オープンイノベーション
オープンイノベーションとは、企業が外部からイノベーションを生み出すアイデアや開発技術力を取り入れようとする施策、経営戦略の一つである。
多くの企業が、新しい技術、事業、商品、サービスを生み出すための専門の研究開発部門を設けている。
日本企業は、自社の持つリソースのみで新しいものを創り出そうとするクローズドイノベーションの傾向が高かった。このことが長く日本が競争力を維持していた源にもなっていた。
しかし、社会ニーズの多様化は進み、商品やサービスに、今までにない付加価値を求める傾向も高まっている。
また、商品やサービスを生み出しても、そのライフサイクルはさらに短期化している。企業を存続させるためには、次々に新しい商品やサービスを生み出していかなければならない。自社だけでは到底追いつけない状況を抱える企業が増えている。
自社の力だけでイノベーションを固持するのではなく、社内全体からアイデアを公募したり、社外からの開発力の提供を募ったりして、幅広い知見と能力を組み合わせる必要が出てきているのである。
新たな価値を創り出すための有効な手段として、オープンイノベーションを導入する日系企業も増加し始めている。
具体的なオープンイノベーションのスタイルには2種類ある。
新規事業についてのある程度の外枠は決まっていて、自社に足りないリソースを外部に頼るタイプのインバウンド型のオープンイノベーション。
もう一つは、自社の持つ技術やリソースを公開して、新たなビジネスアイデアを募るタイプのものである。
オープンイノベーションによって、事業推進の加速化、多様化するニーズへの対応力の向上、新しい技術や能力の蓄積、長期的に見たコスト削減効果が期待できる。
しかし自社技術が外部に流出する危険性とは隣り合わせとなり、そもそもの自社開発力が落ちてしまうという懸念も伴う。
またオープンイノベーションの推進には、適任の人材を配置することも企業の課題となる。
コンサルファームは外部とのアライアンス等を進めていく仲介役として、オープンイノベーションを推進する立場となることも多い。
昨今耳にすることも増えたオープンイノベーションではあるが、実際に各企業がどのような取り組みをしているのかといった具体的なレベルで理解をしておくことが望ましいと言えるだろう。
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