INTRODUCTION
近年、外資系企業だけではなく、日系事業会社からも熱い視線を送られるようになり、最も注目を浴びるキャリアのひとつとなった「ポストコンサル」。
ポストコンサルへこのような高いニーズが集まるようになった背景には、企業が直面する新しい課題の存在があります。
それをひも解くことで、今、企業がポストコンサルに何を期待しているのか、今後はどのような人材が求められるようになるのかが見えてきます。
ここでは、ポストコンサル採用のうち、近年に目立つパターンを8つに分類し、ポストコンサルに求められる役割をご紹介します。
ポストコンサルのキャリアの概要についてはこちらをご覧ください。
オーナー企業の事業承継を支える、次世代経営者の「右腕」~今、ポストコンサルに求められる8つのこと③~
増加する事業承継のニーズ
2014年に発表された日本企業の社長の平均年齢は58.9歳。(※)
年々、経営者の高齢化が進行していく中、「事業承継」が課題となっているオーナー企業が増えています。
事業承継には様々な問題があり、代表的な例としては、以下のような問題があげられます。
- そもそも後継者がいない
- 相続、納税に関する問題
- 古参経営陣との軋轢などから世代交代がスムーズに進まない
これらのうち、「世代交代がスムーズに進まない」といった問題を、ポストコンサルが解決するケースが増えています。
次世代の経営者を支える「右腕」として「経営のプロ」であるポストコンサルがその手腕を発揮しているのです。
企業のニーズは新社長を支える「右腕」
比較的若いうちから経営陣となる2世、3世の社長が、自分よりも年長で社歴も長い古参役員やベテラン社員をリードしていくのは、現実問題としてかなり難しいものです。
くわえて、どんなに素晴らしい改革を行おうとしても、それまでのやり方に慣れた社員たちからは賛同が得られなかったり、不満を持たれたりして、うまく進まないというケースも珍しくありません。
こうした事態を危惧した企業から、次世代の経営陣を構築し、新社長を支える「右腕」的存在の採用ニーズが高まっているのです。
また、オーナー企業の多くが既存の主力事業の先行きに不安を抱えていることから、具体的には以下のような役割を担う人材が求められています。
- 新社長、次世代経営者と同世代ながら、最先端の経営について議論できる経営参謀
- グローバル展開や新規事業など、会社にとって未知の領域をリードできる事業責任者
- 社長と社員の間に入り、その意志を浸透させる社内広報
- 社員の行動変革を牽引するリーダー
ポストコンサルは若くして経営に深い見識を持つだけではなく、様々なタイプのクライアントとコミュニケーションをとり、その社員を動かしてきた経験を持ちます。
そうしたスキルと経験が、上記のようなポジションに適正が高く、「新社長を支える右腕」にふさわしい逸材として、オーナー企業から注目を浴びているのです。
実は相性が良いポストコンサルとオーナー企業
今後十数年の間に、日本の多くの企業が事業承継、経営者交代の必要に迫られます。
ますますニーズの増大するオーナー会社の次世代経営幹部、新社長の「右腕」といったポジションは、ポストコンサルにとってチャンスにあふれた注目のフィールドとなるでしょう。
「しかし、外資系大手企業、財閥系企業、成長企業など魅力的な選択肢がたくさんある中で、古めかしい印象があるオーナー企業を選択するメリットはあるのだろうか?」と疑問に感じるポストコンサルの方もいらっしゃるかもしれません。
実はポストコンサルとオーナー企業は、大変相性がよい面があるのです。
オーナー企業では、オーナー一族が大きな権限を持つため、彼らに実力を認められれば、若くして高いポジションに抜擢されることも十分に可能です。
そのような立場となれば、待遇も一般的な社員とは異なる高い水準になります。
また、社内で大きな権限を持つ二世経営者と事業を推進していくため、自ら考えたプランがすぐに実現していく醍醐味を満喫することができます。
さらに、オーナー一族がつくりあげてきた既存事業の基盤を活用して、社会に大きなインパクトをもたらすことも可能です。
これは経営スキルを持っていても、事業基盤を持っていないポストコンサルにとって大きな魅力となるでしょう。
このように”オーナー企業への転職”というキャリアは、ポストコンサルにとって大変魅力的な選択肢の一つとなります。
ただし、入社後のオーナー経営者との関係性には注意が必要です。
オーナー経営者の組織内における権限の強さは、大手企業のサラリーマン社長とは比較になりません。
恵まれたキャリアを継続するためには、オーナー経営者との良好な関係が必要不可欠です。
そのため、入社前の段階から、時間をかけてオーナー経営者と自身のフィットをよく確かめておくことがとても大切です。
(※)帝国データバンク2014/1/30発表による。
東京商工リサーチの調査(2014/10/2発表)にて60.6歳というデータもあります。 ⇒本文に戻る
著者/監修者
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