オンコセラピー・サイエンス OncoTherapy Science, Inc.
オンコセラピー・サイエンス HPより
企業について
オンコセラピー・サイエンス(略称:OTS)は2001年に設立された創薬ベンチャー企業。東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長であった中村祐輔教授が創業者の1人として名を連ねる。
中村教授のがん遺伝子研究の成果をもとに、がん関連遺伝子や遺伝子産物を標的としたがん治療薬・がん治療法の研究開発を目的として設立された大学発ベンチャー企業である。
多数の大学や企業と共同研究を行っており、がん細胞において特異的に発現する遺伝子を網羅的に解析、単離されたがん関連遺伝子情報などの成果を活用して医薬品候補物質を製薬企業などに提供するほか、医薬品についての研究開発事業を行っている。
同社では治療効果が高く副作用の少ないがん治療薬や治療法を届け、患者ががんとの闘いに勝つことを目指しており、医療分野にジェノミックスをもらたした中村祐輔教授(がん研究会がんプレシジョン医療研究センター所長、東京大学名誉教授、シカゴ大学名誉教授)と協力して開発を進めている。
同社の基盤技術はがん組織からがん細胞だけを単離するLMM、網羅的な全遺伝子発現情報解析、遺伝子機能解析であり、これらの技術を用いて新たな分子標的治療薬を開発するための標的遺伝子同定を行っているのである。
研究開発領域は低分子医薬がTOPK阻害剤とMELK阻害剤、抗体医薬が新規のがん治療用抗体であるOTSA101、そしてがんペプチドワクチンとなっている。
世界の医薬品市場は年平均成長率が6.9%だが、OTSの事業領域であるがん医薬品は年平均11.4%と高い成長を見せている。
また米国でがん免疫療法を受けた患者の数は2014年が約2,000人であったのに対し2018年には212,000人と急速に伸長している。
これらの点から、OTSの成長ポテンシャルは高いと考えられている。
OTSは子会社による事業も行っており、血液や組織などの検体に存在しているT細胞のTCR遺伝子配列情報を解析する「細胞受容体(TCR)解析サービス」を株式会社Cancer Precision Medicineで行っている。
同じく子会社のイムナス・ファーマ株式会社では抗体医薬の研究開発や商業化を進めている。
なお、「オンコ」とはラテン語で腫瘍(がん)を意味する言葉であり、「オンコセラピー・サイエンス」の名称には科学的なアプローチによってエビデンスに基づいたがん治療、という意味が込められている。
さらにロゴマークはアイヌ語で「オンコ」と呼び、「神の木」を意味する櫟(イチイ)の木の実を表している。
-
代表者代表取締役社長:朴在賢
-
設立2001年4月6日
-
所在地神奈川県川崎市高津区坂戸三丁目二番一号
オンコセラピー・サイエンスの理念
企業使命
「より副作用の少ないがん治療薬・治療法を一日も早く がんに苦しむ患者さんに届けること、がんとの闘いに勝つこと」
現在臨床で用いられている抗がん剤の多くは、がん細胞だけではなく正常細胞にも強い細胞毒性を示すため、多くのがん患者さんが副作用で苦しんでいます。この問題を解決するために、革新的な抗がん剤の開発や、より高感度でがん特異的な血清診断マーカーの開発をすることで、がん患者さんの受ける負担を最大限まで軽減することを命題とし我々はヒトの腫瘍と正常臓器の網羅的遺伝子発現情報を取得しました。この発現情報を基に、がん細胞で発現が亢進し、正常臓器、特に生命維持に重要な臓器では発現が極めて低い遺伝子を選び、副作用が無く治療効果が高い分子標的治療薬の開発を目指して研究を行っています。
オンコセラピー・サイエンスの沿革
- 2001年
- 東京都港区芝に設立
- 東京大学医科学研究所と共同研究を開始
- 2003年
- 東京証券取引所マザーズ市場に上場
- 2004年
- 株式会社ヤクルト本社と肺癌を対象とした治療用抗体医薬開発における提携を締結
- 呉羽化学工業株式会社と膵臓癌を対象とした治療用抗体医薬開発における提携を締結
- 株式会社医学生物学研究所と抗体医薬の商業化を目的とした合弁企業「OMAb Pharma株式会社(現イムナス・ファーマ株式会社)」を設立
- 2005年
- 神奈川県川崎市高津区に本社を移転し創薬研究所を開設
- 株式会社抗体研究所と癌治療用抗体の開発・製造・販売に関する独占的導入契約を締結
- 扶桑薬品工業株式会社と新生血管阻害剤の販売権供与に関する契約を締結
- 株式会社二ムラ・ジェネリック・ソリューションズと癌遺伝子翻訳産生物を標的分子とした天然物のスクリーニング等に関する共同研究契約を締結
- ComGenex, Inc.(ハンガリー)と癌特異的タンパクを標的とした低分子化合物開発に関する提携を締結
- CrystalGenomics, Inc.(韓国)と癌遺伝子翻訳産生物を標的分子とした低分子医薬の共同研究契約を締結
- BioWa, Inc.(米国)と抗体医薬品開発に関する共同研究開発に関する契約を締結
- 2006年
- カルナバイオサイエンス株式会社と癌特異的キナーゼを標的分子とした低分子医薬の共同研究契約を締結
- 神奈川県などと「神奈川がん臨床研究・情報機構」を設立
- 徳洲会グループと癌領域におけるゲノム創薬などを目的とする合弁企業「株式会社未来医療研究センター」を設立
- ペプチド・ワクチン開発を目的とする連結子会社「ワクチン・サイエンス株式会社」を設立
- JSTの平成18年度「独創的シーズ展開事業委託開発」に採択
- 2007年
- イムナス・ファーマ(株)の株式を取得し連結子会社化
- 連結子会社のワクチン・サイエンス(株)を吸収合併
- 2008年
- 大塚製薬株式会社とペプチドワクチン開発・製造・販売権供与に関する契約を締結
- NEDOの平成20年度「基礎研究から臨床研究への橋渡し促進技術開発」に採択
- 「先端医療開発特区(スーパー特区)」でプロジェクトが採択
- 2009年
- 塩野義製薬株式会社と癌治療用ペプチドワクチン開発・製造・販売権供与に関する契約を締結
- NEDO「研究開発型ベンチャー技術開発助成事業」に採択
- 2010年
- 大塚製薬と中枢神経疾患を対象とする低分子化合物の開発・製造・販売権供与に関する契約を締結
- フランスに癌治療薬の研究開発を目的とする連結子会社「LaboratoiresOncoTherapy Science France S.A.R.L.」を設立
- 経済産業省「平成22年度中小企業等の研究開発力向上及び実用化推進のための支援事業」に採択
- NEDO「平成22年度イノベーション実用化助成事業」に採択
- リヨン自治政府(フランス)の「Proof of Conceptプログラム」にフランス子会社が採択
- シンガポールで胃がんに対するワクチンの臨床試験を開始
- Immunovaccine Inc.(カナダ)とがんワクチンに関する共同研究契約を締結
- 塩野義製薬と眼科領域疾患に対する治療用ペプチドワクチンの開発・製造・販売権供与に関する契約を締結
- 2011年
- 経済産業省関東経済産業局「平成22年度補正予算地域イノベーション創出研究開発事業」に採択
- 小野薬品工業(株)とがん治療用ペプチドワクチンの開発・製造・販売権供与に関する契約を締結
- フランスで新規抗体医薬の臨床試験を開始
- 2012年
- 塩野義製薬と治療用ペプチドワクチンの適応拡大と新規ペプチドの権利譲渡に関する契約を締結
- シカゴ大学(米国)と新たながん治療標的の探索研究に関する共同研究契約を締結
- 中村祐輔氏がサイエンティフィックアドバイザーに就任
- フランス子会社が開発中の滑膜肉腫新規治療用抗体が米国と日本で特許を取得
- 2013年
- 熊本大学との共同研究の成果に関する独占的な権利取得について合意
- 株式会社ニチレイバイオサイエンスと病理検査業務用および病理研究用の抗体についての製造・販売権供与に関する契約を締結
- ペプチドワクチンに関する特許を取得(日本、米国、欧州、中国、オーストラリア、ロシア、ニュージーランド、メキシコ、ウクライナ、イスラエル、韓国、香港、南アフリカ)
- 抗体に関する特許を取得(米国、中国)
- 前立腺がんの診断方法に関する特許を取得(米国)
- 受託検査部を新設
- SEPPIC S.A.(フランス)と小型自動エマルション調製機についての製造・販売権供与に関する契約を締結
- 癌治療薬候補物質のスクリーニング方法に関する特許を取得(日本、米国)
- 福島県立医科大学と樹状細胞及び腫瘍抗原ペプチドを用いたがんワクチン療法に関する共同研究契約を締結
- 第三者割当増資
- 抗がん剤感受性の評価方法に関する特許を取得(日本)
- 小型自動エマルション調製機に関する特許を取得(キューバ)
- 2014年
- シカゴ大学教授で創設者のひとりである中村祐輔氏と特別科学顧問契約を締結
- 2015年
- 塩野義製薬とがん特異的ペプチドワクチンS-588410第Ⅲ相臨床試験実施に関する覚書を締結
- 米国で新規抗がん剤TOPK特異的阻害剤が物質特許を登録
- TCR解析事業を開始
- TOPK阻害剤が米国立がん研究所が提供する化合物評価プログラムに採択
- 2016年
- 中国でTOPK特異的阻害剤が物質特許を登録
- 2017年
- 連結子会社「株式会社Cancer Precision Medicine」を設立
- 3医療法人とペプチドワクチンによる樹状細胞療法についての共同研究に関する契約を締結
- 腫瘍免疫解析部を会社分割し株式会社Cancer Precision Medicineに移管
- 神奈川県川崎市川崎区に株式会社Cancer Precision Medicineのラボを開設
- 2019年
- 連結子会社である「Laboratoires OncoTherapyScience France S.A.R.L.」(フランス)を解散
- サイアス株式会社とがん治療用ペプチドワクチンとiPS細胞技術を利用したがん免疫療法の開発・製造・販売権供与に関する契約を締結
- ノーベルファーマ株式会社とがん治療用ペプチドワクチンの開発・製造・販売権供与に関する契約を締結
- 2020年
- 資本金を50百万円に減資
- 新型コロナウイルス感染症に対するペプチドワクチン研究開発に着手
オンコセラピー・サイエンスのサービス
インダストリー
- バイオ
ファンクション
- がん治療薬の研究開発
オンコセラピー・サイエンスでのキャリアパス
OTSでは臨床開発担当者と研究員を募集しており中途・新卒の別はない。
臨床開発担当者は臨床計画の立案、モニタリングの実施、総括報告書の作成など臨床試験にかかわる業務を担当し医薬品の臨床開発業務経験を有する大学卒業以上が対象となっている。
また研究員は低分子化合物についての各種実験計画立案や実験業務を担当し、生命科学に関する知識と博士卒以上が求められており、英会話スキルも必要とされている。