ソーシャル・インベストメント・パートナーズ (SIP) Social Investment Partners (SIP)
ソーシャル・インベストメント・パートナーズ (SIP) HPより
企業について
一般社団法人ソーシャル・インベストメント・パートナーズ(以下SIP)は、日本初のベンチャー・フィランソロピー(以下VP)(※1)組織である。公益財団法人日本財団と共同でベンチャー・フィランソロピー基金(以下JVPF)を運営している。
JVPFは、基金の趣旨に賛同する投資家、社会的事業経験者、企業や財団などによって、助成・投融資、経営支援を行う。さらに複数のプロボノ・パートナー企業の参画により、より専門的な伴走支援とリソースを提供している。
プロボノパートナーには、ベイン・アンド・カンパニーやEY Japanも名を連ねる。
支援対象となるのは、社会的課題の解決を目的とし、革新的な解決策と事業モデルとしての持続性を担保できる社会的事業である。対象事業が社会的貢献度を高め、事業として持続していけるように支援・援助を行うのがSIPの役割。主に、教育、就労支援、育児や女性活躍、地域コミュニティの活性化などの領域に重点を置いている。
基本的な資金源は寄付によるものだが、寄付提供者は2020年時点で法人・団体で14社、40名の個人に広がった。2013年の基金設立当初、1億円規模だった資金は、2020年には9億円規模に達している。
社会的事業の活躍による社会へのより良い影響(インパクト)の拡大とともに、VPの仕組みや事業モデルの普及もミッションとしている。
※1 ベンチャー・フィランソロピー(VP)
VPは「将来について中長期視点で社会の課題解決を図る事業への支援(投資)」という点では社会的インパクト投資(SIP)と共通する。
しかし、SIPは、投資家への一定の経済的リターンが求められる仕組みであるのに対し、VPは社会へのインパクトを重視する投資手法。VPに集まる寄付は、単なる資金の寄付活動ではなく経営支援がセットで提供される。
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代表者代表理事&CEO 鈴木栄
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設立2012年11月9日
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所在地東京都渋谷区恵比寿1-19-19
恵比寿ビジネスタワー12F
ソーシャル・インベストメント・パートナーズ (SIP)の理念
Vision:
日本の市民と企業が積極的、かつ、自然体で社会問題の解決に共に取り組む社会へと成長する– コレクティブ・インパクトを自然体で行う
– 市民も企業も無理をせず社会問題解決に取り組める経済環境、労働環境、風土をつくるMission:
Vision を達成するため、SIP としては、– リソースを集めて「プロデュース」することで社会変革を加速する
– ショーケースを作る。社会起業家とともに、成功事例を構築する
– ビジネスとソーシャルセクターの壁をなくすValues:
Results driven
– 社会にインパクトを残すことを目的として行動する
– 長期的なインパクトと同様、短期的なアウトプットも重視し、常に前進する
– 異なるスキル、時間、資金のあるメンバー巻き込み、それぞれの役割を担ってインパクトに向けて協業する(Inclusive)Mutual respect
– SIP のメンバーは同じ組織内の人はもとより、支援先、支援先の対象者、協働するプロボノ・パートナー、寄付者など、共に働くすべての人に対して敬意を持って接する
– 敵を作らない、Non-violent コミュニケーションをする
– 協業する外部の方々にも同様にお互いに敬意を持って接していただけるよう、働きかけるGrow together
– 誠意をもってお互いから学び、お互いの成長を助け合う組織として、活動する。その中で、現実をお互いに共有し、成長・改善の余地をオープンに共有する(Transparency)
ソーシャル・インベストメント・パートナーズ (SIP)の沿革
- 2012年
- 日本初の本格的なベンチャー・フィランソロピー組織として設立
- 2013年
- 日本初の「日本ベンチャー・フィランソロピー基金」の設立・運営
▶共同:日本財団 資金規模:1億円
プロボノ・パートナー:
・クリフォードチャンス法律事務所(外国法共同事業)
・ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン
・ボックスグローバル・ジャパン株式会社
- 2017年
- JVPFの資金が3億円規模に成長
- 2018年
- プロボノ・パートナーとして「EY Japan」が新たに参画
- 2020年
- JVPFの運営資金が9億円規模に成長
- 2021年
- フィランソロピック・プラットフォーム発足
▶事務局:ジャパン・フィランソロピック・アドバイザリー
協力パートナー:SIPを含む6団体
海外協力団体:AVPNなど4団体
ソーシャル・インベストメント・パートナーズ (SIP)のサービス
助成・投融資、経営支援の対象分野
次世代が担う将来的な日本の基盤安定に影響する分野に助成・支援の重点を置いている。
教育・若者の就労支援
- 教育格差
- 子供の貧困
- 若者への支援(失業、ニート、ひきこもり)
育児支援・女性の活躍
- 少子化問題
- 仕事と育児の両立
地域コミュニティの活性化
- 地域再生
- 創業支援
主な支援先
認定特定非営利活動法人 Teach For Japan(教育 支援期間:4年)
- 派遣教師人材の選抜・研修
- 2年間教師として働く「フェローシップ・プログラム」の運営
株式会社 AsMama (育児・女性の活躍 支援期間:4年)
- 子育て共助サービス「子育てシェア・アプリ」を開発
- 子育て支援プラットフォームの提供
- 認定サポーターの発掘・育成
公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン (教育、地域コミュニティ 2021年支援開始)
- 家庭に経済的困難がある子供への教育機会の提供
- 塾や習い事、スポーツ、文化・体験活動で使えるクーポンの提供
- 大学生ボランティアによるサポート
特定非営利活動法人Learning for All (教育 2021年支援開始)
- 地域と協働した子供の居場所づくり、学習や食事の支援
- 「地域協働型子ども包括支援」の全国展開
- 子どもの貧困という課題への認識普及と啓発
JOINS株式会社 (地域コミュニティ 2021年支援開始)
- 都市部のプロ人材と地方企業の副業マッチング
- 大都市と地方の人材シェアリングサービス
- 地域の関係人口の増加
ソーシャル・インベストメント・パートナーズ (SIP)の求める人物像
2023年までに100万人、2030年までに1000万人が「社会的事業に関わって人生が豊かになった」と感じてもらうことを目標とするSIP。
国内VPのパイオニアとして、培った経験や知見を積極的に共有し、日本の社会的事業のインパクトの拡大を目指しており、社会的事業の領域でさらにキャリアを積んでいきたい人に適した環境が整っている。
まずは、SIPのミッション、ビジョン、バリューに対する深い共感と、ソーシャルセクターへの高い関心が必要とされる。
加えて事業企画・戦略・執行・分析、プロジェクト管理、社会的インパクト測定などの知見・経験を持つ人材が求められている。ソーシャルセクターをはじめ、コンサルティング会社や投資銀行などでの経験も活かせる。
組織内外のさまざまな協業者と接するため、誠意とともにSIPメンバーとしての的確な伝達や実行促進などコミュニケーション能力が求められる。環境や状況の変化に対する柔軟性、自ら学んで支援内容を向上させる自発性なども必須。ファンドレイズのための人脈やファンを作っていく能力も欠かせない。