コーン・フェリー コンピテンシーを礎に組織変革を担うコンサル
コーン・フェリーは、コンピテンシーをはじめとする人と組織の方法論の蓄積を基盤に、企業や公的機関の経営層・人材に関する意思決定に関与してきた。本記事では、企業の特徴や理念、沿革、主要なサービス内容、求める人物像、入社後のキャリアパスやトレーニング内容、社会貢献・ESG、関連書籍について整理する。
コーン・フェリー HPより
コーン・フェリーとは
コーン・フェリー(Korn Ferry)は、1969年に米国で設立された組織・人事コンサルティングファームである。組織戦略・人事制度設計・リーダーシップ開発・アセスメント・エグゼクティブサーチなどを中心に、民間企業や公的機関に対して人材と組織の課題解決を支援している。現在は世界50カ国以上に拠点を有し、10,000人を超えるプロフェッショナルが在籍している。
コンサル業界地図(領域別)
コーン・フェリー
- マーサー
- タワーズワトソン
- エーオンソリューションズジャパン
- リンクアンドモチベーション
- HRガバナンス・リーダーズ
- パーソル総合研究所
- エッグフォワード
- グロービス
- スコラ・コンサルト
- アルー
- クレイア・コンサルティング
コーン・フェリーは、米国カリフォルニア州ロサンゼルスに本社を置き、ニューヨーク証券取引所に上場している(ティッカー:KFY)。創業者であるレスター・コーンとリチャード・フェリーは、エグゼクティブサーチを起点として事業を展開し、その後、組織・人事領域全般を扱うコンサルティングファームへと事業領域を拡大してきた。日本へは1973年に進出し、半世紀を超える歴史を持つ。
事業領域は、人と組織にまつわるテーマを包括的に扱う点に特徴がある。経営層・幹部人材のサーチに加えて、組織戦略の策定、人事制度・報酬制度の設計、リーダーシップ開発、後継者計画、アセスメント、従業員エンゲージメントサーベイ、採用業務アウトソーシング(RPO)など、戦略と人材を結びつける一連のサービスを提供している。提供価値の中核には「人材、科学、テクノロジー」の3つの柱を組み合わせるアプローチがあり、70億超のデータポイントを活用したアセスメントや報酬ベンチマーク、デジタルプラットフォーム「Talent Suite」を通じて、データに基づく意思決定を支援している。
コーン・フェリーは、組織・人事の領域においてグローバルスタンダードとなっている方法論を生み出してきた点でも知られる。職務評価の世界的基盤である「ヘイ・ガイドチャート法」、人材を測定する共通言語としての「コンピテンシー」、心の知能指数として広く用いられる「EQ(Emotional Intelligence)」などは、コーン・フェリー(旧ヘイグループを含む)が開発・提唱してきた概念である。これらの方法論は、ハーバード大学のデイビッド・マクレランド教授やエドワード・ヘイといった先駆者の研究を起源とし、長年の実証研究を経て体系化され、各国の企業や公的機関に導入されてきた。
近年は、買収や統合を通じて組織・人事コンサルティング領域の機能を拡張してきた。2015年にはヘイグループ(Hay Group)を統合し、報酬・組織・リーダーシップに関する知見を取り込んだ。日本においては、2019年8月に日本コーン・フェリー・インターナショナル株式会社、コーン・フェリー・ヘイグループ株式会社、フューチャーステップ・ジャパン株式会社の3社を統合し、「コーン・フェリー・ジャパン株式会社」として再出発した。
足元では、AIの進化と人的資本経営の浸透を背景に、組織と人材のあり方が再定義される局面にある。コーン・フェリーは、CEOサクセッションやリーダーシップ開発、ジョブ型人材マネジメント、エンゲージメント向上、Pay Transparency(給与の透明化)など、企業が直面する経営テーマに関する調査・論考・セミナーを継続的に発信している。日本市場では、人事制度のジョブ型への移行支援や日本企業のグローバル化に伴う組織・人事の高度化を中心に、幅広い業界のリーディング企業を支援している。
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代表者日本共同代表:滝波 純一、五十嵐 正樹
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設立1969年(コーン・フェリー グローバル創業)
1973年(日本進出)
2019年(コーン・フェリー・ジャパン株式会社 発足:日本3社統合による) -
従業員数10,000人超(2026年4月時点の公開情報)※グローバル
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所在地東京都千代田区丸の内1-8-1
丸の内トラストタワーN館14階 -
拠点数50カ国以上、100オフィス超(2026年4月時点の公開情報)※グローバル
News & Topics
コーン・フェリーの理念
以下にコーン・フェリーの理念を引く。
コーン・フェリーが大切にしていること
01 Inclusion/包摂性
私たちは、さまざまなバックグラウンドを持つ、異なる視点を持つ人々を受け入れます。そして、私たちは一つのチームとして考え、働きます。
02 Honesty/誠実さ
私たちは言動に一貫性を持たせ、自分自身に最高水準を求めます。何か問題を見つけたときに、人々が声を上げやすい環境を作ります。
03 Knowledge/知識
私たちは飽くなき好奇心を持ち、常に新しいことを学んでいます。また、メンタリングやサポートを通じて、同僚の成長と発展も積極的に支援しています。
04 Performance/成果
私たちは現状に決して満足しません。昨日よりも今日、今日よりも明日と、常に向上を目指し、お客様、同僚、株主のために最善を尽くします。
コーン・フェリー公式サイトより引用
コーン・フェリーの沿革
以下に、コーン・フェリーおよびその源流の一つであるヘイグループの主な沿革を記載する。
- 1943年
- エドワード・ヘイがヘイグループを設立。
- 1969年
- レスター・コーンとリチャード・フェリーがコーン・フェリーを設立。
- 1973年
- コーン・フェリーが日本に進出。
- 1979年
- ヘイグループが日本オフィスを設立。
- 2015年
- コーン・フェリーがヘイグループを買収、コーン・フェリー・ヘイとなる。
- 2018年
- 全ブランドを「Korn Ferry」に統一し、ヘイグループ、フューチャーステップ、ローミンガー等のサブブランドを終了。
- 2019年
- コーン・フェリーが日本の3ブランド(日本コーン・フェリー・インターナショナル、コーン・フェリー・ヘイグループ、フューチャーステップ・ジャパン)を統合し、コーン・フェリー・ジャパンとなる。
- 2026年
- LA28オリンピック・パラリンピック競技大会の創設パートナーに就任。
コーン・フェリーのサービス
ソリューション
- 組織・人事戦略
- 人事制度・報酬戦略
- アセスメント&サクセッション
- Talent Acquisition
- Leadership & Professional Development
- Board & CEO Services
- Business Transformation
- Talent Suite
コーン・フェリーの求める人物像
コーン・フェリーが組織・人事コンサルティング部門で求める人材像には、3つの共通要素がある。
第一に、組織や人にまつわる課題解決のプロフェッショナルを志す姿勢である。同社のコンサルタントは、日本を代表する企業の経営層と向き合い、社内では解決できなかった課題に対してクライアントとともに答えを出していく役割を担う。そのため、この領域でプロフェッショナルとしてのキャリアを築こうとする意志が前提となる。
第二に、安易に既存の解決策へ飛びつかず、最後まで考え抜く力である。同社には世界標準となった方法論や豊富なメソッドが揃っているが、それらはあくまで道具であり、クライアントごとに本質的な課題と実行可能な打ち手を見極める思考力が重視されている。
第三に、長期にわたりクライアントに伴走できる人間としての成熟と、クライアント企業ひいては日本社会への貢献という価値観である。組織と人を扱うテーマは社会そのものを動かすことにつながるため、こうした価値観を持つことが同社のコンサルタントに不可欠とされている。
以上に加え、コーン・フェリーは「Exceeding Potential(人と組織がそのポテンシャルを最大限発揮させる)」をパーパスに掲げ、その対象に自社で働く仲間も含めている。一人ひとりが自立したプロフェッショナルとして尊重されるカルチャーのもと、互いの成長を助け合いながら学び続ける姿勢、および多様なバックグラウンドや視点を受け入れて一つのチームとして協働する姿勢が、入社後にも継続して期待されている。
コーン・フェリーでのキャリアパス
コーン・フェリーには、グローバルで統一されたキャリアパスがあり、アナリスト、コンサルタント、プリンシパル、クライアント・パートナーの4つのクラスで構成されている。上位クラスへのプロモーションは、年齢や在籍年次に左右されず、プロジェクトでの厳正な評価に基づいて決定される。各クラスの役割は以下のとおり。
アナリスト
上司の指導の下、リサーチや分析、ドキュメント作成などを行うジュニアポジション。早期にコンサルタントへのプロモーションが期待される。
コンサルタント
上司の指示の下で自立したアウトプットを求められるポジション。クライアントとのコミュニケーションにも参加するようになる。
プリンシパル
プロジェクトマネジメントやメンバー育成が主な業務となる。プロジェクト進行に責任を持ち、同社の核となるポジション。
クライアント・パートナー
クライアントとの関係構築・維持を担い、オフィス経営にも携わるポジション。
コーン・フェリーのトレーニング
コーン・フェリーは「Exceeding Potential」というパーパスを掲げ、その対象にクライアントだけでなく一緒に働く仲間や自分自身も含めている。コンサルタント各自の育成がファーム全体の成長に直結するという考え方のもと教育制度を整備しており、新卒で入社するコンサルティング部門のアナリストには、特に若手の成長を支える仕組みが用意されている。
主な仕組みは、新卒社員向けの入社後研修、General Team、メンター(育成担当)制度の3つである。
新卒社員向け入社後研修
新卒入社者を対象とした、2カ月間の入社後研修が行われる。前半の約1カ月は座学で、基本的なコンサルティングスキルと人・組織に関する最先端の知見を学ぶ。後半の約1カ月はケース演習を通じて、論点設計、分析・検討、アウトプット作成までを実戦形式で深める内容となっている。クライアントプロジェクトへのアサインメントの前に十分な学びの時間が確保されているため、不安があれば事前に解消できる設計となっている。
General Team
プロジェクトメンバー層の若手社員が所属するチーム。キャリアステージが近い仲間と、クライアントワークから得た学びを共有する場として機能する。定期的に集まって日々のクライアントワークでの悩みを相談し合うなど、横のつながりを通じて成長を後押しする仕組みである。
メンター(育成担当)制度
パートナーやプリンシパルが個々の社員の育成担当となり、強みや育成課題を特定したうえで成長を支援する。日々の困りごとが随時相談できることに加え、毎週、成長のための対話の機会が設けられており、クリティカルシンキングの演習など、個々の状況に応じたきめ細かいサポートが受けられる。
コーン・フェリーの社会貢献・ESG
コーン・フェリーは、グローバル企業としての社会的責任をビジョンの中心に据え、ESGに関する取り組みを「環境サステナビリティ」「人とコミュニティ」「ビジネス慣行」の3つの領域で展開している。これらの活動と組織文化の双方に、Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包摂性)を根付かせることを重視しており、社内外のステークホルダーへの影響を最大化する方法と位置づけている。
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)
同社は、4つのコアバリューの最初に「Inclusion(包摂性)」を意図的に設定している。さまざまな経歴、文化、経験、民族性、性別、指向性、宗教的信念を持つ従業員の集まりであることを強みと捉え、多角的な視点が組織の知性、俊敏性、革新性を高めるという考え方を基盤としている。
具体的な取り組みとしては、多様な人材や、これまで過小評価されてきた人材の採用・育成・昇進を全社的な優先項目に位置づけており、人材採用、人材育成、評価、エンゲージメント、福利厚生の各施策を通じてインクルージョンの文化を促進している。
サプライチェーンにおいても同様の方針が貫かれており、サプライチェーンと市場におけるインクルージョンの奨励・促進を目的とした「インクルーシブ・サプライヤー・プログラム」を実施している。多様で小規模なサプライヤーと関わることが、コーン・フェリーとクライアントの双方にとってのイノベーションと価値を生み出すという考えに基づくものである。
コミュニティへの貢献
世界各地の現地オフィスと従業員が、さまざまな組織やプログラムを通じて慈善活動に参画している。中核となるのが、慈善目的で運営される「Korn Ferry Charitable Foundation」であり、コーン・フェリーのグローバルなネットワークを基盤として活動している。
コーン・フェリーについてのFAQ
コーン・フェリーはどのような企業を支援していますか?
コーン・フェリーは、民間企業から公的機関まで、幅広い業界の組織を支援しています。日本市場では、半世紀以上にわたる活動を通じて、製造業、金融、医薬品、消費財、流通、情報通信などのリーディング企業に対して組織・人事領域のコンサルティングを提供しています。支援対象は経営層から現場層まで多層にわたり、CEOや経営幹部の採用・後継者育成、組織戦略の策定、報酬制度や人事制度の設計、リーダーシップ開発、従業員エンゲージメント向上など、人と組織に関する多岐にわたる課題に対応しています。グローバルでは50カ国以上に拠点を持ち、世界最大級の組織・人事領域のプロフェッショナルファームとしてクライアントを支援しています。
コーン・フェリーが近年注力しているコンサル領域は何ですか?
コーン・フェリーが近年公表資料で発信しているテーマは、CEOサクセッション(後継者計画)、ジョブ型人材マネジメント、従業員エンゲージメント向上、Pay Transparency(給与の透明化)、人的資本経営への対応、AI時代のリーダーシップなどです。とくに日本市場では、ジョブ型人事制度への移行支援や、製造現場を含むエンゲージメント改革、グローバル化を進める日本企業の組織・人事の高度化に関するセミナー・調査レポートを継続的に発信しています。2025年12月には三菱重工グループのエンゲージメント改革に関する講演録を公開するなど、大手日系企業の人的資本経営の実践事例にも踏み込んだ情報発信を行っています。
コーン・フェリーのAI領域における取り組みは何ですか?
コーン・フェリーは、AIを組織・人事領域に適用する研究と実装を進めています。デジタルプラットフォーム「Talent Suite」では、生成AIや独自の知財を組み込んだアプリケーション群を提供し、アセスメント、コーチング、報酬データ分析、エンゲージメント測定などをデジタル基盤上で統合しています。また、ホワイトペーパー「AI対応型リーダーの登場」「AIによって人の潜在能力を拡張する」などを公開し、AI時代に求められるリーダー像や、人とAIのパートナーシップの在り方を論じています。2026年に向けたタレントアクイジション・トレンドでは「人間とAIのパワーカップル」をテーマに掲げ、採用領域におけるAI活用の方向性を提示しています。
コーン・フェリーが提唱してきた「コンピテンシー」「EQ」とは何ですか?
「コンピテンシー」は、ある仕事で高い業績を上げるために必要な思考と行動の特性を体系化した概念です。1960〜1970年代にハーバード大学のデイビッド・マクレランド教授が考案し、その後マクレランド教授がコーン・フェリー(旧ヘイグループ)に参画して実証研究を進めたことで、世界各国の企業の人事評価やアセスメントに広く導入される共通言語となりました。「EQ(Emotional Intelligence)」は、心の知能指数と訳される概念で、感情の認識・調整能力に着目したリーダーシップ開発の指標として活用されています。これらに加えて、職務評価の世界的基盤である「ヘイ・ガイドチャート法」も、コーン・フェリーが開発した代表的な方法論です。これらの方法論は、現在もリーダーシップ開発や人事制度設計の場面で世界的に用いられています。
他の組織・人事系コンサルファームと比べた場合、コーン・フェリーの特徴は何ですか?
コーン・フェリーは、組織・人事領域に特化したグローバルファームのなかでも、エグゼクティブサーチ、組織戦略・人事制度コンサルティング、アセスメント、デジタルプロダクト、採用業務アウトソーシング(RPO)といった機能を統合的に提供している点に特徴があります。「人材、科学、テクノロジー」の3つの柱に基づき、70億超のデータポイントを活用したアセスメントや報酬ベンチマークを保有しており、データドリブンな意思決定支援を行えるのが構造的な特徴です。また、職務評価の「ヘイ・ガイドチャート法」、行動特性の「コンピテンシー」、心の知能指数「EQ」など、人事領域のグローバルスタンダードとなっている方法論を生み出してきた点も、他社との差異として挙げられます。
コーン・フェリーの関連書籍
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