組織人事系コンサルへの転職[徹底解説]

企業の組織変革を支援するコンサルティングファーム

企業の組織変革を支援するコンサルティングファームは、人事戦略や制度設計を扱うハード系HR領域(組織人事系コンサルティングファーム)と、組織風土改革や人材開発などを扱うソフト系HR領域(チェンジマネジメント系コンサルティングファームやコーチングファーム、人材開発・研修会社)に大別されます。

両者ともに企業の戦略を実現する組織づくりを目指すというビジョンは共通していますが、主たるアプローチが異なります。
組織人事系コンサルティングファームは、評価制度や報酬制度などの「ルール」を主対象とするのに対して、チェンジマネジメント系コンサルティングファームは、成功体験や研修などの「社員の学び」を主対象としていると言えるでしょう。

ただし、近年の動きとしては、より具体的なインパクトを短期間で求めるクライアント企業のニーズを受けて、これまでハード系HR領域を専門としてきた外資の組織人事系コンサルティングファームが、ソフト系HR領域のサービスにも注力し始めるという変化が見られ、徐々に両者の垣根は曖昧になってきています。

組織人事系コンサルティングファームとは?

組織人事系コンサルティングファームは、組織人事に関わるルールの整備を通じて、社員の行動変容を促し、企業の戦略を実現する組織づくりを支援するプロフェッショナルファームです。
具体的なプロジェクトとしては、人事戦略の立案、組織構造の改革、人事制度構築、評価制度の改善などが挙げられます。
また、企業のグローバル化やM&Aの増加に伴い、海外子会社の人事制度改革やM&Aに伴う人事制度統合のプロジェクトも増加しています。

さらに、昨今は、コーポレートガバナンス・コードの施行を背景に、取締役のアセスメント、役員報酬制度に関するコンサルティングなど、新しい領域のプロジェクトも注目を浴びています。

代表的な組織人事系コンサルティングファームには、ウイリス・タワーズワトソン、マーサーなどがあります。ただし、総合系コンサルやシンクタンク系コンサルにも、組織人事コンサルティングを専門とする大規模な部門があり、組織人事専業のコンサルティングファームと競合しています。
そのため、組織人事コンサルへの転職を志望する人は、これらのコンサルティングファームを並行して検討することが通例です。

チェンジマネジメント系コンサルティングファームとは?

チェンジマネジメント系コンサルティングファームは、業務改善による成功体験や研修・ワークショップなどを通じて、社員の成長や意識変革を促すことで、組織の体質改善を支援するプロフェッショナルファームです。
社員の価値観が変化していない状態で、人事制度や評価制度を変更すると、急激な変化に対して社内から反発が出てしまうことがしばしばあります。
この軋轢を軽減するために、チェンジマネジメント系コンサルティングファームでは、まずは社員の価値観を変えた上で、必要であればルールの変更を行うというアプローチをとっています。

具体的には、業務改善の支援、社員のパフォーマンス向上、研修・ワークショップの運営、社内コミュニケーションの改革、幹部層へのコーチングなどのプロジェクトを行います。

組織人事系コンサルに求められる人材要件

組織人事系コンサルの採用傾向

組織人事系コンサルティングファームでは、組織人事系コンサル、または事業会社の人事経験者を採用する傾向があります。
組織人事系コンサル出身者の場合は、もちろんシニアクラスでの採用もありますが、事業会社の人事経験者の場合は20~30代半ばくらいの採用が中心です。

また、戦略立案フェーズからの提案を通じて大規模なプロジェクトを受注するため、ここ数年、戦略コンサル出身者の採用にも力を入れるという変化があります。
日系企業のグローバル展開に伴うプロジェクトも増加していることから、英語力が重視される傾向もあります。

チェンジマネジメント系コンサルの採用傾向

チェンジマネジメント系コンサルティングファームでは、ポテンシャル採用を積極的に行う傾向があります。
人事に関する知識や経験よりも、リーダーシップやコミュニケーション能力が重視されています。
具体的には、事業開発の経験者、社内業務改善の経験者、営業部門のリーダーなど、社内外の関係者を巻き込んで成果を挙げてきた人が高い評価を受けています。
一般的に、20~30代半ばの有名大学出身者を主な対象として採用しています。
コンサルティングファーム出身者の場合は、シニアクラスでの採用も行われています。

組織人事系コンサルの選考プロセス

選考プロセス1:書類選考

履歴書、職務経歴書による選考が行われています。志望動機書を求めるファームも多数あります。
人事関連の知識や経験が重視される組織人事系コンサルティングファームと、リーダーシップやコミュニケーション能力が重視されるチェンジマネジメント系コンサルティングファームでは、アピールすべきポイントが大きく異なるため、書類作成時に注意が必要です。


選考プロセス2:筆記試験

一部のファームでは、論理的思考能力を測る試験を課すことがあります。
また、組織人事系コンサルティングファームでは、クライアント企業向けに自社で開発しているオリジナルの適性検査を課されることもあります。


選考プロセス3:面接

通常、3〜4名程度の面接官と1対1の面接が行われます。
近年、ケースインタビューを課すファームも増えています。中には、組織変革に関するテーマが出題されることもあります。
戦略ファームやシンクタンクで出題されるケースインタビューと少々異なり、組織変革に関する見識が問われるため注意が必要です。

組織人事系コンサル出身者のネクストキャリア

組織人事系コンサルティングファーム出身者のネクストキャリアでは、事業会社への転職、他のコンサルティングファームへの転職など多岐にわたります。

組織人事系コンサルの出身者は、事業会社への転職では、外資系事業会社、中堅・ベンチャー企業などが主な転職先となり、人事部門の中核メンバーとしての活躍が目立ちます。

他のコンサルティングファームへの転職では、年齢が若ければ、戦略系、業務・IT系、シンクタンク系など、組織人事系コンサル以外のコンサルタントに転身することも十分に可能です。

また、着実に知識や経験を積み上げられる領域のため、ファーム内で昇格を重ねてパートナーとなるキャリアも大変有力です。
もちろん、他の組織人事系コンサルティングファームや、総合系ファームの組織人事コンサル部門への転職などでは、即戦力人材として高い評価を得られます。

コンサルタントとして独立する人も以前は多数見られましたが、ニーズの高いグローバルプロジェクトへの対応が難しいため、近年は独立後に苦戦されているケースも見受けられます。

チェンジマネジメント系コンサル出身者は、事業会社への転職では、中堅・ベンチャー企業が主な転職先となります。オーナー社長の右腕として社内変革・業務改革を推進する人や、PEの買収先企業におけるターンアラウンドマネージャーとして企業再生をリードする人の活躍などが見られます。

他のコンサルティングファームへの転職では、年齢が若ければ、戦略系コンサルや業務・IT系コンサルなどへの転身も珍しくありません。

代表的な組織人事系コンサルティングファーム

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組織人事・チェンジマネジメントへの転職支援実績Track Record

  • 28歳 (女性) 慶大卒

    大手日系メーカー

    人事部門

    550万円

    組織人事系ファーム

    コンサルタント

    700万円
  • 43歳 (男性) 早大卒

    組織人事系ファーム

    パートナークラス

    2000万円

    大手組織人事系ファーム

    パートナークラス

    2200万円
  • 28歳 (女性) 有名私立大卒

    大手情報サービス企業

    法人営業

    600万円

    組織人事系ファーム

    コンサルタント

    700万円
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