アマゾン・エフェクト
アマゾン・エフェクトとは、ネットショッピング事業の大手である米Amazonの急成長・大躍進が市場に及ぼしている影響のことを指す。Amazon効果ともいう。
Amazonの生み出すサービスは、同業のEC企業だけでなく、さまざまな産業に変革をもたらしている。消費者のネットショッピングへの移行がますます拡大していく中で、リアル店舗を持つ流通・小売業界の市場は急速に縮小し始めている。流通業界では、業績不振と株価低迷に陥り、結果的に閉鎖に追い込まれている企業も少なくない。
おもちゃチェーン店のトイザらスやウォルマートなどの大手であっても、甚大な打撃を受けている。アパレルではGAPが大規模な店舗閉鎖に追い込まれた。この他、リアル店舗を持つ、書店、家具・インテリア、文具、ファッションなどあらゆる小売業が影響を受けている。
米投資情報会社のビスポーク・インベストメント・グループは、Amazonの影響を受け、収益低下が見込まれる株式銘柄に対する「アマゾン恐怖銘柄指数(Death by Amazon)」を設定している。
Amazonの市場は世界規模であるため、その影響を受けるのは、日本も例外ではない。懸念があるのは、ショッピングモールのイオン、アパレルでは世界的にリアル店舗を展開するユニクロなど。また、Amazonがミュージックや動画配信のサービスを開始したことでTSUTAYAなどの企業へも大きな打撃を与えている。書籍関連では、丸善やBOOK OFFの低迷もみられる。家電量販店チェーンでは、商品価格の低下傾向が続いている。
Amazonの影響は、小売業だけに留まらない。クラウドサービスのAWS事業が開始されたことで、大手を含め数多くの情報通信企業が大きな打撃を受けている。また、ネットショッピングに欠かせない運輸・運送業界にも大きな変革をもたらし始めている。
Amazonの存在は、世界経済に大きな影響を与えており、経済動向すら変える力を持っている。ネット販売における市場競争が激化したことで、価格変更の頻度が増し、地域差のない価格の一定化も浸透している。
このように現代のビジネスにおいて、あらゆるジャンルにおいて影響力が無視できないまでに成長したAmazonの影響は、コンサルティングファームの面接で課されるケーススタディでもたびたび取り上げられるテーマである。コンサルティングファームを受ける場合は、Amazonに限らず、GAFA(Google, Apple, Facebook, Amazon)と呼ばれる巨大なプラットフォーマーが現代ビジネスに及ぼす影響について一度整理しておくと良いだろう。
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