第二新卒からのコンサル転職
~採用の実態と選考対策~
第二新卒でもコンサル転職は可能
コンサル業界への応募は、第二新卒の方でも十分に可能です。多くのファームが業績好調で、第二新卒クラスの採用も行っています。
ただし、第二新卒の採用枠は、各コンサルファームにおける新卒採用の影響を受けることになります。特に近年、大手コンサルファームは名門大生を中心に人気の就職先となっており、新卒段階で優秀な人材を採用できています。そのため、決してハードルは低くはなく、応募にあたっては十分な対策をする必要があるでしょう。
なお、一般的に「社会人経験3年未満」とされることが多い第二新卒ですが、その定義はファームによって大きく異なります。また、募集の時期にも違いがあるため注意が必要です。ここでは、領域別に第二新卒採用の実態を解説していきます。
戦略系ファーム~通年採用
通常、戦略系ファームでは、第二新卒も一般の中途採用と同様に通年採用を行っています。第二新卒枠に特化した選考が実施されるわけではなく、中途採用と同じフローで選考が進みます。
選考の結果、第二新卒クラスと評価されると、新卒社員のスタートポジションである「アナリスト」としての入社となります。ファームによっては「アソシエイト」とも呼ばれるポジションです。
アナリストからのスタートか、1つ上級のコンサルタントからのスタートかの判断は、応募者のそれまでのビジネス経験の量にも左右されます。社会人歴がわずか数年であっても、経営企画や事業開発など、コンサル業務に近いビジネス経験があれば、第二新卒クラスではなく「コンサルタント」としての入社となるケースもあります。
>>コンサル業界のポジションなど、業界の基礎知識はこちらから
総合系ファーム~年2回採用
一方、多くの総合系ファームでは、募集時期を年2回などと限定し、第二新卒に特化した採用を行っています。そのため、合格すると「アナリスト」として入社することになります。
同時期に採用することで、ファーム側にとっては、第二新卒者向けの研修をまとめて実施できるというメリットがあり、入社する社員にとっても“同期”を持つことができるというメリットがあります。
応募できる時期が限られることから、募集が始まる前に少なくとも数ヶ月程度の準備期間を設け、早めに情報収集に着手することが大切です。
日系新興ファーム~通年採用
近年、外資系戦略ファームなどの出身者らが起業した、日系の新興ファーム(独立系ファーム)が急成長を遂げており、脚光を浴びるようになってきています。
外資系戦略ファームと比べて、プロジェクト規模はやや小さいケースが多いものの、仕事内容については遜色なく、身につけられるスキルも大きな差はないと言えるでしょう。
注目すべきはその報酬水準です。コンサルファームによっては、外資系戦略ファームを上回る好条件が提示されるケースもあります。
新卒採用を行っていないコンサルファームは、一般にはあまり知られていないため、第二新卒の方々に見逃されがちな選択肢です。しかし昨今、未経験者を通年で積極採用するコンサルファームが多くなっています。
第二新卒で入社するメリット
20代後半以降での中途入社に比べると、第二新卒でのコンサル転職には次のようなメリットがあると考えられます。
新卒社員と同等のスピードで昇格できる
第二新卒でコンサルファームに入社すると、新卒社員とほぼ変わらないスピードで昇格することが可能です。
例えば、30代・コンサル未経験で転職すると「コンサルタント」もしくは「シニアコンサルタント」で入社するケースが多くなります。しかし、新卒でコンサルファームへ入社した同世代の社員は10年以上のコンサル経験を積んでいるため、より上級の「マネージャー」や「ディレクター」などに昇格しているケースも珍しくありません。このように、30代でコンサル転職をすると、新卒入社した同世代との間にポジション上のギャップがどうしても生じます。
一方、第二新卒で入社すれば、2~3年程度の差しか生じないため、このようなギャップを感じることは少ないでしょう。また、その程度の差であれば、入社後のパフォーマンスによって十分にキャッチアップすることができます。「コンサルタントになる」と決めているのであれば、なるべく早い時期に転職したほうが、より充実したキャリアを歩める可能性が高いと言えます。
第二新卒で入社すると、ファームによっては新卒社員と同レベルの充実した研修を用意している場合もあります。コンサルタントとして必要なスキルをじっくりと身につけることができる点も、第二新卒からのコンサル転職のメリットです。
ネクストキャリアの選択肢が増える
若いうちにコンサル経験を積むと、その後のキャリアの選択肢が大きく広がるというメリットもあります。
例えば、PEファンドはコンサル出身者の転職先として人気の高い業界ですが、PE未経験者の採用は20代が中心となっています。そのため、30代からコンサル業界に入った場合、ネクストキャリアとしてPEファンドを選択しづらくなるケースが多いのです。
なお、戦略系ファームの出身者や、FAS(財務系ファーム)でM&A業務や財務分析のスキルを身につけた20代の方は、PEファンドから高く評価される傾向にあります。
さらに、ベンチャー企業に転職する場合も、若い世代のほうが選択肢は広くなる傾向があります。近年のベンチャー企業の経営陣は若年化が進んでおり、30代前半であることも珍しくありません。そのため、20代を中心に経営人材を採用している企業も見受けられます。
このように、コンサル経験を20代で積むか、30代で積むかによって、その後のキャリアの選択肢の幅が変わってきます。早い時期にコンサル業界へ転職することは、長期的なキャリアを見据えた際にもメリットがあるのです。
事業会社での経験が仕事に活きる
第二新卒でコンサルファームに転職し、その後長く活躍している方がコンサル業界には数多くいます。
一般的に、事業会社では希望の部署・職種に就けないことも多く、参画するプロジェクトも自分で選ぶことは困難です。営業、人事、経理などといった職種を、新卒の入社時に選択できない企業が大半でしょう。
一方、コンサルファームではコンサルタント業務に就くことが約束されており、人事や経理など、想定外のポジションにアサインされることはありません。さらに、総合ファームのような大規模な組織であれば、採用部門がセクター(金融、メディア、エネルギー、ヘルスケアといった産業別)もしくはファンクション(経営戦略、DX、マーケティング、人事といった専門領域別)で分かれているケースもあります。自分のキャリアを自分でコントロールしやすい環境にあり、キャリア形成をするうえで非常に恵まれた業界と言えます。
第二新卒でコンサルファームに入社した方は、一般的な事業会社で働くことの苦労に関する「体感知」を持っています。キャリアを自分でコントロールできることのありがたさ、経営課題に若いうちから携われることの価値がよくわかるのです。そのため、高いモチベーションでプロジェクトに取り組むことができる方が多く見られます。
コンサルに必要な「3つの資質」
コンサルタントに求められる資質として主に挙げられるのが、「問題解決能力・論理的思考能力」「高度なコミュニケーション能力」「素直さ・成長力」の3つです。これらは、ファームの種別や年齢、経験年数を問わず、コンサルタントが共通して備えている資質と言えます。入社時にすべてを高水準で満たしている必要はありませんが、入社後に身につけられる人物かどうかを、選考では確認されます。
①問題解決能力・論理的思考能力
コンサルタントは、さまざまなクライアント企業からの依頼を受け、課題解決を行っていきます。もちろん、クライアント企業の内部には、その業界に精通し、その企業が抱える課題に取り組んできた優秀な社員がいる場合も多くあります。それにもかかわらず、あえて外部に高額なフィーを払って依頼するのです。
当然、依頼されるテーマは複雑で難易度が高く、コンサルタントには高度な問題解決能力が求められます。さらに、提案内容をクライアントが納得できるよう筋道立てて伝える、論理的思考力も不可欠です。もちろん、これらのスキルは研修や仕事を通じて培われていくものですから、第二新卒の選考時には、あくまでも「素地があるか」を判断されていると言えます。
同時に、これらの能力を支える「ストレス耐性」も重視されます。「どんな苦労を経験し、その難局をどう乗り越えたか」を問い、応募者が過去にとった行動に基づいて、ストレスに対する耐性を測るというものです。タフな局面にぶつかることが多いコンサルティングのプロジェクトを、最後までやり抜く素質があるかどうかが見られます。
②高度なコミュニケーション能力
コンサルタントが提案した問題解決のプランを実行するのは、あくまでもクライアント企業の社員です。いくらきれいな戦略を描いても、その意図をクライアントに適切に伝え、納得してもらい、実行してもらわなければ意味がありません。
そのため、ロジック面での説得力はもちろん、関係者の感情にも配慮した高度なコミュニケーション能力がコンサルタントには不可欠です。
面接においても、わかりやすく意見を伝える能力のみならず、他者が考えていることを察する感受性や理解力も含めて、コンサル適性が確認されるでしょう。
一般に、コンサルタントと聞くと「ロジカルに話すことが何よりも重要とされる仕事」というイメージが強いかもしれません。しかし実際には、優秀なコンサルタントほど高度なコミュニケーション能力を身につけています。特に、コンサルティング案件を獲得する役割が求められるパートナークラスともなると、クライアント企業の経営陣に納得してもらえるコミュニケーション能力なくして、受注を勝ち取ることはできません。
③素直さ・成長力
コンサルタントは日々、さまざまな企業の先端的な経営課題に取り組んでいます。当然、つねに勉強し続け、知見を高めていくことが求められます。また、上述のコミュニケーション能力を高めるためには、自身の内面の成長も必要です。
自分の意見に反対されたり、課題を指摘されたりした際に、それを素直に受け止め、成長につなげていくことは、コンサルタントにとって重要な資質となります。自分の考えや過去の経験に固執せず、新しく教わったことを吸収し、実践してみるという素直さと成長力は、まだ若い第二新卒のコンサルタントにとって、特に大切な資質と言えるでしょう。
多角的な対策が欠かせない採用選考
ここでは、コンサルティングファームにおける第二新卒採用の選考プロセスや評価ポイントを解説します。戦略系ファームと総合系ファームとで、面接回数が異なるなどの違いはありますが、対策すべきポイントは大きく変わりません。
第二新卒採用の選考プロセス
以下の図は、コンサルティングファームにおける第二新卒採用の選考プロセス例です。戦略系ファームのほうが総合系ファームよりも面接回数がやや多くなりますが、プロセスについては概ね一緒です。
図に示したケース面接とは、面接官がクライアントの立場として課題を提示し、その解決策を求めるシミュレーション型の面接方法のことです。コンサルティングファームの採用面接時に行われることで知られています。
総合系ファームのなかには、ケース面接の代わりに論文形式でケーススタディを課す場合もあります。
新卒採用より難しいビヘイビア面接
第二新卒者の多くが意外と苦戦するのが、ビヘイビア面接です。入社後のビジョンがまだ抽象的で、学生時代の経験しか語れない就活生とは違い、第二新卒者は短いながらもすでに社会人生活を経験しています。「新卒入社からの短期間で、なぜ現職を辞めてコンサルに入りたいのか」を、面接官が納得できるよう論理的かつ具体的に説明できるかが、まずは高いハードルになります。
また、社会人経験がまだ浅いために、他者に配慮したコミュニケーションに慣れていない方が多いのも、第二新卒者の特徴です。面接官の質問の意図を汲み、ロジカルにすばやく答えられるようになるには、入念な準備が欠かせません。面接の上達には客観的な視点やトレーニングが必要であり、一人だけでの対策には限界があるでしょう。
学歴や経歴はどのくらい重視されるのか
一部の戦略系ファームが、採用選考の際に出身大学を重視する傾向にあるのは事実です。あるいは、新卒で難関企業に就職しているために、優秀な人材とみなされるケースもあります。
一方で、総合系ファームの場合はこの限りではありません。いわゆる難関大学出身ではなくても、例えば「ITに関する高度なスキルを持っている」「公認会計士の資格を持っている」といったように、前職のスキルも併せて高く評価されるケースもあります。
コンコードが選ばれる理由
日本No.1に選ばれた、コンサル転職支援
コンコードエグゼクティブグループは、外資系戦略ファームはもちろん、総合系ファームやシンクタンクのほか、業務IT系、組織人事系、財務系といった領域特化型のファーム、そして日系新興ファームなどへの転職支援に高い実績を持っています。
人事責任者・採用担当者500名以上の投票に基づいて、各業界のNo.1エージェントを決定するアワード「第1回 日本ヘッドハンター大賞」(BIZREACH社主催)では、コンサルティング部門・初代MVPを受賞。採用側であるコンサルファーム各社から厚い信頼を得ています。
「内定を勝ち取る」選考対策
コンコードでは、各ファームの選考内容に応じたオリジナルの選考対策で、書類作成からケース面接まで、ご相談者一人ひとりを丁寧にご支援します。
履歴書や職務経歴書、志望理由書など、応募書類の書き方によって合否が分かれることも珍しくないため、客観的な視点を交えた書類作成が大切です。また、適性テストは昨今種類が豊富になっており、応募先ファームに合わせた対策が必要となります。
志望動機や人物面を見るビヘイビア面接では、先述したように社会人経験の短さから、第二新卒の方々の多くが苦戦します。選考ポイントを熟知したコンサルタントとの、面接本番を想定した入念なトレーニングが欠かせないでしょう。
さらに、難関であるケース面接にも、コンサルタントと1対1で行う口頭での実践トレーニングが欠かせません。
ケース面接は、インタラクティブなディスカッションを通じて行われます。そのため、面接官からの質問や指摘に対して、その場で考えながら柔軟に対応していく力が必要です。当然、このスキルは、対策本での独学やセミナーを受講しただけでは身につけることができません。模擬面接による実践的なトレーニング無しで本番の面接を迎えると、面接官からの鋭い指摘に、頭が真っ白になってしまうでしょう。
コンサル転職で毎年、圧倒的多数の内定者を輩出しているコンコードは、ケース面接対策も含めて応募先に応じた選考対策を徹底的にサポートし、ご相談者と一緒に内定を勝ち取ります。
コンサル幹部との強固なネットワーク
コンサルファームへの転職やエグゼクティブ転職においては、“誰が”推薦するのかによって、募集ポジションや選考プロセス、ときには合否すらも変わってしまいます。
コンコードは高い実績をもとに、さまざまなファームの経営幹部との緊密な関係を構築し、各社の経営戦略や採用動向に精通しています。そのため、他エージェント経由で応募して不合格となった方が、コンコード経由でより適切な部門に再応募し、内定に至るというケースも珍しくありません。また、求人内容とは異なる経験・スキルであっても、採用企業の戦略にフィットする人物であれば、社長やパートナーに直接提案することで新たなポジションが創設されるケースもあるのです。
このように、一般的な求人案件の紹介の枠を超えた、各ファームとの強固なネットワークを活かしたご支援を行っています。
「キャリア設計」の知見を活かした支援
コンコードには、長年のキャリア支援で培ってきた「キャリア設計」の知見があります。東京大学におけるキャリアデザインの授業の教科書として、弊社CEO・渡辺秀和の著書『未来をつくるキャリアの授業』 が採用されるなど、コンコードが提唱する「キャリア設計」の理論は多方面から高く評価いただいています。
ご相談者との最初の面談では、まず、コンサルタントがご相談者の志向を丁寧に掘り下げることで、ご自身でも気づかなかった価値観を言語化する「キャリアの棚卸」を行います。さらに、ご相談者が目指すキャリアビジョンを一緒に設定し、その実現に向けてどのようなキャリアを積み上げていくべきかといった「キャリア戦略」を設計します。単に企業とのマッチングを図るような目先の転職にとどまらない、中長期視点でご相談者に伴走するスタイルがコンコードのキャリア支援です。
経験豊富なコンサルタントが、ご相談者一人ひとりの志向や経歴に応じた最適のキャリア設計を一緒に行い、内定獲得とキャリアビジョンの実現に向けて粘り強く伴走します。お気軽にご相談ください。
著者/監修者
ビジネスリーダーのキャリア支援に豊富な実績を持つコンコードのコンテンツ編集チームです。独自のナレッジやキャリア設計法、転職市場の最新情報を、わかりやすくご紹介します。
「日本ヘッドハンター大賞」初代MVP受賞。著書『ビジネスエリートへのキャリア戦略』『未来をつくるキャリアの授業』は東京大学におけるキャリア設計の授業の教科書に選定。『新版 コンサル業界大研究』は東大生協本郷書籍部で第1位を獲得。