マッキンゼー・アンド・カンパニー McKinsey & Company, Inc.
マッキンゼー・アンド・カンパニー HPより
企業について
コンサルティング業界で常時人気のトップ企業
コンサルティング業界の巨人
世界65カ国以上に約130ものオフィスを構える一大外資系経営コンサルティングファーム、それがマッキンゼー・アンド・カンパニー(以下、マッキンゼー)だ(2022年現在)。世界トップの社員数を誇り、業界内で強い存在感を放つ。日本支社は1971年に設立されており、2021年で50周年を迎えた。グローバルレベルの専門知識とローカルレベルの深い知見を組み合わせ、〝グローカル〟を意識したコンサルティングを実践している。
現在、各分野のトップ企業の支援をはじめ、直近ではコロナ関連における官民の取り組みやNPO法人スペシャルオリンピックス日本のサポートなど、幅広い展開を見せている。
2018年には大阪市内に日本支社関西オフィスを開設。グローバル経営の観点から日本を最重要地域の1つと位置づけ、活動を強化している。関西以西の西日本全域を活動領域として、関西経済・関西企業の発展に貢献することを狙う。
同社の強みは、巨大なグローバル体制だ。世界中にある各オフィスの間に緊密な連携が実現されており、膨大な情報を迅速に共有するシステムなどが充実している。いかなるプロジェクトにおいてもグローバルな知見・人材を最大限に活かせる。
さらに、当社には、コミュニケーション及びビジュアルデザインのプロフェッショナルエキスパートチームや、McKinsey Global Instituteと呼ばれる専門の研究機関などが存在し、高品質なコンサルティングに大きく貢献している。
また、同社は人材輩出企業としてもその名を高く知られている。実際に、政財界の著名人を多数輩出しており、国内外多くの有名企業や組織のトップにマッキンゼーの卒業生たちが名を連ねている。
クライアントにとっての真のパートナーとして、採るべき戦略を提案
マッキンゼーが扱う案件の多くは、クライアントのトップに直接アクセスするプロジェクトであり、全社的な経営戦略などを支援している。同社のクライアントは上場企業から政府機関まで多岐にわたり、いずれもがトップレベルの企業・組織だ。また、近年ではマッキンゼーサステナビリティという新プラットフォームも立ち上げ、エネルギー・資源・農業・気候・ESGなどさまざまな方面において社会的価値の創出に取り組んでいる。
同社の実績事例として、海外製薬会社による日本市場への新医薬品投入に関するマーケティング戦略がある。
世界トップクラスの大手製薬会社が、日本での共同販促とライセンス提供を行うため、提携企業の選択をマッキンゼーに依頼。マッキンゼーチームは、クライアントに対するインタビューやクライアントがもつ大量のデータを活用することで、売上予測を精緻化し、提携候補となる各社の能力・適性を評価した。
この結果、マッキンゼーはクライアントに、「ライセンス提供はせず、自社のみで販売する」という想定外の提案を行った。クライアントの製品は多大な潜在力を有するとして、製品を自社のみで販売するほうが、共同販促やライセンス提供よりもメリットがあると結論づけた。クライアントはこの提案を採用。発売された製品は、当初の最大予測すら大幅に上回る販売ペースを記録するなど、大きな成功を収めた。
現状に満足せず、M&Aによる事業展開を加速
2015年は、マッキンゼーによるM&Aが加速した。この1年間だけで、米国のデザイン・コンサルティング会社のルナー、ロンドンに拠点を置くデータ技術コンサルティング会社のクァンタムブラック、航空宇宙および軍事分析企業のヴィジュアルDoD、小売分析企業の4トゥリーといった4社を買収している。
2019年10月には、買収したクァンタムブラック社と共同で「IoT Center Japan」を開設。クァンタムブラック社が強みとするデータ分析と、戦略立案や組織変革といったマッキンゼーの知見を合わせて、顧客企業を支援している。「IoT Center Japan」は顧客企業の経営者がデジタル変革を体感できる場とする方針で、先端技術を活用したソリューションの展示やデモの他、トレーニング機会も提供されている。未来の戦略コンサルのあり方を常に模索し、M&Aを通して新たな提供価値を創造しているのだ。
トップランクのコンサルティングファームで働くとは
マッキンゼーで働くコンサルタントは、企業や地域社会に対して価値ある変化をもたらすことのできる人材だ。課題設定力や問題解決力をもち、チームワークやリーダーシップを発揮することが求められる。
同社には〝Make Your Own McKinsey〟という社内で共有する言葉がある。同社社員のキャリアは、誰かに指示されて形成されるものではなく、自ら設計し組み立てていくものであるという思想だ。そのため、コンサルタントは入社当初から自分のキャリアパスを明確にイメージしているが、組織として1人ひとりのユニークなキャリアを支援する仕組みや風土もある。
クライアントへの価値提供とコンサルタントの育成はファームの持続的成長の両輪であり、パートナー陣をはじめ、周囲のコンサルタントの成長やキャリア形成に責任をもって取り組んでおり、人を何よりも大切にする顔が当社にはあるのだ。
さらに、同社ではインクルーシブな環境の醸成にコミットし、性別・国籍・バックグラウンドを問わず、すべての社員が能力を最大限に発展させ成長できる環境を整えている。柔軟な働き方、男女問わず取得可能な育児休暇制度、多様なバックグラウンドをもつリーダーの育成、アンコンシャスバイアス(無意識な偏見)を排除するためのトレーニングの実施など、さまざまな活動に取り組んでいる。
その他にも、海外のプロジェクトへの参加やトランスファーの機会が当たり前に存在し、世界中の多様な仲間たちと仕事ができる。グローバルに活躍したい優秀な人材には最高のステージとなるだろう。
マッキンゼー・アンド・カンパニー(以下マッキンゼー)はアメリカに本社を構える外資系コンサルティング会社。世界トップレベルの戦略コンサルティングファームである。
米国、欧州、アジア、南米、東欧など世界65カ国に130を超える拠点を持ち(2021年現在)、全世界の様々な業種・業界を対象に、各企業のトップマネジメントが直面する経営課題解決とその実行支援を手がけるグローバルコンサルティングファームである。
マッキンゼーには、現在30,000人以上のコンサルタントが在籍しており、彼等の国籍数は100以上にも上る。現在日本のトップ30社の80%を支援している。(2021年現在)
1926年のジェームズ・O・マッキンゼーによる創設以来、同社はOne Firm(一つの組織)」という理念のもと、すべてのコンサルタントが一つのバリューを共有し、企業戦略、組織変革、事業部戦略、M&Aなどに関して質の高いソリューションを一貫して提供してきた。
その姿勢と実績は、グローバルで変化の激しい市場と向き合う顧客企業から「真のパートナー」として、高く評価されている。
-
代表者岩谷 直幸(日本支社長)
-
設立1971年(日本オフィス)
-
所在地東京都港区六本木1丁目1−9−10 アークヒルズ仙石山 森タワー
マッキンゼー・アンド・カンパニーの理念
以下にマッキンゼーの企業理念を引く
Our purpose
To help create positive, enduring change in the world.
Our mission
To help our clients make distinctive, lasting, and substantial improvements in their performance and to build a great firm that attracts, develops, excites, and retains exceptional people.
Our values
Adhere to the highest professional standards
・put client interests ahead of the firm’s
・maintain high standards and conditions for client service
・observe high ethical standards
・preserve client confidences
・maintain an independent perspective
・manage client and firm resources cost-effectivelyImprove our clients’ performance significantly
・follow the top-management approach
・pursue holistic impact
・use our global network to deliver the best of the firm to all clients
・bring innovations in management practice to clients
・build client capabilities to sustain improvement
・build enduring relationships based on trustCreate an unrivaled environment for exceptional people
・be nonhierarchical and inclusive
・sustain a caring meritocracy
・develop one another through apprenticeship and mentoring
・uphold the obligations to engage and dissent
・embrace diverse perspectives with curiosity and respect
・govern ourselves as a “one firm” partnershiphttps://www.mckinsey.com/about-us/overview/our-purpose-mission-and-valuesより引用
マッキンゼー・アンド・カンパニーの沿革
マッキンゼー・アンド・カンパニーは、1926年にシカゴ大学の経営学教授ジェームズ・O・マッキンゼーによって創設された。
ジェームズ・O・マッキンゼーは、経営コンサルティング分野において「一流の人材を通じて、一流の企業を、より一流にしていく」ことをその経営理念とした。
彼によって考案された“To Management Approach(全社的視点に立った問題解決)”は、現在に至るまでマッキンゼーのコンサルティングを支える大きな柱となっている。
1933年にマービン・バウアーがマッキンゼーに参画。
バウアーは、経営コンサルティングの世界で初めて“Fact-base(事実に立脚する)”、 “Analytical approach(分析的アプローチ)”というコンセプトを掲げ、更に科学的かつ論理的な問題解決のフレームワークを明確に打ち出した。
同時に、プロフェッショナル・ファームにおいてコンサルタントに求められる行動規範、組織運営の理念をあらわす「プロフェッショナル・コード」も考案。彼が新たに導入したこれらの考え方は、現在でもマッキンゼーにおいて最も重視されているコンセプトとして深く根付いている。
- 1926年
- 前身であるカーニー・アンド・マッキンゼーが分裂。A・Tカーニーとマッキンゼー&カンパニーに分かれる。
マッキンゼーはジェームズ・マッキンゼーがニューヨークオフィスを率いて設立。 - 1933年
- マービン・バウアー氏がマッキンゼーに参画。
“Fact-base(事実に立脚する)”、 “Analytical approach(分析的アプローチ)”というコンセプト、科学的かつ論理的な問題解決のフレームワークを、経営コンサルティングの世界で初めて確立 - 1959年
- 初の海外オフィスをロンドンに開設。
~1970年 ヨーロッパ各国・カナダ・オーストラリアにオフィスを開設。グローバルに展開を行う。 - 1971年
- 日本支社(東京オフィス)を開設
- ~2000年
- 1999年までに世界20数ヶ国にオフィスを持ち、5000人を超えるコンサルタントを抱えるファームに成長。
- 2018年
- 新たに日本支社(関西オフィス)を開設。
現在は 世界50ヶ国以上に90以上拠点を有する。
マッキンゼー・アンド・カンパニーのサービス
インダストリー
- 先端エレクトロニクス・半導体
- 自動車・産業機械
- 化学・農業
- 消費財
- 電力・ガス
- エンジニアリング・建設・建材
- 金融サービス
- ヘルスケアシステム・サービス
- ライフサイエンス
- 金属・鉱業
- 石油・ガス
- 紙・板紙製品・包装材
- プライベートエクイティ・プリンシパルインベスター
- パブリックセクター
- 小売
- テクノロジー・メディア・通信
- トラベル・運輸・インフラ
ファンクション
- デジタル
- グロース・マーケティング・アンド・セールス
- Leap by McKinsey (新規事業立案)
- オペレーション
- 人材・組織・パフォーマンス
- 戦略・コーポレートファイナンス
- サステナビリティ
- 企業変革
マッキンゼー・アンド・カンパニーの求める人物像
マッキンゼーのコンサルタントに必要な4つのスキル
マッキンゼーでは顧客企業のバリュー向上のサポート、トップマネジメント層へのアドバイザリーという職務に対して、共感と責任感を強く持った、次のような資質・能力を持った人材を求めて採用活動を行っている。
Problem Solving:
既存の考え方にとらわれず、自由で独自の発想力を持ち、具体的・概念的な事象の双方に対しての高い理解能力を持っていること。さらに強い好奇心と粘り強さ、確かな判断力がをもって問題解決に取り組むことができる。
Influencing odters:
自分に自信を持ちつつも、他人の考え方に関心をもつこと。他人の意見をよく理解し、適切な返答ができるスキルを持ち、対話している他者に影響力を発揮することができる。
Leading odters and building relationships:
自主的に行動し、リーダーとしての責務を引き受ける意欲を持つ。そして、目的を共有する仲間を、高い生産性を有するチームとし導くことができる。他人の感情や自分とは異なる考え方に対して敏感さと寛容さを持って接し、リーダーシップを発揮することができる。
Achieving goals:
挑戦することをおそれず、個人でリスクを取った判断、行動ができる。かつ自分自身に高い目標を課し、結果を出すことにこだわることができる。マッキンゼーではこの二点が、様々な障害があってもあきらめずに努力すること、ひいては成果を出すことにつながると考えている。
マッキンゼー・アンド・カンパニーでのキャリアパス
成果主義のキャリアパス
マッキンゼーのキャリアパスは原則、成果主義(Meritocracy = メリトクラシー)に基づく。年次によらず、その人がアウトプットした成果物によって評価される。 マッキンゼーのキャリアパスは”Promote when ready”と言われ、上位のキャリアをこなすのに充分な能力がついたと判断されると、次のキャリアに進むことができる。
ビジネス・アナリスト
プロジェクトの課題解決において個別の分野を担当する。情報収集、その分析においてリーダーシップを発揮するだけではなく、顧客メンバーとの協業、プロジェクトの最終提案のとりまとめ、および顧客企業のトップマネジメントへのプレゼンテーションも担う。
3年目以降は、そのままアソシエイト、マネージャーへと社内でキャリアを積んでいく人もいれば、アソシエイトになる前に留学支援制度を利用してビジネススクールへ留学する人、外部でリーダーシップ経験を積む人、また、海外オフィスで活躍する人など様々な形でキャリアを重ねていくこととなる。
ジュニア・アソシエイト、アソシエイト
ジュニア・アソシエイト、アソシエイトは、ビジネスアナリストと同じく、プロジェクト課題解決の個別分野の担当から取り組みを開始する。その後、プロジェクト全体にわたって、課題の特定、仮説の設定・検証、顧客企業社内や外部でのインタビュー、海外からの情報収集・分析、最終提案のとりまとめなどに従事する。
新人コンサルタントは、約一カ月間の集中基礎トレーニングの後、1年間は新人コンサルタント育成チームのプロジェクトに参加する。
2年目以降は、”Preference Based Staffing”という制度により、各コンサルタントが自らのキャリアビジョンや個々人の関心のある分野を基に自ら希望するプロジェクトを申請、アサインする。(ただし、アサインの決定は、すべての顧客企業に最大の価値を提供できるようバランスなどを考慮した上でパートナーによって行われる。)
また、世界を拠点とする外資系企業である同社では、グローバルに活躍できる舞台が多く用意されていることも、特徴のひとつである。
海外各地のオフィスへのトランスファー(転勤)も本人の希望に基づいて実施される。ただし、これには現地でのコンサルティング業務に支障のない語学力など基本スキルを有するなど、一定の条件がある。
マッキンゼー・アンド・カンパニーのトレーニング
グローバルに対応可能なトレーニングシステム
マッキンゼーでは、内定後に英語力判定テストを受けることが求められる。
その結果に応じて入社前の英語レッスンの受講などについてアドバイスを提供する。入社後も、希望者は定期的な英語研修を受講することが可能である。
またビジネス・アナリスト出身者の海外MBA留学に対して積極的な支援を行っていることもマッキンゼーのトレーニングの特徴である。※ただし、ジュニア・アソシエイト、アソシエイトとして入社の場合は除く。
この留学サポートに「定員」は設けられておらず、留本人が希望し、かつそれまでの業務において高い成果を上げてきたビジネス・アナリスト出身者全員が対象となる。
留学支援に関しては定員が定められている企業が多いのに対し、同社ではチャンスが広く、平等に用意されている。
マッキンゼー・アンド・カンパニーの社員の声
マッキンゼーの文化や働く環境について社員の声を以下に引く。
マッキンゼーの大きな特徴として、頻繁にフィードバックをする文化がありますが、自分の強みを磨いていくという意味でも非常に良い環境だと思います。上司や先輩だけでなく、様々な角度からアドバイスをもらうことで、自身で気付く機会も多くなりますし、成長のサイクルが加速すると実感しています。
また、社内には多様な強みを持った個性的な人がたくさんいます。それがチームを強くし、ひいてはファーム全体を強くし、最終的にクライアントへの最良のインパクトにつながっていると思います。
マッキンゼーではプロジェクト・チームを組む場合、自分の働き方やライフスタイルの希望を共有し、サポートし合う文化が定着しています。初めて一緒に働く人や、他国のオフィス出身の人とタッグを組むことも多く、お互いが心地よく働くためにはオープンさと柔軟性が必要になるからです。私の場合も復職するとき「何時から何時までチームやクライアントと一緒に過ごせるか」「何時以降はメール・電話で対応が可能か」などを丁寧に確認し合うことができました。
今、採用活動の場などにおいて「子育てをしながらコンサルタントの仕事を続けることは可能か」というお声や「小さな子どもがいると毎日大変ではないか」という率直なご質問をいただくことがあります。
私はそんな時「コンサルタントとしての役割を果たしている限り、マッキンゼーは自由な場である」と伝えています。業務量を調整したり、次の昇進へのタイムラインを一時的に遅らせたり、子どもの休暇に合わせてまとめて数週間単位で休んだりすることも可能だからです。もちろん、性別も年次も関係ありません。
働きやすい職場を目指して世の中で様々な取り組みがされているなか、マッキンゼーは外からはドライな組織に見えるかもしれませんが、実はオープンさ・柔軟性の観点からとても魅力的な職場だと思います。
マッキンゼー・アンド・カンパニーの社会貢献・ESG
マッキンゼーの優れたノウハウを社会へ還元
マッキンゼーでは、同社の有する知見や経験が少しでも社会に還元されるよう、公益企業や非営利機関、自治体などへのコンサルティングサービスも積極的に行っている。
業務改革、組織スキル向上などをサポートすることによって、芸術・文化振興、国際的支援、環境保護、地域振興や経済活性化などにも貢献している
例えば、NPO法人「スペシャルオリンピックス日本」支援・活性化プロジェクトなどがこれに当たる。
こうしたプロジェクトは、世界中のオフィスにおいて年間100~150も進められている。
マッキンゼー・アンド・カンパニーの関連書籍
マッキンゼーへの転職を志す方へ、面接までに読むべきお勧めの書籍をご紹介します。
-
マッキンゼーが解き明かす 生き残るためのDX
-
マッキンゼー ネクスト・ノーマル:アフターコロナの勝者の条件
-
マッキンゼーが読み解く食と農の未来
-
マッキンゼーが予測する未来―――近未来のビジネスは、4つの力に支配されている
-
マッキンゼーをつくった男 マービン・バウワー
-
考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則
-
企業参謀―戦略的思考とはなにか
-
新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術
-
採用基準