楽天グループ Rakuten Group, Inc.
楽天グループ HPより
企業について
楽天株式会社は、ネット通販や旅行、ポータルサービス、電子書籍、通信事業などのインターネット総合サービスを展開する他、銀行、証券、クレジットカードなどの金融業やプロスポーツ事業等にも進出し、総合路線を推し進めている企業である。
主な連結子会社は38社、主な持分法適用関連会社は8社に上る。
中核であるインターネット・ショッピングモール「楽天市場」は、会員数8,740万人、出店店舗数は約42,000店と(数値は共に2013年9月末時点)、国内最大規模のECサイトである。
従業員数も2012年の時点で9,300人以上を数えるが(連結)、現代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏が1997年に創業した時は従業員数6名、「楽天市場」の店舗数も13店舗という規模からのスタートだった。
だが2000年の株式上場後は、株式公開で得た資金を元に積極的にM&Aを推し進め、旅行、証券、クレジットカード、プロ野球、銀行、電子マネー、電子書籍など、次々と異業種に参入し、業務の多角化を推進していった。
2005年には東京放送ホールディングスの株式大量保有が話題にもなった。
また楽天は2012年の「社内公用語の英語化」でも話題を呼んだが、海外進出はすでに2008年に台湾でサービスを開始しており、その後もタイ、米国、フランス、インドネシア、ブラジル、ドイツ、ロシア、英国、マレーシア、スペインなど、世界各地で続々と事業展開を行っている。
楽天は、楽天グループが提供する様々なサービスを、楽天が発行するポイントプログラム「楽天スーパーポイント」によって連関させる経済活動領域を、「楽天経済圏」と名付け、ネットとリアルの経済活動の融合促進を図っている。
今後はグローバル化を積極的に推し進める経営方針に沿って、「楽天経済圏」の海外輸出、世界への拡大が一層推し進められることだろう。
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代表者三木谷 浩史
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設立1997年
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所在地東京都世田谷区玉川一丁目14番1号 楽天クリムゾンハウス
楽天グループの理念
企業理念
インターネット・サービスを通じて、人々と社会を“エンパワーメント”する
楽天グループは、インターネットを通じて、人々と社会を“エンパワーメント”することを経営の基本理念としています。
ユーザーおよび取引先企業への満足度の高いサービスの提供により、多くの人々に成長の機会をもたらし、社会を変革し、豊かにしていくことに寄与していきます。
これらにより、楽天グループの株主価値および企業価値の最大化を図り、真のグローバル・インターネット・サービス企業となることを目指します。http://corp.rakuten.co.jp/about/philosophy/より引用
楽天主義(行動指針)
上記にある企業理念を具現化する基盤として『楽天主義』があります。
これは、楽天グループの根幹を成すものであり、全ての役員および従業員の行動指針として、大切にしている考え方です。
『楽天主義』は、「楽天グループ企業倫理憲章」「行動規範8ヶ条」「ブランドコンセプト」「成功のコンセプト」「仕事の進め方」の5つから成り、その中でも「ブランドコンセプト」「成功のコンセプト」は、楽天を理解していただくうえで重要なコンセプトですので、ここでご紹介いたします。—ブランドコンセプト—
ブランドコンセプトは、楽天グループの事業を通して実現しようとしている価値観を提示しています。
大義名分 -Empowerment-
長期的な成長を遂げられる事業とは何か?それは、社会的意義があり、社会から必要であると評価される事業であると考えます。
楽天グループにとっての社会的意義は、エンパワーメントという言葉で表現出来ます。
インターネットの特性を活かし、多くの人にチャンスを提供し、フェアな社会を構築する手助けをしていきたい。
これが楽天グループの大義名分です。品性高潔 -気高く誇りを持つ-
大義名分のある事業を行う場合に重要なのは、それを如何にして実行するかということです。
ブランドコンセプトでは、それを品性高潔という言葉で表現しています。
「気高さ」「誇り」「うそをつかない」「誠実」というスタンスが、楽天グループにおいて事業を行う上での大前提です。用意周到 -プロフェッショナル-
いくら大義があったとしても、その事業を成功させられなければ、社会に貢献することは出来ません。
成功するための方法論として、楽天グループでは、「成功の5つのコンセプト」を定めています。
「成功の5つのコンセプト」を体現して、役員・従業員一人ひとりがプロフェッショナルに事業を進める。
用意周到な事業の実行により事業の成功は得られると考えています。信念不抜 -GET THINGS DONE-
大義名分のある事業を行う場合に重要なのは、それを如何にして実行するかということです。
ブランドコンセプトでは、それを品性高潔という言葉で表現しています。
「気高さ」「誇り」「うそをつかない」「誠実」というスタンスが、楽天グループにおいて事業を行う上での大前提です。一致団結 -チームとして成功を掴む-
楽天グループは、様々なバックグラウンドを持った人材が活躍している場です。
その多様性をグループの強みにするためには、一人ひとりが、全体の方針に向かって、一致団結して進んでいくことが重要です。
楽天グループはひとつの大きなチームである。
チームワークよく、多様なメンバーの力を最大限発揮させられる組織こそが、成功を収められると考えています。楽天コーポレートサイトより引用
—成功のコンセプト—
「ブランドコンセプトを実現する」という楽天の掲げる目標に揺るぎはありません。「楽天の目標」への共感度を強め、実現度を高めるために「成功のコンセプト」があります。
常に改善、常に前進
人間には2つのタイプしかいない。
【GET THINGS DONE】様々な手段をこらして何が何でも物事を達成する人間。
【BEST EFFORT BASIS】現状に満足し、ここまでやったからと自分自身に言い訳する人間。
一人一人が物事を達成する強い意思をもつことが重要。Professionalismの徹底
楽天はプロ意識を持ったビジネス集団である。
勝つために人の100倍考え、自己管理の下に成長していこうとする姿勢が必要。仮説→実行→検証→仕組化
仕事を進める上では具体的なアクション・プランを立てることが大切。
顧客満足の最大化
楽天はあくまでも「サービス会社」である。
傲慢にならず、常に誇りを持って「顧客満足を高める」ことを念頭に置く。スピード!!スピード!!スピード!!
重要なのは他社が1年かかることを1ヶ月でやり遂げるスピード。
勝負はこの2~3年で分かれる。楽天コーポレートサイトより引用
楽天グループの沿革
以下に同社の主な沿革を記載する。
- 1997年
- 三木谷浩史氏が(株)エム・ディー・エム(現 楽天(株))を設立。
インターネット・ショッピングモールの「楽天市場」を開設。 - 1999年
- 社名をエム・ディー・エムから楽天(株)に変更。
- 2000年
- 現大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)に株式を店頭登録(上場)。
ポータルサイト『Infoseek』を運営する(株)インフォシークを買収、完全子会社化。 - 2001年
- 「楽天トラベル」「楽天ブックス」、「楽天広場(現 楽天ブログ)」等のサービスを開始。
- 2003年
- 「旅の窓口」運営元のマイトリップ・ネット(株)を買収、「楽天トラベル」と統合。
オンライン旅行サービス事業を本格展開。
インターネット専業証券会社のDLJディレクトSFG証券(株)を連結子会社化。 - 2004年
- DLJディレクトSFG証券(株)を楽天証券(株)に商号変更し、証券業界に参入。
(株)あおぞらカード(現 楽天カード(株))を連結子会社化。
(株)楽天野球団を設立。
『東北楽天ゴールデンイーグルス』の新規参入が日本プロフェッショナル野球組織(NPB)により承認。 ※新規球団の参入は50年ぶり。 - 2005年
- 国内信販(株)(旧 楽天KC(株)、現 KCカード(株))を買収、連結子会社化。
クレジットカード「楽天カード」の発行を開始
オークション事業を会社分割し、楽天オークション(株)を設立。
東京放送(現・東京放送ホールディングス)の株式大量保有報告書を提出。 - 2006年
- 楽天証券ホールディングス設立。
- 2007年
- 東京の品川シーサイド楽天タワーに本社移転。
- 2008年
- 日本のEC事業が海外展開を果たした初の事例となる「台湾楽天市場」のサービス開始。
- 2009年
- タイのインターネット・ショッピングモール運営会社TARAD Dot Com Co., Ltd.を子会社化。
電子マネー事業会社であるビットワレット(株)(現 楽天Edy(株))と資本提携契約締結。 - 2010年
- ビットワレット(株)(現 楽天Edy(株))を連結子会社化。
イーバンク銀行(株)を子会社化し「楽天銀行」に商号を変更。
社内の公用語を英語にすると発表。
米国有数のECサイト「Buy.com」の運営元であるBuy.com, Inc.を連結子会社化。
フランス最大のECサイト「PriceMinister」の運営元であるPriceMinister S.A.(現PriceMinister S.A.S.)を連結子会社化。 - 2011年
- インドネシアで、地元の現地大手複合メディア企業との合弁でインターネット・ショッピングモール「Rakuten Belanja Online」のサービス開始。
ブラジルのEC事業プラットフォーム提供企業Ikeda Internet Software LTDA.br
(現 Rakuten Brazil Holdings LTDA.)を連結子会社化。
ドイツのECサイト運営企業Tradoria GmbH(現 Rakuten Deutschland GmbH)を連結子会社化。
楽天KCを会社分割し、クレジットカード事業を楽天クレジット(株)が吸収、楽天カード(株)へと社名を変更。
ロシア最大のECサイト運営元であるOZON.ru社の第三者割当増資を引き受け、同社に出資。
英国の大手EC事業者Play Holdings Limitedを連結子会社化。
「楽天市場」の年間流通総額1兆円突破。 - 2012年
- カナダの電子書籍販売会社Koboを買収。
ブラジルの子会社、RAKUTEN BRASIL INTERNET SERVICE LTDA.がインターネット・ショッピングモール「Rakuten.com.br Shopping」をサービス開始。
マレーシアで連結子会社Rakuten Malaysia Sdn. Bhd.を設立し、インターネット・ショッピングモール「Rakuten Online Shopping」の開設準備を開始。
スペインのオンデマンド・ビデオ・サービス運営会社Wuaki.TV, S.L. を連結子会社化。
社内公用語の英語化を実施。 - 2013年
- 東京証券取引所市場第一部に市場を変更。
楽天グループのサービス
ファンクション
- インターネット市場事業
- インターネット旅行事業
- アフィリエイトサービス事業
- マーケティングリサーチ
- オンラインクーポンサービス
- クレジットカード事業
- 証券事業
- 保険サービス事業
- プロスポーツ事業
- 電子書籍サービス
- オークションサイト事業
- ポータルサイト事業
- 物流アウトソーシングサービス
- インターネット海外事業
- 銀行事業
- 電子マネー事業
- 通信事業
- 結婚情報サービス事業
楽天グループの求める人物像
楽天は、業種の垣根にとらわれることのない広範な事業活動を行っているが、中核となるのはインターネット上でのサービス展開である。
したがってまずは「何よりインターネットが好き」ということを求める人材のトップ項目として挙げている。
次に続くのが、楽天の企業理念を具現化するための基盤となる行動指針「楽天主義」の理解と共感、そして実行である。
これらの企業理念と行動指針を体現できる者が、楽天の求める社員像である。
また成長を楽しめる、「志」に向かって突き進める、自ら考え、行動を起こせる、エネルギーレベルが高い、世界を元気にしたい、といった条件も掲げられている。
加えて、話題となった「社内公用語の英語化」を実践している以上、英語力も必須と言えるだろう。
楽天グループでのキャリアパス
楽天では社員を能力に応じて7つのランク(B、BB、BBB、A、AA、AAA、執行役員)に格付けをし、格付けをステップアップすることでキャリアパスを構築していく。
格付けは勤続年数には関わらないが、成果至上主義でもなく、個人の業績や成果に加え、結果を生み出すまでのプロセス要素と、普段の行動・ふるまいなどのビヘイビア要素の、両者の調和と成長を求めており、それらを加味した上で格付け評価が行われる。
楽天グループのトレーニング
グローバル展開に注力し、社内公用語英語化も行っている楽天は、当然のことながら全社員を対象にした英語関連のトレーニングプログラムが非常に充実している。
全社員を対象に1~6ヶ月の海外研修を行う「Global Experience Program」や、ネイティブの社内英語講師を採用し、様々なレッスン形式を取り入れている「英語基礎能力向上レッスンプログラム」、日常会話やビジネス英会話、さらには業務に応じたやり取りも交えて、実践的なスピーキング力を鍛える「スピーキングレッスンプログラム」などを始め、他にも講義形式と体験型研修を組み合わせ、時間と場所を自由に選べるEラーニングシステムなど、英語力と各国の文化・ビジネス習慣を習得して世界で即戦力となる人材トレーニング制度が完備されている。
もちろん新入社員向けには、ビジネスマナーやWeb技術の基礎、営業スキルなどの幅広い研修が、中途採用者に対しては楽天の価値観理解と、早期成果発揮のための中途新人研修が、そして新任管理職には管理職・評価者に求められる役割や原則の理解とスキル習得を柱とした管理職研修と、社員の各段階、状況に応じた研修制度が設けられている。
また特にエンジニアに対しては、最先端技術の習得を主目的に、海外のカンファレンスにエンジニアを積極的に送り出す「海外カンファレンス制度」がある他、社内有志が企画・運営する技術勉強会も活発に開催し、自発的なスキル向上を推進する一助となっている。
楽天グループの社会貢献・ESG
楽天は社会的責任の遂行のため、グループおよび多くの関係会社それぞれの活動をさまざまな領域で展開し続けている。
活動の柱の一つとして、「これからの未来のために」というテーマを掲げ、主に教育分野への貢献を積極的に行っている。
以下事例。
電子ブックリーダー「kobo」の寄贈
子ども達に読書の楽しさ、素晴らしさを教えることを目的に、教育機関に電子ブックリーダーを寄贈
楽天IT学校
ネットショッピング運営実体験と電子商取引理解のため、これまでに全国40校の学校に出張して授業活動を展開
Company Tour
学生たちに社会人として働くイメージを伝えるため、キャリア教育、グローバル、ダイバーシティ、地域振興といったテーマに沿った講演会、交流会などの場を設ける企業訪問の場
楽天技術研究所
産学連携強化や情報工学系の学会への協賛活動などを行う。2005年設立
夏休み学び支援プロジェクト2012
東日本大震災復興支援と教育支援を目的とし、宮城、岩手、福島の65ヵ所の図書館・小学校に約1,000冊の書籍を配送
被災地社員ボランティア活動
現地を訪れる社員ボランティア活動を会社でサポートし、参加社員間の活動ネットワークを拡大
もう一つの柱は環境分野である。以下事例。
地球温暖化防止活動への寄付
グリーン家電購入やエコ住宅の新築・リフォームなどを行うと、その顧客に対してエコポイントが発行される。そのポイントを電子マネーのEdyに交換すると、楽天Edy株式会社が、地球温暖化防止活動を行っているNPO法人「そらべあ基金」に交換金額の0.1%を寄付
楽天証券の帳票電子交付促進による紙資源削減
楽天ブックスの梱包材エコ化推進
東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地、クリネックススタジアム宮城のゴミ分別回収・リサイクルを進めるエコボランティア活動
リサイクルを進めるエコボランティア活動
Jリーグのヴィッセル神戸と共同展開しているエコプロジェクト
グループ社員一人ひとりの活動として、紙消費量の大幅削減と、エレベーターの効率利用によるエネルギー消費削減
Project60
東日本大震災後の2011年に、一人あたりの電力使用量を前年比40%削減
エコ活動推進チーム
社員ボランティアプロジェクトから生まれた活動で、ペットボトルキャップ回収や地域清掃活動などを実施