EY、最新の消費者動向調査「第12回 EY Future Consumer Index」を公開
EYは、2023年6月、最新の消費者動向調査「第12回 EY Future Consumer Index」を発表した。これによると、生活費高騰という困難な状況の中、世界の消費者は引き続き節約に努め、消費者の94%が、インフレにを克服する努力を継続しつつも生活費高騰を懸念している。
調査によると世界の消費者の35%が「価格」を最大の関心ごとに挙げる。これは2022年10月と比較すると10ポイント以上の上昇で、「価格優先」の消費者は引き続き最大の消費者セグメントとなっている。また、継続するディスラプションに対応するため、先進国・新興国両方において人々はライフスタイルの劇的かつ短期的変更を行っている点も明らかになった。「環境優先」「顧客体験優先」「社会優先」「健康優先」「価格優先」という5つのセグメントのうち、最も減少が大きかったのは「環境優先」で、前回から9ポイント減少して16%となった。消費者は「価格」を優先させる姿勢に転向しているため、サステナビリティの度合いが下がっていることを意味する。また、「健康優先」のセグメントが2022年10月から7ポイント増加して24%となり、「価格優先」に次ぐ消費者セグメントとなった。この「健康優先」セグメントの躍進は、消費者は自在、短期的なライフスタイル変更に集中しており、社会全体で取り組む課題よりも個人的ニーズを優先させ、自分自身のファイナンス、健康、ストレスレベルにフォーカスしていることを示している。中国では「環境優先」の消費者セグメントが17ポイント減少して18%となった一方、「価格優先」の消費者が14%増加した。
経済を取り巻く現在の不透明性緩和の兆しが見えない中、調査に回答した92%の消費者が自国の経済に懸念を抱いており、39%は今後半年で状況が悪化すると予想している。彼らは衣服の支出を減らす計画やテイクアウト料理の購入頻度の減少など、生活の多くの部分で支出を減らす行動をとっている。また、多くの消費者にとって生活必需品を買いそろえることが困難であることも判明した。ほとんどの消費者にとって、ブランドはもはやステータスを表現する唯一の手段ではなくなっており、世界中の消費者の62%が、最新ファッショントレンドを追いかける必要を感じなくなっており、半数の消費者は衣服や靴などをプライベートブランドから購入することを考えている。また、67%の消費者がものを買い替えることよりも修理することを選択するようになっており、常に最新アイテムを所有しなければならないという、これまでの消費者願望に疑問を呈している。世界の消費者の55%が、ブランドはもはや重要ではないと回答した。
消費者の46%が、生活を管理する上でテクノロジーに頼っていることも調査により判明した。テクノロジーとそのアウトプットやおすすめ機能に頼る機会が増加しているこの傾向はまた、購買の意思決定及び消費全体に影響を与えている。特に、66%の消費者が、割安な選択肢の利用と引き換えに、自身のデータを共有することに前向きだと回答している点は着目すべきだ。