グラクソ・スミスクライン GlaxoSmithKline K.K.
グラクソ・スミスクライン HPより
企業について
グラクソ・スミスクライン(GSK)は、世界第6位(2014年現在)の売り上げと規模を誇るグローバル製薬会社。
英国に本社を置き、医療用医薬品や一般医療関連製品などの製造および販売を行っている。
代表的な医薬品にはパキシル(抗うつ・抗不安薬)・サルタノール インヘラー(気管支拡張薬)・ゾビラックス(抗ヘルペスウイルス薬)・リレンザ(抗インフルエンザウイルス薬)などがある。
グラクソ(ステロイド吸入剤などの気管支喘息治療薬を開発)、ウエルカム(世界で初めて抗ウイルス薬の開発に成功)、スミスクライン・ビーチャム(世界的売上規模を誇る製品を開発・発売)など数多くの合併を経て2001年より現在のグラクソ・スミスクラインとなった。
2015年現在、グループ全体で世界115カ国に約10万人の従業員を擁し、「生きる喜びを、もっと(Do more, feel better, live longer)」の企業理念のもと、さまざまな疾病の克服に挑み続けている。
遺伝子研究・創薬研究・前臨床開発・臨床開発研究など、開発においては約13,000人の従業員が携わっており、これまでに5人のノーベル賞受賞者を輩出した経歴がある。
特筆すべきはワクチンで、あらゆる年代の疾患予防に対応していることもあり、その消費量から換算すると、1秒につき35回GSKのワクチンが世界中で使用されていることとなる。
日本法人は、1953年設立の新日本実業を前身とし、日本グラクソ、グラクソ・ウエルカムを経て、2001年に現在のグラクソ・スミスクライン(株)となった。
日本法人の従業員は約3000名、うち約1500名がMRである。(2015年現在)
また、子会社として一般家庭用製品を扱うグラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパンがある。
2015年にGSKのコンシューマーヘルスケア事業とノバルティスのOTC事業が統合して設立され、主なOTC医薬品にボルタレン(外用鎮痛消炎薬)・コンタック(風邪薬)・シュミテクト(オーラルケア)・アクアフレッシュ(オーラルケア)などがある。
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代表者ポール・リレット
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設立1953年(日本法人前身の新日本実業株式会社が設立)
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所在地〒107-0052
東京都港区赤坂1-8-1
赤坂インターシティAIR
赤坂インターシティAIR
News & Topics
グラクソ・スミスクラインの理念
存在意義・戦略・カルチャー
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つ、という存在意義を持った、グローバルなバイオ医薬品企業です。
私たちは、今後10年間で25億の人々の健康に貢献し、社員が生き生きと活躍しながら成長できる企業として成功することを目指しています。https://jp.gsk.com/ja-jp/company/purpose-strategy-and-culture/より引用
グラクソ・スミスクラインの沿革
2000年に英国グラクソ・ウエルカム社とスミスクライン・ビーチャム社が合併し、グラクソ・スミスクライン社(以下、GSK)となる。
共に100年以上の歴史を持つ企業同士の合併でありここに至るまでに、多くの買収、合併が成された。
以下にグラクソ、ウエルカム、ビーチャムグループ、スミスクライン、それに日本法人の沿革をそれぞれ記す。
グラクソ
- 1873年
- ジョセフ・ネーサンが、ニュージーランドにジョセフ・ネーサン社を設立
- 1904年
- ジョセフ・ネーサン社が粉ミルクを生産、販売を開始
- 1906年
- 粉ミルク製品名であった「グラクソ」を商標登録
- 1908年
- 英国進出
- 1924年
- 医薬品事業に参入
- 1935年
- グラクソ・ラボラトリーズ設立
- 1947年
- グラクソ・ラボラトリーズがジョセフ・ネーサン社を吸収合併
- ロンドン証券取引所上場
- 1963年
- 皮膚疾患治療用ステロイド剤「ベトネベート」発売
- 1981年
- 抗潰瘍薬「ザンタック」発売
- 1995年
- ウエルカムと合併、グラクソ・ウエルカムとなる
ウェルカム
- 1880年
- サイラス・バローズとヘンリー・ウェルカムがロンドンにてバローズ・ウェルカムを設立
- 1884年
- 「タブロイド」を、バローズ・ウエルカムの圧縮錠の商標として登録
- 1924年
- ウェルカム財団設立
- 1981年
- ヘルペス感染症治療薬「ゾビラックス」発売
- 1995年
- グラクソと合併、グラクソ・ウエルカムとなる
ビーチャム・グループ
- 1842年
- イギリスにてトーマス・ビーチャムが下剤を発売
- 1859年
- 英国セント・ヘレンズに世界初の医薬品専用工場を開設
- 1972年
- アモキシシリンを発見し、抗生物質製剤Amoxilを発売
- 1989年
- 医薬品大手スミスクライン・ベックマン(米)を買収、スミスクライン・ビーチャム(英)に統合
スミスクライン
- 1830年
- ジョン・K・スミスがフィラデルフィアに薬局を開設
- 1841年
- ジョン・K・スミス&カンパニー設立
- 1875年
- スミスクラインに社名変更
- 1883年
- 基礎的医薬品生産のための研究所を開設
- 1891年
- 大手医薬品卸フレンチ・リチャーズ・アンド・カンパニーを吸収、スミスクライン・フレンチに改称
- 1960年
- かぜ薬「コンタック」発売
- 1982年
- 眼科、皮膚科製品のアラガン社を買収
診断薬・機器専門企業ベックマン・インスツルメントと合併、スミスクライン・ベックマンとなる - 1988年
- ベックマン医療機器部門の分離など大規模事業再編を行う
- 1989年
- ビーチャムと合併、スミスクライン・ビーチャムとなる
グラクソスミスクライン
- 2000年
- グラクソ・ウエルカムとスミスクライン・ビーチャムの合併計画が発表される
- 2009年
- 皮膚薬を専門とする独立系製薬会社スティーフェル(米)を買収
- 2015年
- 英国グラクソ・スミスクラインが、ノバルティス(スイス)のグローバル・ワクチン事業(インフルエンザワクチンを除く)を取得。
日本法人
- 1953年
- 医薬品輸入販売会社として新日本実業株式会社設立
- 1955年
- 新日本実業が英国グラクソ社の総代理店となる
- 1966年
- スミスクライン&フレンチオーバーシーズ カンパニー日本支社設立
- 1968年
- 新日本実業が、インターナショナルドラッグハウスを設立
- 1971年
- 日本ウエルカム設立
- 1973年
- 栃木県今市市(現・日光市)にグラクソ不二今市工場設立
インターナショナルドラッグハウスが新日本実業(株)とグラクソの合弁会社となり、 日本グラクソに社名変更
ビーチャム薬品設立 - 1977年
- ウエルカム(英)と住友化学工業が業務提携。
- 1981年
- 日本ウエルカムが英国ウエルカムと住友化学工業の合弁会社となる。
- 1988年
- 新日本実業と日本グラクソが合併、 日本グラクソとなる。
- 1990年
- スミスクライン・藤沢がビーチャム薬品を統合し、をスミスクライン・ビーチャム製薬となる
- 1991年
- 茨城県筑波研究学園都市に筑波研究所を竣工
- 1999年
- 日本グラクソと日本ウエルカムが合併、グラクソ・ウエルカムとなる
- 2001年
- グローバルでの合併に伴い、グラクソ・ウエルカムがグラクソ・スミスクライン株式会社に社名変更
- 2012年
- 第一三共とともにがワクチンに特化したジャパンワクチン株式会社を設立
- 2015年
- ノバルティスファーマと両社のコンシューマーヘルスケア事業会社を統合しグラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパンを設立
グラクソ・スミスクラインのサービス
以下の研究開発・輸入・製造・販売を行う
- 医療用医薬品
- 一般用医薬品製造
- ヘルスケア製品製造
- トイレタリー製品
グラクソ・スミスクラインの求める人物像
自分で考え、行動する人材に期待
GSKの採用には、医薬品や製品を提供するだけでなく、企業理念である「生きる喜びを、もっと」に貢献する人材が求められる。
医薬品を通じて、生活の質の向上(クオリティ・オブ・ライフ)を重視し、製薬業界で働く者として強い使命感を持つことが必要とされる。
安定より変化にフォーカスし、変化の波を前向きにとらえて自ら行動を起こす人材、会社と共に成長を志す力が求められている。
特に、以下4つの「価値観」を念頭において、世の中や周囲の変化を楽しみ、前向きにフレキシブルに対応できる人がGSKにマッチするとされている。
- 「患者さん中心」であるという意識を常に持つ
- 「透明性の高い活動」で、自身の行動に責任を持ち、社会や周囲から信頼され支持されるよう努める
- 「相手を尊重する姿勢」を、常に持ち、医師や患者さんはもちろん社員同士においても相手を尊重する
- 「品位ある行動」を実践する
また、GSKでは研究職だけではなく、MR(医薬情報担当者)にも特別な専門知識が必要とされている。
同社では、希少疾患に対する医薬品情報提供に力を入れるというターゲティング・マーケティングを行っており、このマーケティング戦略が、日本の医薬品市場におけるシェア確立の要因となっている。
そのためMRにも、希少疾患にまで及ぶ、特別な専門知識が求められるのである。
グラクソ・スミスクラインでのキャリアパス
グローバルカンパニーならではの、年齢・性別・勤続年数などにこだわらない社風で活躍のチャンスが多く提供されている。
ワークショップやセミナーの開催により、社員のキャリア開発や人材育成に力を入れている企業でもある。
グラクソ・スミスクラインのトレーニング
社員一人ひとりの能力開発をもっとも重要な要素の1つとしてとらえているGSKでは、専門性・個人のポテンシャル・会社のニーズを組み合わせた研修プログラムを実施。
個人のキャリアアップへの道が大きく開かれている。
グローバル規模で実施されている「パフォーマンス&ディベロップメントプランニング」では、グローバルや社外でも通用する専門性を獲得することが可能。
会社の業績アップに大きく貢献した個人やチームを表彰する「ACE Award制度」、「社内公募制度」なども積極的に取り入れており、人材活用と個々のモチベーションに素早くこたえている。
グラクソ・スミスクラインの社会貢献・ESG
GSKでは、製薬会社として疾患を治療するだけはなく「快適な生活環境の提供」という視点から、健康な社会環境創りへ積極的に貢献しようとボランティア活動なども活発に行っている。
実際に社員が積極的にボランティア活動へ参加出来るよう「オレンジデー」と呼ばれるボランティア休暇を設置している。
2011年の東日本大震災においても、物資の搬送等のボランティア活動にGSK社員が参加。
また、教育支援として「公益信託グラクソ・スミスクライン国際奨学基金」があり、本国であるイギリスへの留学生を送り出している。
その他、以下のような活動を行っている。
- 地域社会貢献活動(復興支援、サマーキャンプの手伝い、清掃活動、他)
- 今市工場の社会貢献活動(清掃、植林、他)
- フィラリア症撲滅、マラリア対策の支援活動プログラム など