ポストコンサル転職の基礎知識
コンサル経験者が、事業会社の経営幹部、PEファンドやコンサルティングファームの幹部、起業家など業界内外のハイポジションを目指す、ポストコンサル転職。
ポストコンサルは、コンサル経験がないと得られない、キャリアアップのチャンスを手にする「プラチナチケット」をもっています。
ここでは、ポストコンサルが人材市場で評価される理由や、主要なネクストキャリアを中心として、ポストコンサル転職に必要な基礎知識をご紹介します。
ポストコンサルとは?
コンサルティングファームの出身者を「ポストコンサル」と呼びます。
具体的には、コンサルティングファームや、シンクタンクのコンサルティング部門に従事した経験をもつ元コンサルタントのことです。
ポストコンサルは、業界内外のハイポジションへの転職が可能な「プラチナチケット」をもっています。これは、コンサル未経験では得られない、特別な転職チケットです。
但し、ポストコンサルの受け入れに慣れていない事業会社はまだまだ多くあります。
会社の実情をよく知り、ご自身にフィットする企業を慎重に選ぶことが、ポストコンサル転職の成功の鍵です。
また一口に「ポストコンサル」と言っても、マッキンゼーやBCGに代表される戦略系コンサル、総合系ファーム、シンクタンク、組織人事コンサル、IT系コンサル、財務系コンサル(FAS)など、様々な領域のコンサルティングファームの出身者がいます。
さらに、アクセチュアやDTCなどの大手総合系ファーム、野村総研や三菱UFJリサーチ&コンサルティングなどの大手シンクタンクには、戦略コンサル部門、ITコンサル部門、組織人事コンサル部門、財務コンサル部門などの様々な部署があり、部門ごとに培うスキルは異なります。
このように、出身コンサルティングファームや経験したプロジェクトによって、身につくスキルセットやネクストキャリアは異なっており、以下のように大別されます。
戦略系・総合系・大手シンクタンクの戦略コンサル経験者
戦略コンサル経験者は、経営戦略やマーケティング戦略、M&A戦略、組織変革などのプロジェクトを業界問わず幅広く経験しています。
一方、特定領域における専門知識はやや浅くなる傾向があり、CEO、COO、事業責任者などゼネラルなカラーの強い経営幹部を目指すケースが多いです。
様々な業界の事業会社の経営企画部門、マーケティング部門、M&A部門、経営陣直下の特命チーム、幹部育成コースなどへの転身が可能です。
また、英語力や年齢との兼ね合いもありますが、PEファンドや投資銀行へのキャリアチェンジも珍しくありません。
コンサルティング業界内での転身ももちろん可能です。
戦略コンサルタントとしての抜擢だけでなく、財務系(FAS)、ブランド系、組織人事系などの専門領域に特化したコンサルタントへ転身することもあります。
幅広い業界や職種から入ることができる上、ネクストキャリアの幅も非常に広く、戦略コンサルは、まさに「ハブキャリア」の代名詞的存在とも言えるキャリアパスとなっています。
IT系、組織人事系、財務系(FAS)のコンサル経験者
IT系、組織人事系、財務系(FAS)のコンサル経験者は、専門領域に特化したコンサルティングファームと、総合系ファームや大手シンクタンクで専門領域のコンサルを経験した人が該当します。
このような専門領域に特化したポストコンサルも幅広い業界の事業会社への転身が可能です。
IT企画部門、組織人事部門、M&A・財務部門など、それぞれの専門領域に該当する部門の幹部・幹部候補として転身するケースが主流です。
その後は、培った専門知識と経験を活用して、CIO、CHO、CFOなどの経営幹部を目指す人が多くなっています。
コンサルティング業界内での転職は、即戦力人材として高い評価を受けるため、専門性を活かして競合のコンサルティングファームへ移るケースがほとんどです。
なお、財務系(FAS)のポストコンサルは、PEファンドでも高い評価を得られやすくなっています。PEファンドでのキャリアに関心をお持ちの人にとって、有力なキャリアパスと言えるでしょう。
このように、ポストコンサルのキャリアは、選択肢が幅広く、しかも高いポジションで転職先に迎えられるケースが多い、とても魅力的なキャリアとなっています。
ポストコンサルが評価される理由
ポストコンサルが幅広い企業で高く評価される最も特徴的なスキルは、「汎用的な問題解決能力」です。
ポストコンサルは、コンサルタントとして、様々な業界のクライアントを対象に、経営者視点で専門領域の問題を数多く解決してきています。
クライアントは、業界が異なっても類似した問題に直面していることが多く、その解決には過去のプロジェクトでの経験を活かすことができます。
そのためポストコンサルは、固有の業界や企業に縛られない問題解決能力を培ってきているのです。
この“汎用的”な問題解決能力は、ポストコンサルが様々な業界で評価されている理由として挙げることができます。
20~30代の若手であっても日常的に経営者視点で問題解決を行なってきた豊富な経験を持っているため、事業会社の役員や事業責任者といったハイポジションに、ポストコンサルは若くして抜擢されるのです。
ポストコンサルのもう一つの特徴は、「高度なリーダーシップ」です。
一昔前までのコンサルタントは、「机上の空論」と揶揄されることも、少なくありませんでした。
しかし、現代のコンサルティングファームの多くは、実行支援まで踏み込んで、クライアントへ具体的な成果をもたらすことを重視しています。
そのため、クライアント企業の組織や人、場合によってはクライアント以外のステークホルダーも巻き込んで動かすということを、コンサルタントは若いうちから経験しています。
しかも、会社の上下関係や大企業の看板を使って人を動かしている訳ではありません。
当然のことながら、ロジック面の説得力だけでなく、関係者の感情面にも配慮した高度なリーダーシップが求められます。
このようにして、コンサルティングファームで身につけたリーダーシップがあるので、ポストコンサルは起業家として成功したり、事業会社の幹部として高い評価を受けたりしているのです。
ポストコンサルの主要キャリア
ネクストキャリアにおけるポストコンサルの活躍には目覚ましいものがあり、実に様々な分野で活躍しています。
以下に「ポストコンサル」の代表的なネクストキャリアを分類してご紹介します。
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