限界利益率
限界利益率とは、損益分岐点の算出の際に使われる指標のこと。取引の判断や取引継続の検討時に役立てられる。
まず、限界利益を説明する。
限界利益とは、売上から変動費を引いた額である。(限界利益 = 売上 ー 変動費)
簡単に販売活動に置き換えてみると、一つの商品を売ったときに得られる利益である。
たとえば、一個500円で商品を売り、その仕入れ値が350円であれば、150円が利益。この150円が限界利益である。
変動費とは、製造数量などに比例して増減する費用で、上記の例に示した仕入れ価格の他、材料費、販売手数料などが挙げられる。
限界利益には固定費分が含まれている。
生産量に関わらず、常にかかってくる費用を賄う利益である。
固定費の100%を賄える数値が損益分岐点となる。
売上額が増えるほど、限界利益も増え、その数値は高いほど良い。
また、限界利益率とは、売上全体に対する限界利益の割合のこと。(限界利益率 = 限界利益 ÷ 売上高 × 100)
先に挙げた500円の商品の販売にあてはめると、150÷500×100で、限界利益率は30%となる。
限界利益が高くなれば、限界利益率も高くなる。
また、損益分岐点も下がることから、利益が出しやすいということになる。
限界利益率から、固定費分の回収能力(=支払い能力)がわかる。(固定費とは、売上の増減に関わらず発生する賃貸・リース代、給与などのこと。)
したがって、限界利益率も高ければ高いほど良い状況という判断ができ、損益分岐点の算出の際に使われる。(損益分岐点 = 固定費 ÷ 限界利益率)
営業利益が赤字だったとしても限界利益が黒字になるのであれば、その取引量を増やすことで営業利益の赤字までをカバーできる可能性が高い。
売上がなかなか上がらないときこそ、限界利益の高さを意識した取引に注力することで、利益を確保することが重要となる。
逆に、限界利益が赤字となる取引は、損失しか生まない。取引が増えるほどに赤字幅を拡大させるので回避すべきである。
コンサルファームを受検する際に課される試験やケース面接では、あるビジネスの限界利益率を求めよ、という問題が出題されることもある。
損益分岐点などとセットで出てくることも多い概念であるため、用語の定義や計算式は事前にしっかりと把握しておいたほうが良いだろう。
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