社会起業家
社会問題解決を目的としたビジネスを行う起業家
社会起業家とは、社会問題の解決・貢献を目的として、ビジネスを行う起業家である。ソーシャル・アントレプレナーとも呼ばれる。
社会起業家が立ち上げた事業をソーシャルビジネスと呼び、解決する社会問題は、国際協力や教育、環境や福祉など多岐にわたる。社会起業家の起業形態は、株式会社や合同会社、一般社団法人など多様である。
経済産業省は、社会起業家が起ち上げる事業(ソーシャルビジネス)に関して3つの定義を掲げている。
社会問題を解決するものであること
現代社会が抱えるさまざまな問題に対し、何らかの方法で解決に導く事業を行うこと
利益を上げる事業であること
社会問題の解決を事業として掲げ、利益を上げて自社の資金で活動を続けていくこと。運営形態自体は一般企業と共通する
新たなビジネスモデルであること
これまでにはない革新的な方法で社会問題への解決に切り込み、新たな社会の改革を行う事業で、従来では実現しえなかった解決方法を見出す
また、以下に海外における社会起業家の定義を紹介する。
スタンフォード大学の起業家精神研究センターは、社会問題解決のために、伝統的なビジネススキルを用いて革新的なアプローチを考え出し、個人的よりむしろ社会的な価値を創造する人を社会起業家だと定義している。
またアメリカミネソタ州の社会起業家研究所では、投資に対する経済的なリターンと社会的なリターンを同時に追い求め、社会的な目的を達成するために自ら事業で稼ぎ出す戦略をとる人だと定義している。
社会起業家に関するさまざまな定義に共通しているのは「社会問題を事業活動によって解決する者」という概念である。社会起業家は、事業活動により革新的かつ持続可能な新たな社会的価値を創出する者といえる。
社会問題を解決する手段としてソーシャルビジネスを選択する社会起業家が増加傾向にある。イギリスでは2012年以降、約5万8000だった社会問題解決に取り組む企業数が約74万まで増加し、日本でも2008年時点で約8,000社だった企業数が約20万5千社まで増えている。
社会起業家はこれまで、公益法人やNPOといった非営利組織において盛んに活動を展開してきた。しかし、近年は国や行政から保護されていた団体が民営化されてきているため、事業活動で継続的な収益を確保することが難しくなっている組織も少なくない状況だ。
社会問題の解決に対し強い志や情熱を持っていたとしても、持続的に事業として成功させるには、綿密な事業計画や戦略立案、マーケティングなどが必要になる。一般企業と同様に地盤をつくり社会に事業を広く認識してもらうことも欠かせない。
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