システム思考
システム思考とは、複雑な問題をシステムとして捉え、解決策を見出すための考え方である。
複雑な状況下でも、課題を表層的に捉えるのではなく、全体を俯瞰し、変化にもっとも影響を与えている本質の原因を見極める。
さらにさまざまな要因のつながりとの相互作用を把握することで、最適解を選択するのがシステム思考である。
もともとは、工学分野の理論研究で見出されたシミュレーション分析の手法であり、その研究に携わったピーター・センゲ氏が、自著の「学習する組織」の中で、ビジネスに活用できる思考法として説いたものである。
システム思考の有効性として、以下の点が挙げられる。
- 多様化、複雑化の進むビジネスにおいて、しっかりと現状把握をする。
- 継続的な価値創造が求められる中で、視野を広げ新しい発見ができる。
- 人との関わりでも共通認識が得やすくコミュニケーションを促進する。
システム思考で考える際にはいくつかのツールが使われる。
主要なものとしては、「氷山モデル」「ループ図」がある。
「氷山モデル」
ものごとの発生を氷山の一角と捉える。
水面上に現れる(=発生したことがら)ものは、水面下に隠れる土台を変えなければ解決することはできない。
水面下にあるものとは、「行動パターン」である。その下層に、行動パターンを作り出している「構造」、つまり環境や状況のシステムがある。
さらにその下層に「意識・無意識の前提や価値観」がある。それぞれを明確に認識することで、変化させるべき部分を見極めることができる。
「ループ図」
システム思考は、流れを図式化すると、より考えやすくなる。その際に使われるのが、ループ図である。
システムの構成要素を矢印と曲線でつなぎ、事の流れと再現性を把握する。
プラス循環の場合は、拡大していく「自己強化型ループ」となり、マイナス循環であれば、収束していく「バランス型ループ」を形作る。
旧来的なフレームワークでは解決できない問題が増えてきたことから、システム思考を積極的に取り入れ、クライアントの問題解決に活用しているファームも存在する。
面接においては、「この人はシステム思考ができるかどうか?」という観点で評価されることはほとんどないが、「システム思考」という言葉が出てきたときに、話を理解できるほどの基礎知識は押さえておきたい。
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