責任投資原則(PRI:Principales for Responsible Investment)

責任投資原則(PRI)とは、投資活動において環境、社会、ガバナンス(ESG)の問題を考慮することを目的とした国際的な取り組みである。この取り組みは、2006年に国際連合(UN)と世界の機関投資家との協力の下で創設された。

その内容は、投資家に対し企業の分析や評価を行う上での長期的な視点を持ち、ESG情報を考慮した投資行動をとることを求めるものだ。
事務局所在地は英国にあり、世界の5220の機関が署名している。日本では年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)をはじめ、119の機関が署名した(2022年10月時点)。PRIに署名する機関投資家は、これらの原則に基づき、持続可能な投資の推進を約束している。

以下は、責任投資原則の6つの原則である。

  • 1:投資分析と意思決定のプロセスにESGの視点を組み入れる
  • 2:株式の所有方針と所有監修にESGの視点を組み入れる
  • 3:投資対象に対し、ESGに関する情報開示を求める
  • 4:資産運用業界において本原則が広まるよう、働きかけを行う
  • 5:本原則の実施効果を高めるために協働する
  • 6:本原則に関する活動状況や進捗状況を報告する

PRIに対する関心の高まりや署名する機関が増え続けている。その背景には、ESGへの関心の高まりや、持続可能な投資がビジネスのリスク管理や価値創出に寄与するとの認識が広がってきたことが挙げられる。
これらのことを勘案すると、今後もPRIの重要性や影響力は今後も増していく可能性が高い。特に、気候変動、資源の枯渇、社会的不平等といった緊急の課題が増える中で、投資の意思決定においてこれらの問題を考慮することが一層求められるであろう。
また、投資家やステークホルダーからの要求に応えるため、企業もまた、より透明性のある情報開示や持続可能な経営戦略の実施を進めることが予想される。このような動向の中で、PRIは持続可能な投資の推進という目的の下、その枠組みや指針としての役割を強化していくことが期待されている。今後、ESG投資が主流となっていく中で、経営戦略立案時に、PRIの原則は押さえておく必要がある。

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