サステナブル(Sustainable)/サステナビリティ(sustainability)
本来、サステナブル(Sustainable)とは「持続可能な」という意味をもつ。この言葉は環境保護、社会正義、経済成長の三つの側面を織り交ぜた持続可能な開発を表すために広く使用される。これは、私たちの現在の生活スタイルや経済活動が、将来の世代の生活や繁栄を危険にさらすことなく、長期にわたって続けられるかどうかを問うものである。
サステナブル(Sustainable)に対し、その名詞形であり「持続可能性」を意味するサステナビリティ(sustainability)と共に、近年世界で最も重要視されている概念の一つである。
国連では、「Sustainable Developmentとは、将来世代のニーズに応える能力を損ねることなく、現在世代のニーズを満たす発展」と定義している。
人類のことだけを考えて経済や技術の発展を求めることをやめ、地球上で共存している他の生態系(自然、動物、植物など)にも配慮した発展を目指すことに転換する重要性が強調され、世界的に合意されたものである。
このSustainable Development(持続できる開発)の提唱が、「サステナビリティ」という概念の社会的な認識のきっかけとなり、サステナビリティは、地球に在る生命体の一つである人類の共通課題として広く認知されている。
現在では、地球環境の持続性だけなく、社会経済システム、企業存続の持続に対する概念としても浸透している。
環境の側面から見ると、サスティナブルとは、自然環境の破壊を防ぎ、生物多様性を保護し、地球の生態系が安定した状態を維持できる方法で行動することを意味する。具体的には、化石燃料の消費を減らし、再生可能なエネルギー源を利用したり、廃棄物を減らしリサイクルを促進したりすることである。
社会的側面においては、サスティナブルとは公平で公正な社会を目指すものである。これは、人々が健康で満足な生活を送り、教育と良い生活条件を享受できる社会を意味する。
また、人々が自分たちの潜在能力を最大限に発揮できる機会を確保することも含まれる。
経済的側面においては、サスティナブルとは、経済成長が持続可能であり、今後も利益と雇用を生み出すことができるということを意味する。場合によっては、社会的公正と環境保護のために一時的な利益を犠牲にすることが求められることもあり得る。
したがって、「サスティナブル」は単なる「持続可能」以上の意味を持つ。それは我々が自然環境を尊重し、社会を公平にし、経済を持続的に成長させるための行動を取ることを求める、包括的な概念である。
しかし、近年は「人間社会の文明・経済システム・地球環境の持続可能な発展」など、自然環境の維持に役立つ開発や自然環境に配慮した行動などを指す意味合いで一般的に用いられる言葉になった。
1987年国連で開催された「環境と開発に関する世界委員会」の報告書「私たちの共有の未来」という中でサステナブルという言葉が使われ始め、2015年の国連サミットで「持続可能な開発のためのアジェンダ」が採択され環境用語として広まった。
「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」がサステナブルの言葉の背景にあり、今さえ良ければいいという考えではなく、人々の活動が自然環境を持続可能で、人類社会においても持続可能な発展をもたらすものでなければならないという考えが根底にある。
SDGsをはじめ、サステナビリティに関連するコンセプトへの注目が高まる昨今、企業も社会の一員として、サステナビリティに関し一定の責任を果たすことが求められるようになっている。
自社の事業活動やサステナビリティな取り組みを情報発信することにより、社会からも共感の得られる企業となり、企業レベルでの存続・発展(サステナビリティ)につなげているとも考えられる。
これが企業が発信するCSRにも関連してくる所以である。この企業レベルの持続性や発展性を指してサステナビリティという用語が使われることも増えている。
自社の事業活動が、環境や社会にマイナスの影響を与えないように配慮することはもちろん、多くの企業が、自然、エネルギー、水、食料、貧困などに配慮する活動を展開している。
サステナビリティは企業のトップマネジメントの重要な課題として認識されるようになっており、戦略立案の際には無視できない概念となっている。
これに伴い、多くのコンサルティングファームが、企業のサステナビリティへの対応に助言や伴走を実施するようになっており、多くのファームでは「サステナビリティ推進室」などが新設され、戦略立案の中核を担う存在となっている。コンサルファームを受験する際には昨今のビジネスシーンにおけるサステナビリティの重要性を把握しておくことが必要である。
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