大手日系企業へのポストコンサル転職[徹底解説]
ポストコンサルの転職先としての大手日系企業
大手日系企業とは、グローバル規模で事業を展開する日本企業です。
日立製作所やNEC、富士通、資生堂といった大手メーカー、三井住友銀行や三菱UFJ銀行といったメガバンク、電通や博報堂といった大手広告代理店などが代表的企業として挙げられます。
近年、大手日系企業がポストコンサル採用に乗り出しています。
その背景には2つの要因があります。
一つ目の理由は、競争環境の激化に伴い、企業の成長スピードを加速させるためです。
国内需要の低迷、円高などを背景に大手日系企業は成長著しい東南アジアをはじめとするグローバル市場への進出を加速しています。
海外戦略の立案、マーケティング、現地拠点の立ち上げなどを加速させるために、大手日系企業が即戦力人材を求めるようになりました。
また、国際競争力をつ高めるため、M&Aによって成長を加速させる大手日系企業も急増しています。
M&Aの成功のためには、M&A戦略のみならず、業務改善、ITシステム、人事制度など、様々な領域の改革を行なう必要があります。
そのため、クライアント企業の海外進出案件やM&A案件、PMI案件、組織変革、IT戦略・システム導入などを数多く手掛けた経験をもつポストコンサルが注目されています。
二つ目の理由は、デジタル領域への対応です。
インターネット、AI、IoT等の先端技術の発達によって、業界の垣根が低くなり、成長が見込める分野に様々な企業が参入する中、多くの大手日系企業も新規事業参入を試みています。
また、既存事業もデジタルトランスフォーメーションによる大規模な変革を急ぐ必要が出てきています。
しかし、社内人材のみでは、これらの新領域の変革に対応することは困難であることから、外部に経営人材を求めるようになりました。
そこで、デジタル領域のプロジェクトに見識を持つポストコンサルや、特定業界の常識に縛られずに戦略を考える経験を積んだポストコンサルが強く求められています。
ポストコンサルが大手日系企業へ転職する魅力
本社の経営企画部門やマーケティング部門、M&A部門に所属できれば、自社グループ全体の意思決定に携わることができます。
外資系企業のように、海外資本の傘下として意思決定の範囲が限定されるもどかしさはありません。
したがって、大手日系企業へのポストコンサル転職では、会社の意志決定に参画しながら事業の舵を取れるというやりがいが大きな魅力となります。
さらに、グローバル志向の強い人にとっては、海外で事業経験を積める可能性があることも魅力の一つです。
大手外資系企業の場合、各国オフィスで現地採用のスタッフが所属しているため、日本人で海外オフィスに転勤することはそれほど多くはありません。
一方、海外に進出している大手日系企業であれば、マネジメント層として海外勤務できる可能性も十分にあります。
ポストコンサルが大手日系企業へ転職する際の留意点
大手日系企業に入って活躍するためには、新卒採用中心のカルチャーへの溶け込みが大きなポイントになります。
また、中途採用者の扱いに慣れていない場合には、中途採用者を外様扱いする傾向があるため注意が必要です。
特に、財閥系企業は知名度も高いため転職先として注目されますが、ポストコンサルが中途入社しても、年功序列で定まったポジションにしか就けないケースが大半です。
結局、新卒入社の社員と同等かやや不利なポジションでスタートすることになり、わざわざコンサルティングファームでキャリアを積んできた甲斐がなくなってしまうことも少なくありません。
また、昨今の大手国内メーカーの大リストラや業績悪化に象徴されるように、大手日系企業だからといって、雇用が安定しているとは言い切れません。
ベンチャー企業や外資系企業と比較すれば安定している傾向があるとは言え、イメージや知名度に惑わされることなく、その企業の国際競争力や将来性をよく把握した上で、慎重に選択する必要があります。
なお、メーカーは年収水準が低い企業が多いため、経営幹部候補などハイポジションで入らない限り、年収が大きく下がる可能性があります。
昇級や昇格のスピードも遅いため、年収を下げて入社すると、コンサルティングファーム時の年収に戻るまでに10年以上も要するという事例もあります。
メーカーへのポストコンサル転職では、求人ポジションや条件について吟味することが特に重要です。
大手日系企業のポストコンサル採用傾向
大手日系企業へのポストコンサル転職における採用傾向は、会社やポジションによって大きく異なります。
但し、全般的には、年齢の若い人や転職回数が少ない人を好む傾向があります。
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