コアコンピタンス
コアコンピタンスとは、企業独自の強力な強みでありその事業運営の核となる能力を指す。
アメリカの経営学者ゲイリー・ハメル氏と経営大学院教授C・K・プラハラード氏が共同で提唱した概念である。
コアコンピタンスは、以下の3つの条件を満たしているものである。
- 競合他社に真似されにくいものであること
- 顧客に対して、価値や利益を提供できること
- 複数の商品やサービス、市場での展開が可能なこと
コアコンピタンスとなる自社能力としては、業界、業種、事業内容、各企業によってさまざまな種類が考えられる。
たとえば、ビジネスモデル、技術開発力、業務プロセス、組織力、生産方式、ブランド力、販売力、マーケティング力、人材力、物流ネットワークなどが挙げられる。
大手企業の例を挙げると、トヨタ自動車であれば生産システム、多層膜塗布技術というコアコンピタンスのもとに生き残りを果たした富士フイルムは多事業化に成功している。味の素の継続的経営を支え続けてきたのは同社のアミノ酸応用技術であった。世界的に長きにわたり成長をし続けてきた企業の多くが、自社のコアコンピタンスを明確にし、活かし、さらに磨きをかけてきた企業である。コアコンピタンスが持てれば、社会ニーズや経済情勢の変化にも順応しやすくなる。
コアコンピタンスを分析するには、以下の視点に着目していく。
- 模倣可能性(Imitability): 真似されにくいものかどうか。
- 移動可能性(Transferability): 複数の商品やサービスにも応用が利くものか。
- 代替可能性(Substitutability): それでなければならないという唯一性を持っているか。
- 希少性(Scarcity): 手に入れにくいという希少価値があるか。
- 耐久性(Durability): 長期にわたり、継続的に維持していけるものか。
コアコンピタンスを得るには、まずは、長期的なビジョンを明確に描くことが重要となる。その上で、自社が持つ有効な経営資源を組み合わせてその能力を創り上げていく。継続的に実践、分析を繰り返しながら、コアコンピタンスとして強化していく。
コアコンピタンスは、経営戦略に関する基本的な用語の一つである。
戦略系ファーム、総合系コンサルやシンクタンクの戦略コンサルティング部門など、経営戦略にかかわるアドバイザリーを行うコンサルティングファームを受ける場合には、必ず押さえておきたい用語の一つである。
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