三菱UFJイノベーション・パートナーズ MUFG Innovation Partners Co., Ltd.
三菱UFJイノベーション・パートナーズ HPより
企業について
三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)のオープンイノベーション戦略を担うCVC(※)として発足。現在までに40社を超える国内外のフィンテック関連スタートアップへ戦略的な投資を行うとともに、投資先の企業とMUFG各社の協業の推進を目的とする。
設立の背景には、MUFGの新たな強みとなりうるAIやブロックチェーンなどのテクノロジーを、スタートアップ投資を通じて発掘したいという意図がある。フィンテック関連スタートアップの資金調達は、グローバルベースで大型化しているだけではなく、金融機関などによる戦略投資も活発化している。こうした情勢下でMUFGのオープンイノベーションをさらに強化していくためにも、従来以上に大規模かつ高度な戦略投資の枠組みが必要とされることから、同社が立ち上げられた。
同社には大きく2つの強みがある。
1つは、MUFGの持つグローバルネットワークやブランド力、組織力、資金力、ノウハウなどのリソースをフル活用できること。
もう1つは、MUFGが銀行業務以外にも幅広く事業を展開しているため、スタートアップとの協業の面でも幅広く対応できることである。
CVCファンドの運営経験者が多数在籍しているため、スタートアップと大企業が協業する際に生じる課題も、同社が間に入ることで解決につながるケースが多い。
一方、投資先であるスタートアップ側のメリットとしては、日本国内だけではなくグローバルに事業展開しているMUFGとの関係を構築することで、東南アジアやアメリカなどの地域でも協業できる可能性がある。
また、同社はMUFGの顧客である大企業の経営課題をオープンイノベーションによって解決する取り組みも開始。投資先とMUFGに加え、MUFGの大企業顧客も巻き込んだ新事業の共創による「3win」の経営課題解決を目指している。
なお、MUFG内には1974年設立の三菱UFJキャピタル(以下、MUCAP)があり、ベンチャー企業に対して投資を行っている。国内投資がメインのMUCAPに対し、MUFG各社と海外スタートアップとの協業を推進することでシナジー効果を生み出すMUIP、という立ち位置となっている。
MUIPは銀行法が定める「投資専門子会社」にあたり、一定の条件を満たすスタートアップに対しては5%超の投資を行うことが可能である。現在、東南アジアやインド、米国などのスタートアップを中心に投資を行っており、投資先の7~8割を海外が占めている。
同社はMUFG内の企業ではあるが、社風はスタートアップに近い。外国人メンバーが複数名在籍していることもあり、お互いの能力やバックグラウンドを尊重しながら、チームワークを重視した働き方を実践している。
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代表者代表取締役社長 鈴木伸武
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設立2019年1月4日
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所在地東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング7階
三菱UFJイノベーション・パートナーズの理念
Mission
スタートアップと共に、金融を変革する
まだ誰もみたことのない革新的な技術やビジネスを生み出すことに信念と情熱をもって挑戦するスタートアップ。 そんなスタートアップと共に金融を変革し新たな未来を創ることを私たちは目指します。
Vision
世の中全ての人が簡単に最適な 金融サービスにアクセスできるようにする
世界には金融サービスへのアクセスができない、或いは満足な金融サービスを受けられないと感じている人たちが数多くいます。私たちはMUFGグループと世界中のスタートアップの持つ革新的な技術を繋ぎ合わせることで、より多くの人々が便利で快適な金融サービスを受けられる、そんな未来を目指します。
Value
顧客志向、フロンティア指向、 ゼロベース思考、異能×チーム力
私たちは物事の本質を見極め絶えず新しいことを学ぶ姿勢や、信念をもって探求する心を大事にしています。異なる考えや経験を持つ仲間と共に学びあい、高めあい、足りない所は補い合いながら同じ目標を持って絶えず進み続ける。 そこから生まれる新たな‟未来”は、素晴らしいものであると信じています。
三菱UFJイノベーション・パートナーズの沿革
2019年1月に設立されたメガバンク初のCVC。
代表取締役社長の鈴木伸武氏は、1991年に三和銀行(現:三菱UFJ銀行)に入行。2002年に独立系VCのグローバル・ブレインに参画し、国内外のスタートアップへの投資、CVCファンド運営に携わったという経歴を持つ。2018年に三菱UFJ銀行に入行し、同社の設立準備に携わった。
- 2019年1月
- 1号ファンド組成
- 2021年7月
- 2号ファンド組成。(1号ファンドと合わせて400億円規模)
- 2023年9月
- 3号ファンド組成(総額200億円)。
3号ファンドでは主に海外のスタートアップを投資対象とし、生成AI(人工知能)を金融サービスに活用するなど、新たな技術やサービスとの連携を目指した投資を行っている。
これまで約3年ごとに新ファンドを組成してきたが、今後もこのペースを維持する計画がある。
三菱UFJイノベーション・パートナーズのサービス
投資実績
- MNTSQ(日本:法務関連業務支援システムを提供)
- Qoala Technology Pte. Ltd.(インドネシア:オムニチャネル型のインシュアテック企業)
- Teamshares Inc.(米国:従業員による事業承継を支援)
- Sellers Funding Corp.(米国:EC事業者に特化したクレジットソリューションを提供)
- Endowus Technologies Pte. Ltd.(シンガポール:デジタル・ウェルス・プラットフォームを提供)
- 株式会社LayerX(日本:企業の支出管理領域にフォーカスするSaaS+Fintechスタートアップ)
- Lentra AI Private Limited.(インド:インド国内でレンディングプラットフォームを提供)
- Broom International Pte. Ltd. (インドネシア:小規模中古車ディーラーの課題解決を推進 )
- ナッジ株式会社(日本:次世代型クレジットカード「Nudge」を提供)
- 株式会社Gaudiy (日本:ブロックチェーン技術を活用したNFT発行や分散型IDを提供。またWeb3時代のファンプラットフォーム「Gaudiy Fanlink」を開発、提供)
- 株式会社sustainacraft(日本:NbS(Nature-based Solutions)による事業展開を行う)
- 株式会社SUPER STUDIO(日本:ECプラットフォーム「ecforce」を開発・提供)
- 株式会社ログラス(日本:経営管理業務支援システム 「Loglass」を開発・提供)
- 株式会社ABCash Technologies(日本:中立的な金融教育FinTechサービスを提供)
※一部抜粋
三菱UFJイノベーション・パートナーズの求める人物像
組織自体の拡充のための人員増強を計画しており、以下のような人物を外部から積極的に採用する方針がある。
- 国内外のスタートアップへの投資やファンドマネジメントの経験、事業会社や金融機関などで与信業務や企業評価の経験がある人物
- 監査法人やコンサルティングファームで事業分析などのデューデリジェンス経験がある人物
- 最新技術やフィンテックに関心がある人物
- グローバル市場で新しい事業を作っていく仕事にやりがいを感じる知的好奇心が旺盛な人物
- ビジネスレベルの英語力のある人物が望ましいとされる。(投資先の多くが海外企業のため)
三菱UFJイノベーション・パートナーズのトレーニング
海外企業への投資案件も多いため、ビジネスレベルの英語力を身に着けるための教育支援を行っている。