EYが2022年度グローバル業務収入過去最高の454億米ドル達成
EYは2022年6月末終了の会計年度(以下FY22)の全世界における業務収入(以下売上)が現地通貨ベースで前年比16.4%増の454億米ドルをとなったことを発表した。これはEY史上過去最高水準に匹敵する業績で、EY NetWave戦略がこの売上の伸びを牽引したと分析している。同戦略は目標にEYメンバー、クライアント、コミュニティに対する長期的価値の提供を掲げる。
また、EYは財務パフォーマンス並びにESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組み、社会的インパクトの推進に向けた主要な協力分野について詳述した統合報告書である「Value Realized」も公表した。
2022年度はすべてのサービスラインで強い伸び率を示した。コンサルティング部門は27.1%(現地通貨ベース)と非常に大きな伸びを示し、売上高は139億米ドル。ストラテジー・アンド・トランザクション(SaT)も順調に成長し、伸び率は25.4%(現地通貨ベース)、売上は59憶米ドルを達成。アシュランスは前年比8.9%(現地通貨ベース)増で売上144億米ドル。税務サービスラインは10.5%(現地通貨ベース)増で113億米ドルとなった。
EYはFY21に表明した、3年間で100億米ドルの投資を行うというコミットメントの一環として、FY22に32億米ドルを監査品質、イノベーション、テクノロジー、人材に投資した。また、トレーニングに3億米ドルを投資し、メンバー1人当たり平均59時間超のトレーニングを実施。EYは会計・税務のテクニカルなトレーニングのみでなくAI、ブロックチェーン、インパクト・アントレプレナー、サプライチェーン計画、DE&I、持続可能なビジネスプラクティス等多様な分野で250種類以上のEY Badgesという学習認定を提供する。これに加えハルト・インターナショナル・ビジネススクールと共同で新たな2つの修士課程プログラムを創設すると発表。
EYメンバーに対してはエクイティを明示的に組込み、DE&Iへのアプローチを進化させた。FY22は世界全体でPPEDDへの昇進者の35%が女性であった。メンバーの人口統計学的傾向や格差のモニタリング、分析を通じてキャリア開発に関する分野での公平性の向上の推進を目指すEYのコミットメントが強化されている。
2030年までに10億人の生活にポジティブな影響をもたらすという「EY Ripples」の目標達成に向け、プロボノ活動に110万時間以上を費やし、地域社会強化に専念するプロジェクトに総額1億5900万ドル投資した。EYとMicrosoftはデジタル経済おける公平性を高め、2025年までに数百万人の就職・再就職や新規事業創設支援の為、ソーシャルインパクトに関するアライアンスを締結。その他にも環境への取り組み進展のため他組織との連携を深めている。「Alliance to End Plastic Waste」への加盟や「Carbon Call」への署名も行った。
今後は質の高い監査を提供して公共の利益に貢献し、CFOアジェンダとサステナビリティに注力するために必要な全能力を備えたアシュアランス、税務およびドバイザリーサービスに取り組む他分野のメンバーファームのグローバルネットワークとコンサルティング、SaT、税務の大部分およびマネージドサービスからなる新グローバル組織の二つの複合サービス型組織に進化させることが提案されている。