INTRODUCTION
近年、外資系企業だけではなく、日系事業会社からも熱い視線を送られるようになり、最も注目を浴びるキャリアのひとつとなった「ポストコンサル」。
ポストコンサルへこのような高いニーズが集まるようになった背景には、企業が直面する新しい課題の存在があります。
それをひも解くことで、今、企業がポストコンサルに何を期待しているのか、今後はどのような人材が求められるようになるのかが見えてきます。
ここでは、ポストコンサル採用のうち、近年に目立つパターンを8つに分類し、ポストコンサルに求められる役割をご紹介します。
ポストコンサルのキャリアの概要についてはこちらをご覧ください。
経営幹部への超特急!「リーダーシッププログラム」
~今、ポストコンサルに求められる8つのこと⑧~
いま、若手ポストコンサルに人気の「リーダーシッププログラム」とは?
20代~30代前半の若手ポストコンサルの転職先として、注目を集めているポジションに「リーダーシッププログラム」と呼ばれる企業内の幹部育成コースがあります。
リーダーシッププログラムでは、早期のリーダー育成を目的とし、専門性やビジネススキルを高めるためのトレーニングが、実務と研修を通じて行われます。
既に経営スキルを身につけてきているはずのポストコンサルが、なぜこのような育成コースを志望しているのでしょうか?
わずか3年でリーダーを養成する「成長加速プログラム」
実際のリーダーシッププログラムとはどのようなものなのか、著名なプログラムの一つである「MSDジャパンリーダーシッププログラム」を例に、その内容を見てみましょう。
「MSDジャパンリーダーシッププログラム」は、次世代リーダー候補の発掘・育成を目的として2011年にスタートしました。
経営幹部に必要とされるスキルや経験など、通常では10年かけて習得するようなものを、わずか3年に凝縮して習得する「成長加速プログラム」として設計されています。
具体的には、12ヶ月間のアサインメントを3回行なう合計3年間のプログラムで、各アサインメントでは経営レベルの重要プロジェクトや海外プロジェクトを経験していきます。
また、このアサインメントでは、経営陣のもとで業務に取り組むため、経験豊富な彼らから深い学びを直接得ることができます。
これらの経験を通じて、参加者は、リーダーとして必要な課題解決力や実行力、周囲を巻き込む人間力、全社的な視野と人的ネットワーク、ストレス耐性などの向上を図ります。
若手ポストコンサルが殺到する理由
このような充実した幹部育成プログラムは、GEが先駆けて導入したことで知られるようになり、MSDや参天製薬など先端的な取り組みをする企業で導入されはじめました。
しかし、大手日系企業では、まだ導入例は決して多くはありません。
多くの日系大手企業では、今なお「社員を平等に処遇する」という傾向があります。
「若手を抜擢して育てる」という発想自体が珍しく、ましてや他社員と大きく差をつけた特別な幹部育成コースを用意している企業はほとんどありません。
そのため、リーダーシッププログラムは、希少なポジションとなっています。
一方、事業会社への転身を考える若手のポストコンサルには、「社歴や年齢で処遇が決まるような企業に入ってしまうと、培ってきたスキルを活かせない。折角のキャリアを棒に振ってしまうのではないか?」という懸念を持っている人が少なくありません。
社歴や年齢に依らず高度な業務を任されるリーダーシッププログラムは、そんな彼らにとって非常に魅力的な制度です。
また、若手のポストコンサルは、戦略立案や業務改善などに関するスキルは身につけていますが、実際に多くの部下に指示を出して、組織を動かした経験を持つ人は多くありません。
これは、ポストコンサルのウィークポイントのひとつです。
周囲の人を巻き込んで動かすスキルやリーダーシップは、組織を動かす実体験なしに身につけることは出来ません。
この点、リーダーシッププログラムでは、優れた経営陣やリーダーの間近で働き、彼らをスキルアップのための「生きた手本」とするだけでなく、直接手ほどきを受ける機会をも得ることができます。
「効率的な成長」という観点からも、若手ポストコンサルにとって、リーダーシッププログラムは理想的な環境なのです。
著者/監修者
ビジネスリーダーのキャリア支援に豊富な実績を持つコンコードのコンテンツ編集チームです。独自のナレッジやキャリア設計法、転職市場の最新情報を、わかりやすくご紹介します。