株式交換
株式交換とは、自社株式と引き換えに、買収対象企業の全株式を取得し100%子会社化すること、またはその制度。
M&Aの手法の一つとして世界中で広く知られる。英語ではShare Exchange。
株式交換を経て子会社となる企業は株式会社に限定され、親となる会社は株式会社以外では合同会社も可能だが、合名・合資会社などはできない。
また、外国に籍を置く企業と、日本国内の企業との間での株式交換はできない。
株式交換を用いて企業の子会社化を目指す買い手企業は、ほとんどの場合が上場会社である。
株式交換は、組織再編の手続であり、従来の企業買収よりも迅速かつ容易に行えるのが特徴である。
株式交換の仕組みは、1975年にアメリカで公式に導入された法制度が始まり。日本では1996年にアメリカの制度を基にして作られ、商法改正に伴いスタート、2005年以降は会社法に組み込まれている。
株式交換を行うメリットは多様に考えられるが、代表的なのは(1)買収資金が不要であることや(2)期間短縮ができることなど。
(1)買収資金が不要
一般的な企業買収の場合、買収を目指す企業が対象となった企業の株主から株式を買い取る形で行われる。
例えばA社がB社の完全子会社化を目指す場合、B社の株式100%を取得する対価として、A社は自社株、または新株を発行しB社に提供する。
この流れにおいて資金は必要とせず、また買収する側の株価が高い場合は、現金で買収するよりも安価での買収が可能になるケースが多い。
仮にBの株主の一部が、株式交換に反対しても、株主総会の特別決議により3分の2の承認が得られれば良い。
議会で反対した株主に対しては 株式買い取り請求権が発生し、反対した株主が所持する株を公正な価格で買い取らなければない。
そうなった場合は、資金を掛けずに子会社化とはならず、株式買取り資金が必要となる。
(2)期間短縮
従来の企業買収のやり方では、完全子会社を目指す企業に株主が複数いる場合、株主それぞれに買収交渉を行う必要があり、手間と時間が掛かる。
しかし、株式交換には強制力があるので、個別に交渉するのと比べて買収完了までの期間を大幅に短縮できる。
株式交換は、株式移転に近しいM&Aの手法として知られるが、株式移転では親会社の新設が必要になるなど、相違点も多い。
このような用語の違いについて事細かに聞かれることは多くないとはいえ、戦略系や財務系、事業再生系コンサルファームにおいて、M&Aは頻繁に扱われるテーマであるため、これらのファームを受検する際は、第三者割当増資、事業譲渡や合併など、M&Aに関連する用語については押さえておいたほうが良いだろう。
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