わず広い意味でヘルスケアに参入したいという企業は多い印象です。
そうした異業種からの参入が増えているのも一つの特徴だと思いますが、他に「日本総研ならでは」と言える特徴は何かありますか。
日本総研 関4割が公共向けの支援というところは大きなポイントだと思います。国が今後注力する領域など、政策的な部分を把握することができます。
一方で、民間企業向けの支援で得た知見を基に国に提言することも可能です。
民間企業向けの事業成長支援のみならず、官民両方を見ながら日本のヘルスケア産業の発展に貢献できるというところが大きな強みだと思います。
さらに、SMBCグループがヘルスケア領域を強化していこうとしていることも追い風になっていると感じています。
三井住友銀行は、ヘルスケア関連ベンチャーをはじめ、様々な企業を積極的に支援しています。
また、日本総研が「ヘルスケア領域の企業が今後取り組むべきテーマについ大手企業とディスカッションしたい」と言うと、銀行で取引のある大手企業の経営陣とつないでもらうこともあります。
SMBCグループの力を使って企業を支援するというのは大きな強みでしょうね。
日本総研 田川他にも官民双方の支援を行うコンサルティングファームはあると思いますが、日本総研の場合、同一のチーム、研究員が両方に働きかける動きをしていることも特徴だと思います。
官民双方の実情を理解しているからこそ、根本的かつ現実的な支援ができるものと考えています。
また、日本総研ではグループ異動が自身の意思で可能なこともあり、ヘルスケア以外でいろいろな経験を積んでいる研究員がいるという点も特徴だと思います。
CEG 西谷一般的なファームですと、製薬企業出身の研究員やヘルスケア領域のコンサルティング経験者だけが集まることも多い気もしますが、自分の意志による異動が可能な御社であれば、様々なバックグラウンドの方が集まりやすいですね。
日本総研 田川もちろん業界の知識がないと対応できない課題もありますが、新規事業支援などの際には、ヘルスケア業界のことだけ知っていても、クライアントの期待以上の提案は出せないというジレンマがあります。異なる分野の経験も積極的に取り入れるようにしています。
また当社には、いわゆるシンクタンクの部門である「調査部」には、社会保障制度について知見を蓄積している研究員がいたり、インキュベーション部門の「創発戦略センター」でシニア向け事業開発に力をいれたりしていますので、こうした社内のネットワークもうまく使いながら課題解決に取り組むことができるという点は、他社との違いだと思います。
CEG 西谷ヘルスケア領域でも社内の他部門との連携があるのですね。ちなみに、いわゆる官民協働でのプロジェクトなども多いのでしょうか。
日本総研 関たとえば、公共向け支援において新たな健康概念を普及させたいという話をしている時に、並行して民間のヘルスケア事業を支援していくというような話は多いです。
また、研究会やコンソーシアムを開いて官民双方にご参加いただくこともあります。
日本総研 田川官民連携ではありませんが、1社単独でヘルスケア領域の課題を解決することが難しくなっていると感じます。ある企業が「○○というテーマで新規参入したい」という場合、彼らだけで出来ることは限られています。
そのテーマに知見のあるベンチャー企業や既に参入済のサービス事業者と引き合わせて、クライアント同士の議論をファシリテートしながら進めていきます。
CEG 西谷お二方のお話で、ベンチャー企業とのお付き合いがあるというのは少し意外でした。
何となく、大手の企業向け支援が中心なのかと認識しておりました。
日本総研 関実際にご契約いただくのはやはり大手企業が圧倒的に多いです。
大手企業が「新しい技術が欲しい」という際に、資金援助を求めているベンチャー企業とマッチングすることで、ベンチャー企業にも貢献しています。
#2 “健康概念の普及”“新たな仕組みづくり” ―― 事業実現まで踏み込む、ヘルスケア領域での最新の取り組みについて
グループ全体の特徴に続いて、注力しているテーマについて伺っています。
日本総研の掲げる「社会貢献」というキーワードの下、産官学を巻き込むダイナミックな取り組みや、ヘルスケア領域での全く新しい仕組みづくりなど、単純に画を描くだけではない日本総研ならではの取り組みについてお聞きしました。
CEG 西谷ここまで日本総研としての特徴をお聞きしましたが、注力していきたいというテーマについてもお話を伺えればと思います。
日本総研 関健康の概念普及に関して積極的に取り組みたいと思っています。
1企業の1商品だけで国民を健康にするというのは難しいです。従来の健康食品は、広告を打って知名度を上げて売ることをしていましたが、メタボなど「健康概念」が浸透する中で健康産業が発展するという潮流もあると思っています。
そういった意味でアカデミアの方々とも会話をしながら、今後普及させていくべき「健康概念」を描き、厚労省や経産省に提案をしたり、民間企業に対して健康テーマに関する製品ラインナップが必要ではないかという話をしたり、双方から「健康概念」自体を発展させ産業化していきたいと思っています。
#3 “型にはまらない人材”が若くして活躍する、ヘルスケア・事業創造グループのカルチャー・採用方針
最後にヘルスケア・事業創造グループの採用方針に加え、若手が活躍できる背景についてもご説明いただきました。
CEG 西谷ここからはグループ運営や採用のお話を伺いたいと思います。
官民問わず案件の引き合いが多い中で、現状の体制から拡大を目指していらっしゃると思いますが、面接にも対応されるお二方が候補者の方々に期待したいこと、こういう人に来てほしいというようなお話を伺えますか。
日本総研 田川バックグラウンドとしてはもちろん医療・ヘルスケアに何らかの形で関わっているというのが望ましいと思います。
一方で「その領域に閉じず、オープンに考えられるか」という点は大事にしています。先ほどお話した通り、単一の産業の中だけで出来ることは限られているので、従来と異なる視点や、柔軟な思考力があるというのは重要ですね。
CEG 西谷確かに今までのお話からすると、思考がガチガチで柔軟でない場合はあまり向いていない気がしますね。
一般的に「シンクタンク」というと、型にはまっている会社という印象があるかもしれません。政策調査に関わっている会社であり、金融グループのIT会社という側面もあることで固い印象をお持ちの方は多いと思いますが、いろいろお聞きしていると、全く異なる印象ですね。
日本総研 田川弊社で3時間ぐらい過ごしていただいたら分かると思いますけど、全く違いますね (笑)。個性派集団です。
CEG 西谷お二方のお話からは、かなり若くして登用のチャンスがある印象ですが、お二方以外にも若い研究員が活躍していらっしゃるのですね。
日本総研 関若いうちからプロジェクトマネジメントを経験するので、他のファームと比べても早いタイミングでリーダー経験や案件創出に関わることができると思います。
日本総研 田川私も入社1、2年目でプロジェクトリーダーを任されましたし、積極的に若手にチャンスを与えてくれる組織だと思います。
一方で若いが故に経験が足りず困ってしまうことも往々にしてあると思います。そういう時には、部長やシニアマネージャーを含め経験豊富な研究員が、相談に乗ってくれるので安心して経験を積むことができます。
CEG 西谷ありがとうございます。かなり意外というか、他のファームでもシニアマネージャーの方は40代で実績を長く積んだ方が多い印象があるので、御社のそうしたカルチャーは非常に魅力的だと思います。
日本総研 田川高いポジションだからこそ責任を持って仕事にあたることが出来る、という面もあると思います。年齢に関わらず実力・実績が伴っていれば、躊躇なく昇進させるということも魅力の1つだと思います。
CEG 西谷ありがとうございます。ここまでのお話で、ヘルスケア・事業創造グループに関心をお持ちの方も多いと思いますので、最後に、ぜひそうした方々にメッセージをいただけますでしょうか。
日本総研 田川想いを実現する場づくり、バックアップ体制が非常に整っている会社だと思います。ヘルスケア領域の課題に挑戦したいという強い想いをお持ちで、一方で冷静に全体を見ことができる方と仕事ができると嬉しいです。
日本総研 関「ヘルスケア業界に貢献したい」「やりたいことがある」という方とぜひ一緒に仕事をしたいですね。
CEG 西谷ある程度の自発性や自律性が必要ではあるものの、自ら手を挙げられるような方であれば、やりがいのある環境だということですね。よくわかりました。
本日は貴重なお話をいただき、本当にありがとうございました。
⇒常務執行役員 / リサーチ・コンサルティング部 本部長 竹下氏インタビュー