経営戦略
経営戦略とは、ある企業が目指す姿(To be)を定義したうえで、現状(As is)とのギャップを踏まえ、目指す姿にどのように到達すべきかの道筋を描いたものである。
なお経営戦略というと経営レベルでの戦略(CEOアジェンダなどといわれる全社の方向性にかかわるテーマ)のものを指すことが多いが、事業戦略などと呼ばれる事業部ごとの戦略を指して使われることもあり、文脈によって内容が変化する。
経営戦略より細かいレイヤーの話として、マーケティング戦略やSCM戦略、M&A戦略など、大元の経営戦略を実現するために必要な戦略が存在する。
経営戦略を策定していくにあたっては、目指す姿を定義すると同時に、自社の現状を把握することが必要になる。
目指す姿は財務的な目標の場合もあれば、「社会から尊敬されるイノベーティブな会社」といったようなものも含まれ、多くのケースでは複数の目標から構成される。
一方自社の現状については、3C分析などに代表される市場分析や、顧客へのヒアリング、競合ベンチマークなどを通じた客観評価を行って把握していく。
それらを踏まえ、ありたい姿と現状のギャップを生み出しているボトルネックをいかに解消していくかを定める。
なおギャップの解消に向けては、現状をベースにしたオーガニックな取り組み(新規顧客の開拓、新規需要の開拓、オペレーション効率化等)だけでは解決できない場合も多く、そうしたケースではM&Aなどのインオーガニックな取り組みも戦略に盛り込んでいくことになる。
経営戦略は最終的に実現される必要があるため、作るだけでなく、実際のアクションプランに落としこむことが必要になる。
コンサルティングファームの場合、最初から実行部隊を巻き込んでアクションプランを描きに行くケースもあれば、実際にPMO(プログラムマネジメントオフィス、実行のオーガナイザー)をアサインして継続的に支援する場合もある。
後者の方がより実行力を担保しているが、顧客サイドからすると継続的にコンサルティングを雇うコストがかかることを意味する。このあたりの考え方はコンサルティングファームでも企業によって異なる。
上述の経営戦略立案の流れをインプットしておくと、ケース面接で「○○社の戦略を考えよ」と言ったお題が課された際に回答を作る上で役に立つ。
自社の現状把握が重要であるのはもちろんのこと、競合の分析を忘れてしまうことも多いため、注意が必要である。
また、経営戦略と事業戦略の違いなど、似ているようで異なる「戦略」の違いについてもしっかりと押さえておく必要があるだろう。
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