オーナー系企業へのポストコンサル転職[徹底解説]
ポストコンサルの転職先としてのオーナー系企業とは
オーナー系企業とは、特定の家族や親族が会社を支配・経営する企業です。
「同族経営」や「ファミリー企業」とも呼ばれます。
多くのオーナー系企業は、創業者の高齢化により、事業承継の課題を抱えています。
社長や会長の子息が後を継ぎ、古株の役員の中に一人で飛び込んでいっても、組織をリードしていくことはなかなか難しいものです。
そこで、次代の経営陣をつくるために、後継経営者の「右腕」となってくれるような、経営に精通した若い人材を採用したいというニーズが高まっています。
ポストコンサルは、このようなオーナー系企業ととても相性が良いといえます。
特に、事業会社で腰を据えて経営に携わりたいという意志をもつポストコンサルにとって、若手の後継経営者とタッグを組んで事業経営を推進できる環境は実に魅力的です。
このような親和性の高さから、オーナー系企業のポストコンサル採用が広がりを見せており、注目のキャリアとなっています。
グローバル展開をして数千億円の売上高を誇る大手オーナー系企業をはじめ、都心部で数十億~数百億円の売上を立てている中堅オーナー系企業などで、ポストコンサル採用が積極的に行われています。
昨今は、地方の優良オーナー系企業にもポストコンサルの実力に対する認識が広まってきており、ポストコンサル採用がますます増えています。
ポストコンサルがオーナー系企業へ転職する魅力
オーナー系企業へのポストコンサル転職では、年齢が若くても、事業の重要な意思決定を担う経営陣の一角として入社できる可能性があります。
大きな権限をもつオーナー経営者と一緒に仕事ができるため、自らの策定した戦略がすぐに実行されるという醍醐味があります。
さらに、既存の事業基盤を活用できることから、戦略次第では、短いリードタイムで社会に大きなインパクトをもたらすことも可能です。
これは、ゼロからスタートする起業にはない魅力といえます。
自ら起業する場合は、意思決定者として自由に事業を経営できる魅力はありますが、事業が社会にインパクトを与える規模に成長するまでには時間がかかります。
その点、オーナー系企業の幹部への転職は、起業のリスクを負わず、既存の事業基盤を活用しながら早期に社会へ価値提供できるという大きな魅力があります。
ポストコンサルがオーナー系企業へ転職する際の留意点
社内で確固たるキャリアを形成していくためには、オーナー経営者と良好な関係を維持していく必要があります。
大株主であるオーナー経営者は、数十年にわたりトップとして会社をリードする存在であり、組織内における権限の強さは通常の大企業の社長とは比較になりません。
そのため、オーナー経営者との関係がこじれると、社内でのキャリアに致命的な影響が出る可能性があります。
また、オーナー系企業への転職では、入社するポジションについて留意が必要です。
大手日系企業と同様、ポストコンサル採用に不慣れな会社では、ポストコンサルを一般社員と同じポジションに位置づけることがあります。
その状況では、ポストコンサルとしての力を十分に発揮できません。
一般社員とは異なる“幹部”または“幹部候補”となるようなポジションで入社することが大切です。
オーナー系企業のポストコンサル採用傾向
オーナー系企業のポストコンサル採用では、戦略系ファーム、シンクタンク、総合系ファームで戦略コンサルティング経験をもつ人が主たる採用ターゲットとなります。
最近では、M&Aを積極的に行うオーナー系企業も増えており、そのような企業では財務系コンサルティングファーム(FAS)出身者も高く評価されています。
また、チェンジマネジメント系ファームや中小企業向けのコンサルティング経験者も好まれる傾向があります。
なお、事業を承継した後継経営者の右腕としての採用であれば、30代前半からでも十分に参画が可能です。