LOI
LOIとは、Letter of Intentの略称で、日本語では[基本合意書]と訳される。M&Aの交渉過程で、当事者同士が交わす書類の一つである。
想定買収価格や条件等、それまでの交渉で合意した事項が記載されており、その後の交渉の方向性を絞り込む目的で利用される。
尚、類語に「MOU(Memorandum of Understanding:了解覚書)」がある。名称は異なるが、両者の目的や効力に差異はない。
LOIに記載される主な内容は以下の通り。
- 当事者の基本情報
- 取引の基本条件
- 想定される買取価格
- 支払い方法
- 今後のスケジュール
- 秘密保持の義務
- デューデリジェンスの権利
- 独占交渉権の期間
LOIの中でも特に重要な内容が、デューデリジェンスの権利と独占交渉権の期間設定である。
デューデリジェンスとは、買い手が買収対象企業の実態を事前に把握し、価格や取引について適切な判断をするための調査を指す。日本語では「買収監査」と訳される。
デューデリジェンスの結果は最終的な買収額にも大きな影響を与え、場合によってはM&Aそのものが消滅することもある。
独占交渉権とは、買い手に与えられる、売り手との独占的な交渉権のことである。複数買い手企業との交渉による買収価格のつり上げを防ぐ為に設定される。独占交渉契約締結中は、他の買い手候補との一切の接触が禁じられる。
期間は案件によって異なるものの、一般的に2〜6ヶ月程度である。
デューデリジェンスと独占交渉権が記載されているLOIは、M&Aの交渉内容を大きく左右する重要な書類である。
コンサルティングファームの面接において、LOIについて議論することは稀だが、入社後の基礎知識の1つとして知っておくと良いだろう。
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