貸借対照表(B/S)
貸借対照表とは、一会計期間の資産状況を示す財務諸表の一つである。バランスシート(ビーエス)とも呼ばれ、B/Sと表記されることもある。
当該企業では、どのように資金が調達され、何に投資したのかという資金運用状況がわかる。損益計算書やキャッシュフロー計算書とともに作成される重要な決算書である。
貸借対照表は、左側に資産全体、右側にその資産の内訳となる負債と純資産で構成される。常に、「資産」=「負債」+「純資産」が成り立つ(バランスが取れている)必要がある。
資産項目では、決算時に資産として何を持っているのか、資金を何に投資したのかかわかる。流動資産と固定資産、繰延資産(創立費)があり、この順番で計上される。
■流動資産
一年以内に現金になりやすいもの。現金、受取手形、売掛金、棚卸資産、有価証券など。
■固定資産
換金されにくいもの。土地、建物、大型設備・機械、車両、投資有価証券など。
負債は、企業外からの調達資金であり、返金する必要のあるものである。つまり、どのようにして資金を集めたのかかわかる。流動負債と固定負債とに分けられる。
■流動負債
一年以内に返す必要のあるもの。買掛金、短期借入金、未払金、支払手形など。
■固定負債
支払いまでの猶予が一年以上のもの。長期借入金、社債など。
純資産は、総資産と負債の差額となる。総資産のうち、将来的に返す必要のない正味の資産となる。株主資本とそれ以外のものに分けられる。
■株主資本
資本金、資本剰余金、利益剰余金、自己株式など。
■株主資本外
有価証券評価差額金、新株予約権、繰延ヘッジ損益など。
貸借対照表は、損益計算書で計上される当期純利益で関連する。損益計算書における当期純利益が、貸借対照表の利益剰余金と一致することになる。
企業の安全性は、自己資本比率で見ることができる。
「自己資本比率」=「自己資本(純資産)」÷「総資産」×100
50%を超えているのが理想とされる。
企業の支払い能力は、流動比率や当座比率で見ることができる。
「流動比率」=「流動資産」÷「流動負債」×100
150%を超えているのが理想とされる。
「当座比率」=「当座資産」÷「流動負債」×100
90%を超えているのが理想とされる。
※当座資産とは、流動資産から棚卸資産を差し引き、貸倒引当金を含めた額。
財務系コンサルファーム(FAS)や戦略系ファームを志向する場合は、入社後も財務諸表を読む機会が多いため、損益計算書やキャッシュフロー計算書と併せて、それぞれの項目が何を意味するのか、それぞれの項目からどんな指標が導き出せるのか理解できるようにしておいたほうが良いだろう。
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