三菱総研、再生プラスチックのマッチングアプリの試験利用事業者募集
株式会社三菱総合研究所(以下、MRI)は、2023年度から内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期課題「サーキュラーエコノミーシステムの構築」の研究開発プロジェクト「再生プラスチックのマッチングツールの開発及び活用実証」を推進している。2024年度からは、さらなるマッチング拡大のため、事業者数を拡大した実証事業を実施するとし、本アプリを試験利用する事業者の募集を発表した。
1.背景
気候変動への対応や、循環経済の実現には、プラスチックの資源循環システムの確立が不可欠である。MRIは、再生プラスチックの供給事業者と利用事業者の情報共有による市場創出を目的とし、2021年度から再生プラスチックの需給のマッチングを促すツールの検討、簡易実証を行ってきた。2023年度からは、SIP第3期課題「サーキュラーエコノミーシステムの構築」の研究機関に採択され、本格的な実証事業を実施している。
2.本アプリの概要と2023年度実証の成果
(1)本アプリの概要
本アプリは、再生プラスチックの供給事業者と利用事業者のマッチングを行う。アプリに登録された、供給事業者の再生プラスチックに関する情報と、利用事業者の希望条件をマッチングさせることにより、需要と供給が一致した再生プラスチックの取引を可能とする。また、本アプリ内のチャットで取引に向けたやりとりを行うこともできる。
(2)2023年度実証の成果
2023年度、再生プラスチックを供給している6社、および、利用している6社による本アプリの試験利用が行われた。事業者の要望や収集されたデータに基づいた改善を行った結果、マッチングが成立し、取引に向けた事業者間の初期面談が実施される等、実現可能性が確認された。
3.今後の計画
2024年度は、さらなるマッチング精度やユーザビリティ向上のため、本アプリのテストユーザー数を拡大した実証を9月ごろから行うとしており、参加事業者を募っている。
MRIはさらに、本アプリの研究開発を核として、トレーサビリティや環境価値の可視化といった、再生プラスチック市場を拡大する仕掛けを備えたプラスチック資源循環プラットフォームの創出を目指しており、プラスチック循環経済の早期実現に向けた動きが進んでいる。