企業年金
企業年金とは、企業が従業員(元従業員)に対して、将来的に年金を支給するための制度である。
日本の年金制度には3段階が設けられている。
全国民が対象の基礎年金としての国民年金。
得ていた報酬によって支給額が決まり、国民年金に上乗せされる形で支給される厚生年金。
そして、3つ目が企業年金である。企業年金も国民年金と厚生年金にさらに上乗せして支給されるものである。
企業年金は、従業員の将来的な資産確保や運用のための、雇用時のオプション的待遇(福利厚生の一種)と位置づけられる。
企業年金の制度には、大きく分けると「確定給付年金」「確定拠出年金」「厚生年金基金」の3つがある。
「確定給付年金」には、規約型と基金型がある。
企業が定める規約(厚生労働省へ届出)に基づいて、従業員の合意のもと提携金融機関などが運用や給付を行うのが規約型である。
給付額が確定しているのが特徴であり、現状はもっとも普及率の高い制度となっている。
基金型は、企業が基金法人を設立し管理、運用、給付までを行う。
「確定拠出年金」には企業型と個人型がある。
積立金額を企業が設定、従業員の合意のもと、企業負担・運営する「企業型」が企業年金にあてはまる。給付額は運用によって変動するため、従業員への投資教育も必要となる。
国の財政、経済情勢、雇用環境などの懸念から、個人型年金の活用も一般化してきている。
「厚生年金基金」は、運用により利益を出すことが難しくなっているため、2014年より国は新設を不可としている。多くの企業が確定給付年金への移行を進めている。
企業年金の制度の制定は、企業にとって義務ではない。年金制度は、企業にとっても資産運用の一手となるが、大きな負担を伴うため、企業の財務能力などの状況を鑑みて、導入検討を行う必要がある。
一方で、従業員の将来的な資産形成を支援する福利制度として、従業員や求職者の関心は高い。人手不足の中、人材を確保していくための対策の一つにもなり得る。
企業年金に関するコンサルティングは、組織人事コンサルファームのサービスメニューにおいて代表的なものの一つである。
昨今のコストカット及び退職年齢の延長といった背景から、退職金制度の導入・変更・統合などに対するニーズは高まっている。
組織人事コンサルファームを受ける際には、企業年金に関してどのようなプロジェクトを行っているのか事前に確認しておくと良いだろう。
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