税理士法人
税理士法人とは、税理士業務を行う者(税理士)を社員とする合名会社(※1)に準ずる特別法人(※2)。
平成13年(2001年)の税理士法改正により、創設された法人制度のこと。
以前は、税理士は個人で開業するか、税理士事務所や企業に所属して勤務するかで、各案件は税理士個人で請け負っていた。
法人化制度は、税理士の業務の安定化と納税者(依頼者)の利便性の向上を図る目的で制定された。
昨今は外国の税金、企業の合併、事業継承や相続など、案件内容が、より複雑化、高度化、大規模化し、個人では対応しきれない案件が増えている。
税理士個々の専門分野の知識や経験を持ち寄れるため、より高度な業務の提供が可能となる。また、各地に事務所の支店を持つことができるため、組織の大型化が可能となり、対応地域も広くなる。
個人事業の税理士に病気、事故などの不測の事態が起きることは、税理士にとっても、依頼者にとってもリスクとなる。法人化により、引継ぎやナレッジの継承がしやすくなることは大きなメリットである。
税理士法人の種類としては、監査法人系税理士法人、地域総合税理士法人、特化型税理士法人などがある。
【法人化の要件】
「社員は、税理士資格を取得した者でなければならない」
「2名以上の社員(税理士資格を持つ者)の所属が必要」
事務所の設置、定款にかかる変更等の届出、成立の届出、処分規定の適用が義務として課される。
税理士が行える業務内容については、個人、事務所、法人に差異はない。税理士業務、記帳代行などの会計業務、税務相談、財務省で定める業務(定款規定の上)などを行う。
税理士法人化により、経営財務面でのメリットもある。
- 源泉徴収手続きは不要
- 経費計上できる範囲が広くなる
- 退職金がある(納税額を抑制)
- 消費税を納める義務が免除される可能性(条件あり)
- 繰越欠損金(個人事業の繰越期間3年から法人の繰越期間10年へ延長)
税理士法人では、税務に関するアドバイザリーはもちろんのこと、そこから派生した関連分野のコンサルティングを行っていることも増えている。
税理士以外の募集を受け付けていることもあり、志向によっては、これらの税理士法人内のコンサルティング部門へチャレンジすることも有力な選択肢となる。
※合名会社…出資者(社員)の全員が責任を担う
※特別法人…特別の目的のために設立が許可される法人形態
用語集一覧へ戻る 【転職無料相談】キャリア設計や転職にご関心をお持ちの方は、こちらよりお問い合わせください