クニエが「国連機関・国際開発金融機関ビジネス参画支援サービス」を提供開始
コンサルティングファームの株式会社クニエ(以下、クニエ)は、企業の国連機関・国際開発金融機関(以下、国際機関)ビジネスへの参画を一貫して支援する「国連機関・国際開発金融機関ビジネス参画支援」サービスを2023年7月より開始することを発表した。
日本政府は、国際機関(特に国連及び世界銀行をはじめとする国際開発金融機関)に対し、分担金・拠出金において多大な貢献をしているが、これらの機関が実施・資金提供を行うプロジェクトにおいては日本の民間企業の受注が非常に少ないのが現状だ。また、日本の民間企業は新興国・途上国ビジネスの多くを日本のODA(政府開発援助)に強く依存している。しかし現在、政府は「日本の経済・財政状況が厳しい中、限られた予算の中でより戦略的な援助を実施する」方針をとっていることから、規模の観点でこれまでのような国際的なプレゼンスを発揮することが困難になっている。クニエは、日本企業が優れた製品・技術を活かし、途上国においてビジネスと社会課題解決を両立する機会を得るためには国際機関の案件受注が欠かせないとする。その一方、これら国際機関とのビジネス推進方法については入札プロセスの複雑さや日本政府との慣習の違い等に対する深い知識や語学力が求められるものの、日本では専任の営業部門を有する企業は極めて限定的であるのが現状だ。また、国内や近接国では著名な企業や技術であっても国際機関での認知度が低いために採択されないなど、日本企業に不利な調達仕様となることもある。このような現状を受け、クニエは企業がコア・コンピタンスに注力しながら国際機関ビジネスを拡大できるよう、「国連機関・国際開発金融機関ビジネス参画支援サービス」の提供を開始することとした。
本サービスは、国際機関ビジネスにおいて不可欠なプロセスを一貫して支援し、以下、6つのメニューで構成されている。
1.協働すべき国際機関の選定
企業が実現したいビジネス内容(製品技術・対象地域・事業規模など)を踏まえ、協働すべき国際機関の選定支援を行う。国際機関ごとの戦略や計画、および強み・弱みの理解に基づき、ターゲットの絞り込みを行う。これにより、企業は受注見込みを考慮しつつ入札するプロジェクト選定を行うことが可能だ。
2.企業ソリューションに対する理解の醸成
グローバルにおける認知・理解状況を踏まえ、国際機関の本部ないしは地域拠点、途上国政府等のプロジェクト実施機関に対してワークショップの開催やデモの実施など、企業が有する技術やソリューションの優位性に係る啓発活動を支援する。また、広報活動や学術誌への寄稿など、啓発活動を支えるための環境構築支援も行う。これらの活動を通じ、企業やソリューション理解や認知を高め、ターゲットにアプローチすることが可能となる。
3.案件形成
ターゲットする国際機関のプロジェクトパイプラインを精査し、構想段階のものから調達準備段階のものまで、企業のビジネスに合致するプロジェクトの情報収集・伝達を行う。特に構想段階のものについては、企業が有する技術の優位性を正確にターゲットに伝え、技術を有効に生かせるような案件形成を支援することでプロジェクトの受注確度向上につなげる。
4.競合分析・ビジネスリスク分析
企業の勝算について、想定される競合企業の選定、および客観的な分析を行う。これにより企業はプロジェクトの利害関係者全員の支払い能力や、事業の許認可・用地取得に関する障壁など、入札参加時の潜在的なビジネスリスクを事前に把握したうえで入札を検討することができる。
5.事業実施体制の構築
事業推進に不可欠となる現地パートナー候補を抽出する。また、パートナー企業との事業体制構築に向けた調整・交渉支援を行う。クニエがこれまで実施してきた新興国でのビジネスコンサルティングの経験を生かして候補の抽出を行うため、企業は最適なパートナー選定を行うことが可能だ。
6.入札事務
国際機関の入札プロセスに精通したコンサルタントが業務管理・文書作成等を支援、代行するため、企業はコア・コンピタンスに注力しつつ国際機関ビジネスの拡大が可能だ。なお、これら支援にあたっては国際機関ビジネスの経験が豊富なクニエのコンサルタントに加え、同グループで欧州・中東・アフリカ・中南米など25か国を統括するNTT DATA EMEALとも連携し、これまで得た多くの知見とネットワークを活用して企業ビジネス成功に向け伴走する。