NTTデータ経営研究所、『「インターネット・オブ・ボディ(IoB)」の将来と保険業界への影響』を公表
株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)、株式会社NTTデータ経営研究所(以下、NTTデータ経営研究所)および将来予測を専門とするシンクタンクSCHOOL OF INTERNATIONAL FUTURES(以下、SOIF)は、2023年1月より「インターネット・オブ・ボディ(IoB)」の分野における共同研究に取り組んできており、2023年7月に共同研究のまとめを発表した。NTTデータとNTTデータ経営研究所の高度なデータ分析能力とSOIFの将来予測の専門知識及び手法を組み合わせたこの共同研究プロジェクトでは、現在のIoBの状況を包括的にマッピングし、将来のシナリオ、技術者や政策立案者にとっての潜在的課題や考慮事項に焦点化したものである。
モノのインターネット(以下、IoT)がIoBへと進化することは技術の展望に大きな変化をもたらす。IoBはセンサー技術、AI、接続性、材料科学の進歩により駆動され、人間の生理学とその機能を監視または変更する能力をもつソフトウェアとハードウェアの融合を具現化している。
IoBを理解するための多元的アプローチをとるとともに、SOIFが活用する将来予測手法の中からTechnology Axis Modelを使用し、NTTデータ、NTTデータ経営研究所、SOIFとのワークショップを通じ将来的に予見しうるフォーマットを一覧化した。主な調査結果は以下の通りだ。
1.健康と医療化
IoBは我々の身体の様々な側面を追跡し、進化し続けるデバイスにより病院や介護施設だけでなく日常生活でも身体の状態を理解し、管理する上で大きな機会が生まれる。
2.仕事と生産性
職場におけるIoBの応用が広がることで従業員の動き、注意力、疲労レベルを追跡する既存のウェアラブルやインプラントから、従業員の能力を高める脳インプラントまで多岐にわたる可能性がある。
3.プライバシーとセキュリティ
IoB技術は、収集データの機密性、データの収集と分析に関わる関係者、技術自体のセキュリティ不備により外部者がデータにアクセスし、個人の死体の一部を統制する可能性があることから、プライバシーとセキュリティに関する重大な問題を引き起こす可能性がある。
4.アイデンティティと自律性
患者や消費者が自分の身体や習慣、行動をよりよく理解するために利用する可能性があり、自己認識と自己決定を深め、その結果より充実した健康で有意義な人生を送ることができるようになる可能性がある。
5.保険業界への全体的な影響
個人の活動や行動に関する広範な情報開示を行いそれらの行動を形成・改善する新たな機会を創造する可能性があり、その影響は広範囲に及ぶ。