電通が第6回「SDGsに関する生活者調査」実施
株式会社電通は、国内電通グループ横断でSDGsに関するプロジェクト推進を行う「電通Team SDGs」のもと、全国10~70代の男女合計1400名を対象に第6回「SDGsに関する生活者調査」を実施したことを発表した。SDGsの「認知率」「認知経路」等について過去調査結果との比較を行うとともに企業活動におけるSDGsの取り組みが生活者に及ぼす影響を分析した。
この調査により、SDGsの認知率は9割を超え、2022年1月に実施された前回調査の86.0%から5ポイント以上増加したことが分かった。「内容まで知っている」と回答した人は2018年2月に実施された第1回調査の3.6%から11倍以上に増加し、40.4%となった。このうち、性年代別内訳では、女性10代が72.4%、男性10代が58.5%と割合が高くなっている。2017年3月公示の新学習指導要領で掲げられた「持続可能な社会の創り手」の育成について小学校、中学校に続き高校でも2022年度に開始したことから、10代の内容理解度が年々向上していると推察される。全体では、「テレビ」(63.5%)を通じた認知が最多であり、男性10代と男性20代は「SNS」を通じた認知の割合が全体の12.7%と比較し、20ポイント以上高くなっている。SDGsを認知している人で、SDGsに対して良い印象を持つとポジティブな回答をした人は9割弱で、性年代別では女性70代が96.5%と最も割合が高い。
サステナビリティに関連する15のテーマについてのそれぞれの認知度についても調査している。認知度(「内容を詳しく説明できるくらい知っている」「簡単な内容なら説明できるくらい知っている」「説明できるほどではないが、一応内容まで知っている」)は「食品ロス」(92.6%)、「ジェンダー平等」(90.2%)、「再生可能エネルギー」(90.1%)が高い。また、理解度(「内容を詳しく説明できるくらい知っている」「簡単な内容なら説明できるくらい知っている」)は、「食品ロス」(35.9%)、「再生可能エネルギー」(24.1%)、「ジェンダー平等」(22.8%)が高い。今後は、全体的な理解度の向上と認知度の低いテーマについての認知拡大が課題になるだろう。
企業のSDGsへの取り組みが与える企業イメージの変化についても調査している。約8割の人が、SDGsに対して企業が積極的に予算や人員をかけて取り組むと印象が良くなる、好感度が上がるなどの影響があると回答している。具体的項目では、「その企業の良い印象が強くなる」(59.1%)、「その企業の好感度が上がる/応援したくなる」(56.5%)、「その企業への信頼感が増す」(55.9%)の割合が高い。SDGsへの取り組みが生活者へ伝わると、企業の評判向上のにつながることが示唆されている。また、このうち、積極的に企業に推進してほしいテーマは「食品ロス」(63.2%)、「再生可能エネルギー」(58.6%)、「気候変動」(46.5%)の順で割合が高くなっている。