PwCコンサルティングが「生成AIに関する実態調査2023」公開
PwCコンサルティング合同会社(以下、「PwCコンサルティング」)は2023年5月「生成AIに関する実態調査2023~加速する生成AIブームとビジネスシーンの実情:ユースケース創出が急務~」を公開した。
テキストの添削や要約、プログラム、画像、動画、音声の生成など、従来のAI技術では不可能だったことを可能にする生成AI技術の誕生により多くのビジネスが影響を受けることが予測されている。また、一部の業種・職種は生成AIによって代替されるといった見解も生じている。本調査は、急速に世間の関心を集めている生成AIに関して、日本国内の企業・組織および従業員自身がどのように捉えているのかに関する実態把握を目的に実施された。日本国内の企業・組織に所属する1081名を対象に、生成AIに対する認知や関心、ビジネスへの影響、業務代替の可能性などを中心に調査している。
連日生成AIに関する動向が報じられ、日本全体でも生成AIの認知・関心は高まっているように感じられるが、今回の調査では過半数である54%の人が生成AIを全く認知していないと回答し、実態との乖離が明らかになった。認知層に限定すると生成AI活用に対する関心があるのは60%にのぼり、生成AIを自社にとってのビジネスチャンスと捉える層は脅威と捉える層の5倍であった。しかし、予算化や案件推進など、具体的取り組みを開始していると回答したのはわずか8%であった。認知層では、業務で生成AIを利用したいと回答したのは53%。業務代替をポジティブに捉えている層は59%。想定する代替の度合いは業務の半分以下との回答が最多で、生成AIによる業務代替は部分的なものにとどまるとの見解が多数派だ。
質問への回答を変数にクラスタリングを実施し、5つのグループに分類したところ、生成AIに対する認知・関心と生成AIへのポジネガイメージで傾向が分かれた。生成AIと親和性の高い業種・職種では生成AIの活用に関心が高いことがわかった一方、生成AIと業務の関連を実感できていない、断片的な知識で生成AIに対する不安が先行している層においては、生成AI活用の具体的イメージや生成AIが技術的に可能とすることへの正確な理解を促進する必要があると考えられる。高度事務作業領域への活用イメージは高いが、専門知識や経験ノウハウを要する業務への活用イメージが低い。業種・職種ごとに生成AIの具体的ユースケースを創出し、実業務での活用を通じた技術的可能性および人間と生成AIの役割の明確化が早期の生成AIの活用促進に効果的であると発表した。