終身雇用
終身雇用とは
終身雇用とは、正社員として入社すれば、定年までその企業に雇用されることを指す。終身雇用すべきとする法律やそれを約束する雇用契約はないものの、「企業労働組合」や「年功序列」と並び、長きにわたって日本型雇用として確立されていた。
終身雇用のメリットは、「雇用の安定」と「企業と労働者の間に信頼関係が築かれる」点にある。従業員は、安心・安定の生活を長期的に維持でき、企業と労働者の信頼関係も強くなる。長く働いてもらうことができるため、企業にとっては戦力確保が可能となる。そのため、育成プランも構築・適用しやすく、さらなる熟練度の向上や育成を図りやすい。
終身雇用の衰退
長い間、慣例化していた終身雇用も、1990年代のバブル崩壊後に衰退を始める。大手企業が次々と成果主義への転換を図り始めたことが一因である。21世紀には転職による流動も活発化し、一つの企業で労働人生を終える人材のほうが珍しくなっている。
終身雇用がマイナスイメージの理由
現在では「終身雇用」はマイナスイメージが強いが、以下がその要因として挙げられる。
- 労働意欲が起こりにくい
働けるのが当たり前の風潮は、安心感がある一方で、危機感や向上心を湧かせない。 - 労働能力の固定化
その企業内にしか通用しない仕事の熟達に限定されやすい。
事業の撤退やリストラなどが起きても、社外で通用する能力やスキルが身に付きにくい。 - 社会の変化への適応能力が低くなる
変化に柔軟に適応できない社員の集まる組織もまた、変化に弱い。
社会情勢や環境が目まぐるしく変化する中で、変化に対応できない企業は衰退していく。 - 女性従業員の確保ができない
女性は、男性に比べると出産や育児などのライフステージの影響度合いが大きい。
終身雇用を前提とする経営や制度は、女性労働者確保を難しくする。 - 全体として、成果や生産性が低下する
ひとたび、雇用となれば、企業も従業員も機会が限定される。
本来の強み、ポテンシャルの発見の機会を得られず、成果や生産性の最高値が低くなる。
コンサルファームに入って担当するクライアント企業は、多くの場合フィーを支払う余力のある中堅~大企業である。コンサルファームは終身雇用と無縁の世界だが、クライアント企業はいまだに終身雇用の名残から抜け出せない企業も多い。コンサルタントになるとそのような企業に対峙していかなければならないため、改めて終身雇用の問題点などについて把握しておくと良いだろう。
用語集一覧へ戻る 【転職無料相談】キャリア設計や転職にご関心をお持ちの方は、こちらよりお問い合わせください