PwCコンサルティング、対話型生成AIの活用に特化したガイドライン策定支援開始
PwCコンサルティング合同会社(以下、「PwCコンサルティング」)は、企業が安全かつ効果的に対話型生成AIを導入するための「対話型生成AIガイドライン策定支援サービス」の提供を2023年5月から開始したことを発表した。
対話型AIチャットボット(対話型生成AI)は、利用者の入力に基づき、独自のエッセイ、コードの生成が可能で、技術的知見の有無にかかわらずアカウント登録により誰でも容易に利用を開始できる。PwCコンサルティングの調査によると企業や組織に所属する人の間では生成AIのなかでも特に対話型生成AIの認知度が高く、ビジネスで効果的に活用できる可能性も高いことから、多くの企業がその活用について検討・導入を開始している。導入にあたり、従業員が対話型生成AIを利用する際、機密情報の漏洩のリスクも存在するため、インシデント発生の前に早期から確固たる管理体制の構築が必要不可欠であり、企業の関心も高い。しかし、現時点では利用にあたっての明確なガイドラインが政府から未発表であり、また起こりうるインシデントやインシデント発生時の影響の大きさが想定しにくいことから、リスク対策の検討が困難で、対話型生成AIの活用をためらう企業が多いのも現状だ。
PwCコンサルティングが提供を開始する対話型生成AIガイドライン策定支援サービスは、4月から提供を開始した生成AIコンサルティングサービスに含まれる「生成AIに関するリスク管理支援」の中でも、対話型生成AIに特化したものである。
さらに、対話型生成AIの活用とリスク対策を並行して進めることを前提としており、対話型生成AIの導入を進める企業すべてを対象にしている。PwCコンサルティングで従来提供している多様なAIリスクに対応したガバナンス体制構築を支援する「AIガバナンス導入サービス」を通じて蓄積された実績や知見を活かし、対話型生成AIの特質や最新動向も考慮したうえで、対話型生成AIガイドラインを策定する。これにより、適切にリスクに対応したうえで、対話型生成AIの活用による効果を最大化できるようクライアント企業の支援を行う。策定までのプロセスは「リスク分析」「ルール策定」「社内展開」の3つに大別され、以下の5つのステップで進めるとしている。
1. 利用者に与える影響分析
2. データとモデルのリスク分析
3. アウトプット取扱ルール策定
4. プロンプト作成ルールの策定
5. ガイドラインの展開
これにより、対話型生成AIを活用する企業が、安心して生成AIの活用を開始できるよう支援するとともに、AIが日本の社会やビジネス界に適切な形で浸透し、責任ある方法で活用されるようにサポートしていくとしている。