日本イーライリリー Eli Lilly Japan K.K.
日本イーライリリー HPより
企業について
イーライリリー・アンド・カンパニー(イーライリリー)は、1876年に米国インディアナ州で創業された医薬品のリーディング・カンパニーである。
世界120か国以上で事業展開しており、2011年の売上高は世界9位。
人々がより長く、より健康に幸福に、より豊かな人生を送ることができる世界を目指し、革新的な製品を世に生み出し続けている。
特に精神・神経科領域や糖尿病領域に強みを持ち、抗精神病薬の「ジプレキサ」、抗うつ薬「サインバルタ」、ADHD治療薬「トラテラ」、インスリン製剤「ヒューマリン」「ヒューマログ」のほか、骨粗鬆症治療薬「フォルテオ」「エビスタ」などを主力製品とする。
本社を米国インディアナ州に置き、世界8か国の大規模な研究開発施設で、約7,800人が研究開発に従事している。
「研究開発こそ企業の魂である」という理念を掲げており、売上高に占める開発費の比率は、米国の製薬会社の中ではトップクラスに高く、これまでに世界初の医薬品を多数開発している。
特に、世界で初めてインスリンの製剤としての実用化と、遺伝子組み替えによる製剤・ヒトインスリンの開発に成功した企業として知られており、その他、細胞内寄生菌に有効なマクロライド系抗生物質、感染症治療に用いられるセファロスポリン系抗生物質など、これまでに世界初の医薬品を多数開発している。
さらに、優れた科学的研究機関ともパートナーとして提携しており、最新の研究成果から、各治療領域で最高レベルのポートフォリオとなる医薬品をいくつも創出している。
日本では、1909年に塩野義製薬が同社の製品を発売している。
その後、1965年に日本支社設立、1975年には日本法人として日本イーライリリー株式会社が神戸に設立された。
2019年末日現在、神戸本社、東京支社に加え、西神ラボラトリーズと23の営業拠点を有し、約3,000名の社員を抱える。
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代表者シモーネ・トムセン
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設立1975年(日本オフィス)
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所在地神戸本社:〒651-0086
神戸市中央区磯上通5-1-28
LILLY PLAZA ONE BLDG.
東京支社:〒107-0052
東京都港区赤坂4-15-1
赤坂ガーデンシティ 11階
日本イーライリリーの理念
イーライリリーの理念を以下に引く。
イーライリリーの使命 – Mission
私たちは、人々が長生きし、より健康で豊かな生活を送ることができるよう、革新的な医薬品、信頼できる情報、卓越したサービスを通して、全世界でスローガンとして掲げる、「いのちの尊さにこたえます。 (Answers That Matter.)」を実践します。
日本イーライリリーのビジョン – Vision
日本イーライリリーでは、情熱と意欲に満ちた社員が革新的医薬品と意義あるソリューションを通じて最高の顧客経験を提供し、人々の人生に違いをもたらすことを目指しています。
リリーバリュー
創業時から受け継がれたリリーバリューは今も私たちの日々の活動に脈々と流れています。
「誠実さ」Integrity
「家族や友人に説明するのが恥ずかしいような行為をしてはならないし、また会社はそういう行為を社員に求めてはならない」(イーライ・リリー)この精神は「誠実を旨とし、つねに最高の倫理に従う」という行動理念として、全世界のリリー社員一人ひとりに受け継がれています。
個人の尊厳を重んじ、各人は常識に基づいた価値観を持つこと、何にもまして事業活動のどの分野においても絶対的な誠実を大切にしているのです。「卓越性の追求」Excellence
医薬品ビジネスには、絶え間ない献身と最高レベルの品質が要求されます。高まり続ける顧客の期待に応えるべく、常にエクセレンスを追求し続けます。
「人の尊重」People
イーライリリーは創業時から、人がもっとも重要な財産であり、すべての人には本質的な価値と尊厳があるという信念があります。
この方針は、現在も受け継がれ、社員や顧客だけでなく、株主、ビジネス、パートナー、地域社会を含めてリリーが関わる全ての人々を尊重する姿勢に表れています。
日本イーライリリーの沿革
1876年に米国インディアナ州で誕生。世界中の人々にとって本当に有用な薬の開発を目指したイーライリリー大佐によって創設された。
そのきっかけは1860年代、薬局を開業したばかりのイーライリリー大佐と、母親が重い病におかされていた少女との出会いであったという。
- 1876年
- 米国インディアナ州で創業
- 1909年
- 塩野義製薬が日本でイーライリリーの製品販売を始める
- 1923年
- 世界で初めてインスリンの製剤「アイレチン」を発売
- 1948年
- ペニシリンの量産化に成功
- 1964年
- 世界初のセフェム系抗生物質の開発を行う
- 1965年
- イーライリリー・インターナショナルコーポレーションの日本支社が設立される
- 1975年
- 日本イーライリリー株式会社を神戸に設立
- 1981年
- 西神ラボラトリーズ設立
- 1982年
- 世界で初めての遺伝子組み替えによる製剤であるニューマリンヒトインスリンを開発、販売
- 2004年
- 死亡リスクの高い重症敗血症の成人患者対象の治療薬「ザイグリス」を米国にて発売
- 2006年
- 再発乳がんの治療薬「ジェムザール」が米国にて承認される
- 2007年
- 閉経後骨粗鬆症の女性の浸潤性乳がん発症のリスクを抑制する「エビスタ」が米国にて承認される
- 2009年
- 経皮的冠動脈形成術を受けた急性冠症候群の患者において、血栓症による心血管系イベントを軽減する治療薬「エフィエント」が米国にて承認される
その他、多くの医薬品を開発し、承認を受け、販売している。
日本イーライリリーのサービス
以下の医薬品の発明、開発、製造、及び販売
- ニューロサイエンス領域
- 糖尿病領域
- 精神神経領域
- 成長障害領域
- 筋骨格領域
- オンコロジー領域 など
日本イーライリリーの求める人物像
イーライリリーでは、経営理念を体現できる人が求められる。
理念である「人々がより長く、より健康に幸福に、より豊かな人生を送ることができるような医薬品を製造し提供すること」などを基本に「患者に喜びをもたらすこと」が大切とされる。
そのためには
- 言われたことをすぐにやる素直さ
- 患者やドクターのために愚直に仕事ができること
- 工夫ができること
- 現状に満足せずに、自分でどんどん行動すること
- 人を大切にすること
などが重要であるとされている。
また、新卒採用・中途採用ともに医薬品業界での経験の有無は問わないとしており、パッションを持ってイーライリリーでのキャリアを積みたい人が優遇される。
何よりも情熱を持っていることを最優先としており、さまざまな分野において学習する好奇心を持ち、学習能力を発揮できる人材採用に力を入れている。
更にその他のスキルとしては、以下も重視されている。
コミュニケーション能力
問題解決にあたって異なる部門とよいパートナーシップを築き、誠実さをもって業務を成し遂げる力
粘り強さ
チームワーク、エンゲージメント、アカウンタビリティを持って自ら行動し、会社のバリューを尊重しながら、会社を成功に導く力
柔軟性
世界の流れや医薬品業界のすさまじいスピードの変化に適応する能力
また、革新的新薬を患者の元に届ける上では、テクノロジーが欠かせず、同社はIT組織としての面も持ち合わせる。そのため、ITの知識が豊富で、実績を積んだ人材も求めているとしている。
イノベーション志向を持ち、プロジェクト・マネジャーや技術者として、またはビジネス・アナリストとしての経験は重宝されるが、まずは適切な人材を採用することを第一とし、それぞれの社員に合った仕事を見つけ、長期的なキャリアパスを構築することに力を入れている。
日本イーライリリーでのキャリアパス
イーライリリーでは社員一人ひとりの長期的な活躍をサポートするための充実した制度を用意している。
実績主義でもなく、年功序列でもない、成果とプロセスの両面を重視する人事評価システム「Pay for Performance」が特徴である。
同社では、個人のキャリアの実現を積極的にサポートしており、会社への貢献度やそれぞれの能力に応じて、キャリアアップの機会が提供される。目標設定も目標達成も、自分自身で開発育成を行う管理能力のある社員がキャリアアップを果たす。
20代で課長になった人材もいる、誰にでも平等にチャンスが広がっている企業である。
また、イーライリリーでは結果だけではなく、過程も重要だとする以下のような独自の評価・報酬制度を導入している。
パフォーマンスマネジメント
各社員と上司で目標をシェアし、合意して作成された目標設定を実施する。それらの目標に対する達成度を元に昇給や昇進が決められるため、双方が納得しやすく、客観性と公平性が高い制度を実施している。
セールス変動賞与制度
半期毎に個人や会社全体の業績に応じて、変動賞与制を採用。他者との相対的な比較によって判断され、年2回の固定賞与とは別に与えられる。賞与金額については、達成度合いに対しておおよその目安が全社員に公開されるため、こちらも公平性の保たれた制度と言える。
インセンティブ・報奨制度
業績優秀者にはインセンティブプログラムや、社長から付与される賞、永年勤続表彰などの各種表彰制度を積極的に設けている。
日本イーライリリーのトレーニング
MR(医薬情報担当者)向けトレーニング
新入社員研修
入社後2ヵ月間、神戸本社にて研修制度が用意されている。
医薬品とは何か、疾患やイーライリリーの製品に関する知識などを学ぶもので、コミュニケーションスキルや営業におけるマナーはすでに持っているという前提で行われる。
製品研修
3ヵ月に1度、新しい製品知識のキャッチアップのために行われる。
MR認定試験に備えた研修
業界の専門資格である「MR認定試験」に備える研修。試験前に7日間~10日程度の合宿を行う。
STA(Short term assignment)制度
短期(半年程度)、インディアナポリス本社にて勤務をする制度。
その他の研修
入社1〜2年目の社員を対象に、プレゼンテーションや基礎能力を身に付ける研修も実施されている。
日本イーライリリーの社員の声
個人の能力を最大限に尊重する企業の姿勢に魅かれて入社する人が多い。キャリア入社を果たした社員は、イーライリリーを選んだ理由について
“実績主義でも年功序列でもなく、成果とプロセス両面を重視する人事評価システム”
にあると述べており、また、
“他業種からの転職であっても先入観なしに評価してくれる”
という声もある。
さらに、イーライリリーのダイバーシティを決め手に入社したという意見も多く、同社を選んだ理由として以下のような声もある。
“多様なバックグラウンドを持つ社員が働いている会社。”
“日本と各国の間で技術や知識の交流が絶えずあり、マインドセットにおいても常にグローバルな視点で物事を考えている点。”
日本イーライリリーの社会貢献・ESG
患者への貢献を最も重要視するイーライリリーでは、病気とともに生きる患者や、その家族の声に耳を傾けることで、彼らを支援するためのプログラムを生み出してきた。
同社では、画期的な医薬品だけではなく、病気や治療に対して理解を深めるための情報、病気と向きあう勇気、周りの人々からのサポートなどが患者を支えると考えている。
活動事例
リリー・オンコロジー・オン・キャンバス・ジャパン
絵画と写真のコンテスト。患者支援活動の一環として行われている。患者と、その支援者がそれぞれ「がん」とともに生きる想いを、芸術で表現し共有する機会を提供している。
インスリン50年賞
インスリン治療を50年以上継続している糖尿病患者に向けて、長年の努力を称える賞。また、他の糖尿病患者が治療に対して前向きに取り組めるようにと、勇気や希望を与える活動として米国で設立。1974年の創設から現在まで、米国を中心に約1500名以上の患者が受賞。日本では2003年より表彰開始。
精神障害者自立支援活動賞(リリー賞)
精神保健福祉に長年携わっている人や、障害を克服して社会参加を果たした精神障害当事者の、特にすぐれた活動を表彰する制度。
パープルリボンキャラバンへの協賛
膵臓がんの早期発見と早期治療の重要性を啓発する「パープルリボンキャラバン」を支援。
こころの病気を学ぶ授業
患者数が増加している精神疾患についての理解促進や偏見をなくすことを目的として、中学生や高校生に向けて、「統合失調症」「うつ病」などの“こころの病気”についての授業プログラムを行っている。
その他以下のような活動実績がある。
- 東日本大震災の復興支援
- 親子スクールの実施
- ACCJ関西ウォーカソンへの協賛
- 在日米国商工会議所(関西支部)実施チャリティウォークへの協賛
- 働く女性を支援する団体の活動への寄付