コンサル to コンサル ― ポストコンサル転職[徹底解説]

コンサルtoコンサル転職とは?

「コンサルtoコンサル転職」は、現在所属しているコンサルティングファームから他のコンサルティングファームへと転職するポストコンサルの主要なキャリアの一つです。

同じ業界内で転職をするメリットは、どのような点にあるのでしょうか。
コンサルtoコンサル転職には、「領域シフト型」「ワークライフバランス型」「営業リソース獲得型」「ポジション向上型」と主に4つのタイプがあります。

タイプ1. 領域シフト型

「領域シフト型」は、担当するプロジェクトのテーマや専門性を変えるためのコンサルtoコンサル転職です。
戦略コンサルのようにゼネラル領域を扱うファームから、財務系(FAS)や組織人事系など専門領域を扱うファームへ転身する“専門領域への転職”や、その逆となる“ゼネラル領域への転職”などが多く見られます。
戦略コンサルタントとして様々なプロジェクト経験する中で、「ブランド戦略のプロジェクトが楽しかった」、「M&A戦略のプロジェクトが特に面白かった」と自分の進むべきキャリアを知り、その領域に特化したキャリアを選択するポストコンサルは珍しくありません。ITコンサルタントとして活躍している中で、「もっと上流の事業戦略から企業の変革に関わりたい」と考えて、ITコンサルから戦略コンサルへの転身を考える方も多数います。

また、所属するファームに自分が担当したいテーマのプロジェクトが少ない場合には、戦略コンサルティングファームから別の戦略コンサルティングファームへと転身するようなケースもあります。


タイプ2. ワークライフバランス型

「ワークライフバランス型」は、業務内容や年収を維持しながら、ワークライフバランスの良いファームに転身するコンサルtoコンサル転職です。
コンサルタントの仕事が好きでも、家庭事情や健康状態などからハードワークを続けることが困難になるケースもあります。
その際、ワークライフバランスの良いファームに転職するという選択肢は有力です。
昨今は、社員のリテンションを重視し、ワークライフバランスを考えたスタイルのコンサルティングファームが増えてきています。
業界外で慣れない仕事に就くよりも、培ったコンサルティングスキルを即戦力で活用できるコンサルティングファームへ転職した方が、スムーズに働くことができることも多いです。


タイプ3. 営業リソース獲得型

「営業リソース獲得型」は、プロジェクトを営業しなければいけないパートナークラスのコンサルタントが、案件受注力をもつファームに転身するコンサルtoコンサル転職です。
コンサルティング業界では、受注責任を負うポジションに就いた後、実績を出せずに退職せざるを得なくなるケースがあります。
しかし、グループ内の金融機関や監査法人から案件が紹介されるなど、体制が整ったコンサルティングファームもあります。
このような豊富な営業リソースをもつファームに転身することで、案件受注に苦労することなくコンサルタントとして活躍し続けることが可能です。


タイプ4. ポジション向上型

「ポジション向上型」は、同領域のコンサルティングファームへ転身することで、より高いポジションと高い収入の獲得を目指すコンサルtoコンサル転職です。
「引き合いが多すぎて案件をさばききれない」、「新しいチームを立ち上げたい」などの様々な理由から、転職志望の現役コンサルタントを「現職でのポジションよりも高いポジションに抜擢してでも採用したい」というコンサルティングファームも珍しくありません。
まさに、プロスポーツ選手のような転身ですが、即戦力として期待されるポストコンサルならではの転職といえるでしょう。

コンサルtoコンサル転職の魅力

ポストコンサル転職の選択肢として忘れられがちな「コンサルtoコンサル転職」には、様々な魅力があります。

ファームの幹部になれば、年収や社会的ステータスが一気に高くなることもその一例です。
外資戦略コンサルや総合系ファームのパートナークラスでは、3,000万~1億円程度の年収も見込まれ、MBAの講師や執筆・講演などの活動機会も広がります。
事業会社の幹部に比べ、ずっと若いうちからそのような可能性があるのも、大きな魅力といえます。

また、コンサルティングファームでは、自身のキャリアや専門領域などについて、ある程度は自分でコントロールすることが可能です。
しかし、一般的な事業会社に転職すると、個人のキャリアは会社の人事異動に大きく左右されることとなり、自分でコントロールすることが困難になります。
コンサルtoコンサル転職では、プロフェッショナルとしてのキャリアを持続させることで、自らキャリアを主体的にコントロールしていけるという魅力があります。

さらに、年齢が若すぎる場合、コンサルティングファームから事業会社に転職しても、会社のジュニアポジションで働くことになる可能性があります。
若いうちから経営者目線で働けるのは、コンサルティング業界ならではの醍醐味です。
安易に事業会社に飛び出すことなく、コンサルtoコンサル転職を選択することで、経営者と一緒に仕事をする醍醐味を享受し続けることができます。
また、将来的に事業会社の経営ボード参画を目指す人にとっても、コンサルtoコンサル転職を活用し、焦らずに経営ノウハウを培うことは有効でしょう。

なお、同領域でのコンサルtoコンサル転職では、キャリアアップできる可能性が高いでしょう。
各コンサルティングファームでは、常に即戦力となるコンサルタントを求めています。
業界内では同領域のポストコンサル需要は非常に高いため、同領域のコンサルtoコンサル転職では、ポジションや年収を上げながらキャリアアップできる可能性もあります。
特に市況環境が良いときには、大幅なポジションアップや年収アップを実現するチャンスが広がるのは大きな魅力です。

コンサルtoコンサル転職の留意点

コンサルティング業界では、シニアクラスに昇格すると、案件を受注する営業力が強く求められるようになります。
したがって、40~50代でもコンサルティング業界で活躍していきたいという意向を持つ人は、コンサルタントとしての専門的スキルだけではなく、クライアント企業からプロジェクトを受注できる営業力を身につけるようにキャリアを組むことが必要です。

コンサルtoコンサル転職の採用傾向

コンサルティングファームでは、20~50代まで幅広くポストコンサルを採用しています。
求められるコンサルティング領域のバックグラウンドも、戦略系、IT系、組織人事系、M&Aなど多岐にわたっています。