NTTデータ経営研究所が「バーチャルショップに関する意識調査」実施
NTTデータ経営研究所はNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が提供する「NTTコム リサーチ」登録モニターを対象に、「バーチャルショップに関する意識調査」を実施した。メタバース等のWeb3(WEB3.0)を活用した新たな購買体験に注目が集まっていることを背景に、20~40代の国内の生活者を対象にバーチャルショップの利用に関する意識について調査を行った。その結果、バーチャルショップの認知度は3割程度に留まるが、認知している層の約半数は利用経験があることや購入を検討した商品は「食品・飲料・生活用品」「衣類・ファッション・装飾品」がトップであり、利用経験者は商品イメージがわきやすい点をメリットと感じ、9割が継続意向があることが分かった。
バーチャルショップの認知度は3割程度に留まり、情報感度の高いユーザーのみに認知されている段階と考えられる。バーチャルショップを認知している人の約半数はバーチャルショップを利用したことがあると回答しており、認知層におけるバーチャルショップに対する興味関心は高い。男性はどの世代も3割程度が認知しているものの、女性は30代、40代では2割程度、特に20代では2割以下と、全年代で最も低い結果となった。今後は女性、特に20代女性に向けた訴求が課題になるだろう。しかし、認知層に対して行った調査では、20代女性は購入まで至っている割合が52.9%と、他の性別、世代と比較して購入まで至る確率が高いことが分かった。また、男性はどの世代も約半数が利用まで至っていることから、世代問わず興味関心を高く持っていると考えられる。バーチャルショップ利用者の利用頻度はモール型、他メタバース出店型とともに約7割のユーザーが月に1回以上利用しており、利用者からはバーチャルショップの利便性や購買体験に対してポジティブな印象を持っていることも明らかになった。
バーチャルショップで購入・購入を検討した商品では、「食品・飲料・生活用品」「衣類・ファッション・装飾品」の購入が多いことが分かった。バーチャルショップの分類別でみると、イベント型バーチャルショップでは「家具・インテリア・家電」が3割強と、他と比較して高い為、関与度の高い耐久消費財でも商品需要があると考えられる。モール型バーチャルショップでは、「携帯・パソコン・周辺サービス」の利用がみられ、物品以外のサービスを利用するユーザーも存在することが分かった。
バーチャルショップ未経験者の7割以上がどのサービスも利用してみたいとは思わないという結果になった。その理由は通常のECサービスで十分であることやサービスの使い方や利用しているイメージがわかないなどがトップとなっており、今後は利用者に対してサービス利用のイメージや利点を訴求することが必要だ。一方、各サービスの利用経験者の9割以上が引き続きサービスを利用したいと回答しており、バーチャルショップに対してポジティブなイメージを抱いていることが分かった。VRやARなどによって商品のイメージがわきやすくなったことが上位となった為、通常のECサービスと異なり、商品を確認できる点を利点に感じているユーザーが多いと考えられる。商品・サービスを気に入った為と回答した人は2割弱にとどまり、ユーザが商品やサービス自体よりもバーチャルショップを利用することによる体験を求めていると考えられる。
各分類の改善点として、オンライン接客品質の改善と回答した人が最多であった。オンライン上という制約の中、いかにメタバースへの没世界観を高めるような感情的価値の訴求やライフスタイルの提案等を行うことができるかが重要だ。