今注目すべき、IT技術系人材が活躍する国
昨今の厳しい経済状況の中、労働力のギャップとコスト管理が最重要課題の一つとなることが予想される。シリコンバレーのような有名ハイテク市場から、より費用対効果の高い人材プールでの採用活動を求める動きが主流となるだろう。また、日本での人材不足が深刻といわれるIT人材も、海外に目を向ければ人材プールが潤沢な国は世界に多く存在する。GoGlobalは自社事務所を持つ世界61か国を対象に技術系人材が豊富な国の調査を実施した。以下でその上位5か国を紹介する。
1位:アルゼンチン
テクノロジー部門とスタートアップ環境は近年盛り上がりを見せており、トップクラスのソフトウェアアウトソーシング先として高い評価を得ている。ブエノスアイレスは、Global Innovation Indexにより世界中所得国の中でトップクラスの科学技術センター(S&T)として評価されている。米州開発銀行(IBD)の支援により、アルゼンチンの科学、技術、イノベーションを促進するために2026年までに2億8800万米ドルが投資予定で、アルゼンチンの技術者層は今後も拡大すると予測される。
2位:ブラジル
ブラジルのテクノロジー部門は勢いを増し続けており、政府は商標登録、特許取得、新技術の市場投入に対して企業に税制上の優遇措置、補助金、特典を付与している。現在、半導体メーカーを誘致するための新たな計画が進行中だ。また、ハイテク分野の企業は給与の軽減措置の恩恵を受けられる。これによりブラジルは技術系人材の雇用を目指す多国籍企業の注目の的となっている。
3位:カナダ
CBREの最新レポート「Scoring Tech Talent」では、カナダの11都市が北米で最も優秀な技術系人材が集まる都市に選定された。トロントはサンフランシスコ、シアトルに次ぐ3位、カルガリーは「ブレインゲイン」による雇用増加で第8位だ。また、「グレートホワイトノース」はグローバル・スタートアップ・エコシステム・インデックスの「ビッグ4」にも常にランクインしている。
4位:中国
中国政府は特にエンジニアリング、コンピューターサイエンス、情報技術等の分野で熟練した労働力育成のために教育や訓練プログラムに多額の投資を行ってきた。このような取り組みにより、中国は人工知能、機械学習、5G技術の主要プレーヤーに急成長中だ。中国の消費市場が爆発的に拡大するに伴い、より多くのテクノロジー企業が市場のテスト、製品発売、製品チーム構築のために中国での事業展開に関心を寄せている。
5位:コロンビア
多国籍企業の戦略的ビジネスハブとして浸透しつつあるコロンビアは「ラテンアメリカのシリコンバレー」としての地位を確立しつつある。グローバル・イノベーション・インデックスでは世界63位であるが、コロンビアは近隣諸国のほとんどを凌駕し、毎年ランキングを上げ続けている。人材プールはソフトウェア開発、ウェブ開発、モバイルアプリ開発、IT BPO、アニメーション/ビジュアルエフェクト(VFX)、ITセキュリティなどの分野で充実している。
このほか、14位までの国は以下の通りだ。
6位:インド
7位:ケニア
8位:フィリピン
9位:ポーランド
10位:ポルトガル
11位:ドイツ
12位:南アフリカ
13位:アラブ首長国連邦(UAE)
14位:ベトナム